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👨‍🏫 14. 交流インピーダンス法による電池やキャパシタの評価

山形大学  理工学研究科(工学系)  物質化学工学専攻  🔋 C1 立花和宏

2027/02/01 頃

まあ、音楽でも聴きましょう。

図 盗賊の唄 カタロニ ア民謡 石田 忠 クラシックギター

途中出てくる、ぴーんとぱーんとかいう音ね、ハーモニクスといいます。 ハーモニクスは倍音のことです。 振動数は弦の長さで決まりますが、倍音が聞けるんですね。


図 ギターのハーモニクスチューニング

ハーモニクスは弦に触れて強制的に基音の振動を止めることで、倍音だけを残して響かせます。

あ、振動数と周波数は英語にするとフリケンシイで同じ意味です。 日本語だと音響や電気では周波数、エネルギーだと振動数っていうことが多いです。 ここでは周波数で統一していきます。


インピーダンスの具体例

表   1 .  インピーダンスの具体例
機器値/Ω
スピーカー入力インピーダンス 8
プリアンプ入力インピーダンス 1500 1 )
JFET入力の汎用オペアンプ 1012 2 )
マイク出力インピーダンス 150
乾電池 0.4
リチウム電池 (25.6V 24Ah (614Wh)) 30×10-3
ポテンショスタット測定下限 HZ-ProS12 3 ) 10×10-3

電池評価における直流と交流

表   2 .    電池の 🖱 直流評価 と 🖱 交流評価
直流 交流
主な対象 界面 バルク
主な評価項目 直流抵抗( DCR) イオン導電率
主な評価方法 短絡試験、定負荷試験、定電流試験 交流インピーダンス法 、 過渡応答試験

交流インピーダンス法 で測定した、 コールコールプロット の切片は、バルク抵抗(溶液抵抗など)です。 複雑な 電池の内部抵抗 は、 バルク抵抗より界面抵抗に支配されます。 周波数が高いと、界面抵抗と 並列の容量が比較的小さくても(皮膜、 空間電荷層) リアクタンスが小さくなってしまうため、 内部抵抗の推定は、直流抵抗の評価が大切です。


交流インピーダンス法

表   3 .  主な電気化学測定法
名称 概略 制御 測定 装置
クロノポテンショメトリー (CP) 電圧電気量曲線 電池 の 充放電曲線 過渡応答 など 電流 電圧 ( 電位 )、時刻 🚂 ガルバノスタット、データロガー
クロノアンペロメトリー クロノアンペログラム 電流絞り込み曲線など 電圧 電流、時刻 🚂 ポテンショスタット 4 ) 、データロガー
リニアスイープボルタンメトリー (LSV) 分解電圧の測定など 電圧、掃引速度 電流 🚂 ファンクションジェネレータ、 🚂 ポテンショスタット、データロガー
サイクリックボルタンメトリー ( CV) 5 ) 電圧、掃引速度 電流 反応種の特定など
電圧電流曲線 電流 電圧 電池の内部抵抗
コンダクトメトリー 導電率 誘電率 の測定など 電圧 電流 🚂 ファンクションジェネレータ 6 ) 、 🚂 ポテンショスタット、データロガー
交流インピーダンス法 導電率 の測定など 電圧 周波数 電流 ファンクションジェネレータ、ポテンショスタット、データロガー、 オシロスコープ、 LCRメータ * *

表   4 .  インピーダンス測定の歴史
年代方法
1882 遠距離送電 *
1887 直流派エジソンと、交流派テスラの 電流戦争が勃発 * 7 ) 8 )
1930 同軸ケーブル *
1937 スミスチャート *
1965 FFT *1 *2
1960~ロックインアンプ FRA *
1970~LCRメーター *
2030 HVDC
09 エネルギー化学 14 エネルギー変換化学 1210 🖱

交流の大きさと周波数(正弦波の振幅)

