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電気分解とファラデーの