図   1 .  84 交流の大きさと周波数(正弦波の振幅)
© 2025 K.Tachibana * , C1 Lab.
🖱 交流の大きさと周波数

音は時間とともに圧力が変化する波です。縦軸に耳に入った圧力、横軸に時間をとるとこんなかんじです。 山から山までの時間を周期といいます。周期の逆数を周波数と言います。


実際の音を聞いてみましょう。

図 正弦波(サイン波)
図 正弦波(サイン波)(440Hz)
図 正弦波(サイン波)(440Hz)
図 正弦波(サイン波)倍音(880Hz)
図 正弦波(サイン波)倍音(880Hz)
図 正弦波(サイン波)3倍音(1320Hz)
図 正弦波(サイン波)3倍音(1320Hz)
図 正弦波(サイン波)4倍音(1760Hz)
図 正弦波(サイン波)4倍音(1760Hz)
図 ピカッとさいえんす フォトリソグラフィー

時間領域と周波数領域

図   2 .  🖱 時間領域(左)と周波数領域(右)

横軸が周波数のグラフを、 スペクトルと言います。 フーリエ変換は、横軸を時間から、周波数に変換する方法です。 デジタルコンピュータの発展で、さまざまな応用ができるようになりました。


表   5 .   接触界面
固体 液体 気体(真空)
固体 面接触(例: pn接合)
線接触(三相界面 )(例:正極合材、 局部電池)
点接触(三相界面 ショットキー接触 )(例:固体電解質、 炭素導電助剤粒子 )
固液界面 (例:サスペンジョン) 表面 粉体
液体 固液界面 (例:電極と電解液) 液液界面 (例:エマルション) 気液界面 ( 表面 )
気体(真空) 粉体 表面 気液界面 ( 表面 ) (混合)
⑦ ⑭ エネルギー変換特論 ⑤ ⑪ エネルギー化学 ⑪ 無機工業化学 🖱 界面 ⑤ 機能特論 ST2023 1210 1224 0216

物質は、 様々な状態をとります。 界面や表面 は、ある材料の相と異なる材料の相が接するところです。

電池の内部抵抗は、バルクと界面との両方から生じます。 また電池の活物質は 三相界面 で反応が進行します。

固体は、形状が決まっているので、接触界面に多様性がある。 また、固体の表面は、バルクとちがって、さまざまな 欠陥があります。

接触抵抗 内部抵抗

pn接合は、ダイオードや トランジスタの基本です 9 ) 10 ) 。

不定比化合物 も 半導体になります。


理想的な電池と理想的なキャパシタを較べてみましょう。 理想的な電池は、起電力があり、内部抵抗0で、活物質の物質量に対応した電気が取り出せます。 電池の容量と言った場合、電圧に関係なく取り出せる電気量です。 理想的なキャパシタは、電圧に応じた電気をためることができます。 キャパシタの容量と言った場合、電圧と取り出せる電気量の比です。


等価回路

表   6 .    等価回路
等価回路
静電容量
図   4 .  静電容量のみの 等価回路

静電容量が発生する要因としては、 バルクの 金属の 静電誘導、 バルクの 誘電体の 誘電分極、 界面の 電気二重層、 界面の 配向分極があります。

並列抵抗 並列容量
図 RC並列
直列容量 直列抵抗
図 RC直列
並列抵抗 並列容量 直列抵抗
図   5 .  RC並列+R直列
並列抵抗 並列抵抗 並列容量 並列容量 直列抵抗
図 🖱 RC並列+RC並列+R直列
分布定数回路
14 エネルギー変換特論 ST2023 ST2021

インピーダンスの測定法


インピーダンス測定器の特徴

表   7 .  インピーダンス測定器の特徴
交流ブリッジ インピーダンスメーター
名称 インピーダンスブリッジ ベクトルインピーダンスメーター
LCRメーター
インピーダンスアナライザー
周波数 範囲
測定の出力
アナログ アナログ/デジタル

抵抗器 、コンデンサー、コイルなどの回路部品のインピーダンスや、誘電体の誘電率や溶液の導電率、および 界面容量などの評価のためにインピーダンス測定を行います。 11 )

ノイズやリサージュの確認には、 オシロスコープが役に立ちます。


インピーダンスブリッジ回路

図   6 .  インピーダンスブリッジ回路
© 2020 K.Tachibana * , C1 Lab.

12 )

*

インピーダンスメーター

図   7 .  インピーダンスメーター
© K.Tachibana * , C1 Lab.
装置 ケミカルインピーダンスアナライザー

LCRメーターとも呼ばれます。

周波数を設定して、その周波数での測定対象(電子部品、電池など)の インピーダンスが測定できます。 周波数掃引して、 コールコールプロットもやれます。

信号発生回路で 交流 を印加し、電流と電圧を ADCでデジタル記録し、演算してインピーダンスを求めます。

実際の印加波形やノイズの状況は オシロスコープで必ず確認しましょう。

アナログ回路のブロック図

LCRメーター

表   8 .  LCRメーター *
14.エネルギー変換特論 1210 1217 1224

レコーダー

表   9 .   レコーダー(記録計)
デジタル
(電子・磁気)
アナログ
( 紙・ペン)
電気化学測定法
直流 電圧-時間 データロガー Webデータロガー ペンレコーダ― クロノポテンショメトリー(充放電曲線)
クロノアンペロメトリー
電流-電圧 データロガー XYレコーダ― サイクリックボルタンメトリー
交流 電圧-時間 デジタルオシロスコープ 交流インピーダンス法 タイムトランジェント
電流-電圧 デジタルオシロスコープ 交流インピーダンス法 リサージュ
14.エネルギー変換特論 1210

※1秒以下の電圧変化を、直接紙とペンで記録するのは、困難です。 電子記録や磁気記録などのコンピュータによるデジタル記録を使うことで、容易に交流インピーダンス法が実現できます。


オシロスコープ

図   8 .  オシロスコープ
© K.Tachibana * , C1 Lab.

波形の観察、 振幅 や周波数の測定には、 オシロスコープが便利です。 リサージュの観察もできます。

デジタルオシロスコープには、 アナログデジタル変換器 (ADC) が備わっており、 波形を 記録できます。 XYモードにすると、 XYレコーダかわりに使えます。

多機能デジタルオシロスコープでは、 ファンクションジェネレータ、マルチメータ、 スペクトルアナライザの機能が搭載されていて、ポテンショスタットさえあれば、インピーダンスの測定も可能です。

インピーダンスメーターと併用すると間違いがありません。

👨‍🏫 オシロスコープの選び方・使い方 👨‍🏫 信号発生器(ファンクションジェネレータ) ⚖️ 電圧

メーター

表   10 .   メーター(計器)
エネルギー 物理量 デジタル アナログ 原理
💪力学 時間 デジタルタイマー
時計
ストップウォッチ
振り子
質量 体重計 天秤
流量 流量計
⚡電気 電圧 デジタル回路計 電圧計 オームの法則 (抵抗率)
電位 デジタル回路計 電位差計
電流 デジタル回路計
電流センサー *
電流計 フレミング左手の法則
電気量 電量計(クーロメーター) ファラデー電気分解の法則
🔥熱 温度 デジタル温度計
温度センサー
温度計 熱膨張率
熱量 熱量計
🌟光 形状 ものさし 顕微鏡 長さ
照度 デジタル照度計
🧪化学 pH pH計
ネルンストの式
14.エネルギー変換特論 1210

バッテリーセルジェネレータ

表   11 .  バッテリーセルジェネレータ *
14.エネルギー変換特論 1210

図   9 .  195 リサージュ図形

正弦波の 交流を ランドルス等価回路に印加したとき、 印加波形を横軸に、応答波形を縦軸にとった図形を、 リサージュと言います。


コールコールプロットとボードプロット

図   10 .  83
コールコールプロット(ナイキストプロット)とボードプロット
© K.Tachibana * , C1 Lab.

交流の電流と電圧の比を インピーダンスと言います。

インピーダンス は複素数なので、実部と虚部があります。 実部をリアクタンスと言い、虚部をレジスタンスと言います 13 ) 。 各周波数での インピーダンスの軌跡を複素平面上にプロットしたものを コールコールプロットあるいはナイキストプロットと言います。

*

パイソンで描いたコールコールプロット

図   11 .  コールコールプロット(ナイキストプロット)とボードプロット
© K.Tachibana * , C1 Lab.

コールコールプロットは、インピーダンスの軌跡を複素平面上にプロットします。 ボードプロットは、インピーダンスの絶対値と偏角を周波数に対してプロットします。

python では、複素数が使えるので、短いプログラムでコールコールプロットのシミュレーションができます。

# ■■■ コールコールプロット
import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import matplotlib.patches as patches
import cmath
import math
from google.colab import files

R= 2000
C = 0.1e-6
Rs = 500

t = np.arange(start = 0, stop = 5, step = 0.05)
f = [pow(10,p) for p in t]
z = [1/(1/R+1j*2*np.pi*p*C) + Rs for p in f]
x = [ p.conjugate().real for p in z]
y = [ p.conjugate().imag for p in z]
r = [ abs(p.conjugate()) for p in z]
ph = [ cmath.phase(p.conjugate())/math.pi*180 for p in z]
#ph = [ math.atan2(p.imag, p.real) for p in z]

ax = plt.subplot2grid((2, 2), (0, 0), rowspan=2)
ax.set_aspect('equal')
ax.set_xlabel("$Z^{\prime}$ / $\Omega$")
ax.set_ylabel("$-Z^{\prime \prime}$ / $\Omega$")
plt.scatter(x, y,alpha=0)
x_min, x_max = ax.get_xlim()
y_min, y_max = ax.get_ylim()
ax.set_xlim(0, x_max)
ax.set_ylim(0, y_max)

for t in np.arange(start = 500, stop = 2000, step = 500):
  ax.add_patch(patches.Circle(xy=(0, 0), radius=t, fc='none', ec='#B0FFFF'))

for t in np.arange(start = 1, stop = 12, step = 1):
  ax.axline((0, 0), slope=math.tan(math.pi*t/24), color='#B0FFFF')

plt.plot(x, y)

ax = plt.subplot2grid((2, 2), (0, 1))
ax.set_xlabel("$f$ / Hz")
ax.set_ylabel("$|Z|$ / $\Omega$")
plt.xscale('log')
plt.plot(f, r)

ax=plt.subplot2grid((2, 2), (1, 1))
ax.set_xlabel("$f$ / Hz")
ax.set_ylabel("$\u03b8$ / deg") # \theta では表示できない
plt.xscale('log')
plt.plot(f, ph)

plt.savefig('fig_cole_cole_python.SVG');files.download("fig_cole_cole_python.SVG")
plt.savefig('fig_cole_cole_python.PNG');files.download("fig_cole_cole_python.PNG")

# ■■■ コールコールプロット

ボードプロット

図   12 .  ボードプロット(インピーダンス)
© 2025 K.Tachibana * , C1 Lab.

コールコールプロットといっしょに使います。

一般のボードプロットでは、ゲインを縦軸にとります。

仮定した 等価回路
直列抵抗Rs=500Ω
並列抵抗Rp=2000Ω
並列静電容量Cp=0.1μF
あげ

図   13 .  コールコールプロット(ナイキストプロット)
© 2026 K.Tachibana * , C1 Lab.

複素平面では、インピーダンスはベクトルで表現されるので、 ふたつのインピーダンスの和は、ベクトル和として表現することができます。

1000Hzにおけるインピーダンスの読み取り例

等価回路とインピーダンスをごっちゃにすると混乱します。

仮定した 等価回路
直列抵抗Rs=500Ω
並列抵抗Rp=2000Ω
並列静電容量Cp=0.1μF

図 ランドルス型等価回路

典型的な電極界面の等価回路

反応抵抗 界面 電解質
図   14 .  典型的な電極界面の等価回路
③ ⑭ エネ特 等価回路 図 1217 1224 0216

等価回路は、抵抗、コンデンサ、コイル、CPEなどで、実際の電極を表現したモデルです。

CPEとはコンデンサの代わりに コールコールプロットの フィッティングに使うモデルで、現実の素子とは対応せず、物理的意味を与えることは困難です。 *

等価回路の仮定は、インピーダンスの解釈に便利である。


コールコールプロット&ボードプロット(RC並列+RC並列+R直列)

図 353
コールコールプロット(RC並列+RC並列+R直列)
©K.Tachibana

インピーダンスとフーリエ変換

ボードプロットとコールコールプロット(ナイキストプロット)


RC並列+R直列(ランドルス)回路の定電流過渡応答

図   15 .  🖱 RC並列+R直列(ランドルス)回路の定電流過渡応答

RC並列直列回路の定電圧過渡応答

図   16 .  133 RC並列直列回路の定電圧過渡応答
© K.Tachibana
ST2023

インピーダンスの数式 図

エジソンとテスラが電力を送電の大論争をやらかした。 直流か交流か? 交流ならトランスで簡単に電圧を変換できる。 高圧で送電すれば電気抵抗に伴う発熱を最小限にできる。 送電に伴う発熱を抑えた交流送電に軍配があがった。

http://bizgate.nikkei.co.jp/smartcity/technology/000689.html

立花 和宏, 技術情報協会, (2009). インピーダンスの測定ノウハウとデータ解析の進め方

時間情報を保持したインピーダンス測定法の各種材料解析への適用方法についての最新動向 星芳直、四反田功、板垣昌幸, Electrochemistry,84,892(2016).

インピーダンス測定 藤嶋昭, 相澤益男, 井上徹著, 電気化学測定法, 技報堂出版, , (1984).

板垣 昌幸 電気化学インピーダンス法目次 丸善出版

しかし交流で送るときに電気抵抗 R〔Ω〕のほかにも送電を邪魔する何かがあった。 この邪魔する何かを「 インピーダンス Z〔Ω〕 」と呼ぶ。

交流が直流と違うところは、時間とともに電流 I〔A〕の向きや大きさを変えるところだ。 電気のストップアンドゴーに伴って、電気の抵抗だけなく、電気の渋滞や、電気の重たさが、送電の邪魔になる。 電気の渋滞に対応する何か「キャパシタンス」と呼び、電気の重たさに対応する何かを「インダクタンス」と呼ぶ。 時間的にちぐはぐさせるキャパシタンスとインダクタンスで引き起こされる邪魔になる何かを「リアクタンス」と呼ぶ。

だから送電の邪魔になる何かはエネルギーロスを伴う電気抵抗と、そうでないリアクタンス X〔Ω〕の総和になる。

インピーダンスは数式1で示されます。

Z =R+ j X
(数式-1)

複素平面にプロットしたインピーダンスの周波数による軌跡を コールコールプロットまたは ナイキストプロットと呼びます。

そしてリアクタンスの正体は

X=1/wC-wL

電池では電気を運ぶ担い手は電子ばかりではない。 電池のショートさせないために電子以外の担い手を選ぶ必要があるからだ。 電解液。 電解液の中の電気の担い手はイオンと呼ばれる荷電粒子だ。 イオンの重さは一番軽い 水素イオン でも 電子の重さ の1800倍。 この重さの違いはゾウとモルモットの体重差に匹敵する。 だから、電池から電流を取り出せているとき、電気の重たさは気にせずともよい。

X=1/wC

でよい。

電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイスだ。 中には還元剤と酸化剤とが仕込んである。 ガソリンと酸素が仕込んであるようなものだ。 引火すれば大爆発だ。

そこで還元剤と酸化剤が触れ合わないよう、仕切りがある。 その電子的な仕切りの役目を果たしているのが電解液。 電解液は液体だから、物理的に仕切ることはできない。 そこで仕切りに物理的な強度を与えるがセパレータだ。

こうして電池の内部では、還元剤と酸化剤が電解液で仕切られている。 還元剤はいつも電子に飢えていて、酸化剤はいつも電子を持て余している。 この電子に対する姿勢の違いが電位差となって界面に現れる。

そしてその界面には動物園の檻にへばりついてエサをねだる動物のように イオンが群がっている。このイオンの群がりが電気二重層容量と呼ばれるものだ。

交流インピーダンス法を使った工業製品

体脂肪率を測定する 体脂肪計 や、 導電率 を測定する 塩分計 などがあります。

塩分計 の例 (出典: タニタ)
体組成計の測定原理の例 (出典: タニタ)
体組成計の原理

直流と交流

一定の周期で大きさと向きが変わる電流が交流です。 電気回路 交流の大きさは振幅で表します。

交流を発生する発振器 ファンクションジェネレータ 、交流の波形を観察するオシロスコープなどを使います。 電池に交流インピーダンス法を適用する上で、非直線抵抗の取り扱い、界面の面積の取り扱い、反応に伴う系の変化の取り扱い、 を考慮します。

オシロスコープ は振幅を読み取ったり、位相角を測定したりします。

オシロスコープ の例
出典:テクトロニクス


電気化学 電気と化学―電池と豆電球のつなぎ方と電流・電圧の測り方―

インピーダンスをお手軽に測定するなら LCRメーターで測定するのが便利です。 しかし、電池をLCRメーターで測定するとなるとDC成分をキャンセルしなければならないなど、少々工夫が必要です。


出典:
表   12 .    インピーダンスに出てくる諸元
物理量 数式 備考
周期 T〔s〕 🖱山のてっぺんからてっぺんまでの時間です。
周波数 f〔Hz〕 f = 1/T 周波数と振幅で交流を表現します。
角周波数 ω( オメガ ) ω=2πf
電圧 振幅Ep0 交流の大きさの表現には、振幅のほかにピークトゥピークや実効値があります (※)。
電流 振幅Ip0 I= ⅆ Q ⅆ t
インピーダンス Z〔Ω〕 Z = R + j X *
絶対値 |Z| Z = R 2 + X 2
位相角 φ( ファイ ) tan φ=X/R
アドミタンス Y〔S〕 Y = G + j B *
インダクタンス L L= V ⅆ I ⅆ t
静電容量C C= ⅆ Q ⅆ V
電気抵抗 R R= ⅆ V ⅆ I インピーダンス Z の実部
抵抗率× セル定数 R= ρ d S
リアクタンス X インピーダンス Z の虚部、 X=ωL-1/ωC
コンダクタンスG G= ⅆ I ⅆ V アドミタンス Y の実部
サセプタンス B アドミタンス Y の虚部

インピーダンスブリッジや インピーダンスブリッジメーターで 測定します。

⚖️ 周波数 ⚖️ 電圧 ⚖️ 電流
表   13 .  インピーダンス と物性との 関係
計測可能 な 物理量
(セル)
界面 の特性値
(面積)
バルクの 物性値
(セル定数)
電気抵抗 R[Ω]
=電圧÷電流
R = ⅆ V ⅆ I , V = R I
反応抵抗(面積抵抗率) Rct〔Ωm-2〕
=電圧÷ 表面 電流密度
接触抵抗 (界面抵抗) * =電圧÷表面電流密度
抵抗率(体積抵抗率)ρ
=電場強度e÷ 断面 電流密度
抵抗率ρ〔Ωm〕=電気抵抗R〔Ω〕÷ セル定数 a〔1/m〕
電気抵抗R=抵抗率ρ×長さl/面積S 14 )
抵抗率ρ=1÷導電率
ρ = ⅆ e ⅆ j
コンダクタンスG[S]
=1÷電気抵抗R
導電率 σ( κ(カッパ))〔Sm-1〕 、電気伝導度
静電容量 (キャパシタンス)C
C = ⅆ Q ⅆ V , V = 1 C ∫ I ⁢ ⅆ t
電気二重層容量Cd〔Fm-2〕 ⚖️ 誘電率 ε( イプシロン)
=電荷密度÷ 電場強度e
インダクタンスL
L = V ⅆ I ⅆ t , V = L ⅆ I ⅆ t
透磁率 μ
©2020 K.Tachibana

電池の内部抵抗は、 バルク抵抗だけでなく、界面抵抗に左右されます。 溶液に金属を浸しただけの ダニエル電池 のような単純な電池では、バルク抵抗が支配的ですが、 合材電極や固体電解質を使う リチウムイオン電池 のような複雑な電池では、界面抵抗が支配的です。 電池の内部抵抗の評価には、 交流評価と直流評価を組み合わせが必要です。

電子の流れを水に例えたら、pn接合は 瀑布のようなものです。


オシロスコープによる波形の確認

リサージュ

ボーデプロットとコールコールプロット

横軸に周波数の対数、縦軸にゲインと 位相角 φ のプロットしたものがボーデプロットです。 フランス語読みしてボードプロットとも言います。 下記のデータをボーデプロットしてみましょう。


図 コールコールプロット(ナイキストプロット)

図 コールコールプロットの実例

横軸に インピーダンス Z の実部、 縦軸に インピーダンス Z の虚部をプロットしたものをコールコールプロットまたはナイキストプロットと言います。 極座標表示なので、横軸と縦軸の比を変えてはいけません。 インピーダンスは複素数なので、複素平面上にインピーダンスをプロットしたことになりますね。 正しくプロットされていれば、動径が インピーダンス の絶対値|Z|、偏角が 位相角 φ を表すことになります。 パラメトリック表示なので、解析しやすいように周波数を書き込んでおきましょう。


電気抵抗と導電率

電気抵抗R〔F〕は電圧Vと電流Iの比例定数。


図 導電率の測定原理

図 リチウム電池のナイキストプロット

Fig 3DCADを使った電気抵抗の概念図
©Copyright Miyuki Akama, C1 Laboratory all rights reserved.

図   17 .  抵抗率
(©赤間未行)

電気抵抗と抵抗率

図   18 .  電気抵抗と抵抗率
© K.Tachibana * , C1 Lab.

コンダクタンスと導電率

図   19 .  コンダクタンスと導電率
© K.Tachibana * , C1 Lab.

抵抗率

図   20 .  147 抵抗率 /Ωm
© Copyright Takaaki, C1 Lab.
電気化学 電気と化学―電池と豆電球のつなぎ方と電流・電圧の測り方―

静電容量と誘電率、二重層容量

図   21 . 

静電容量C〔F〕は電圧と電気量の比例定数。 電気量は電流の積分。誘電率は電界電界の強さE〔V/m〕と電荷密度の比例定数。 誘電率はベクトル。 等方性物質ではすべてのベクトルは等しいが、異方性物質では誘電異方性を持ちます。 バルクの分極には静電誘導と誘電分極、界面の分極には二重層容量と配向分極があります。静電誘導は金属、誘電分極は主にイオン化合物、二重層容量は電極と主に電解液中のイオン、配向分極は主に界面での極性分子によって起こります。


図   22 .  電気抵抗とコンデンサの並列接続の概念図
(©赤間未行)

図   23 .  電気抵抗とコンデンサの並列接続のコールコールプロット
等価回路 15 ) 16 )
http://www.science-t.com/st/cont/id/24425
http://www.science-t.com/st/cont/id/25775

蓄電・蓄エネをインフラに頼らない自エネ組。エネルギーマネジメントも自分たちで。

02. データ通信技術からスマートグリッドまで~ライフラインとしてのインターネット~

セミナー ディープラーニング ディープラーニング ディープラーニング ディープラーニング ディープラーニング ディープラーニング
©2026 Kazuhiro Tachibana

◇ 参考文献


エネルギー化学特論
✍ 平常演習
💯 課外報告書 Web Class

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🏫 学問の自由 は、心の自由。 大学では、精神は自由であらねばならない。(松木健三)
📆 20251028 明日からやろう!インピーダンス測定・解析
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山形大学 工学部 化学・バイオ工学科 応用化学・化学工学コース
C1ラボラトリー ( 伊藤智博 ・ 立花和宏 ) @ 米沢

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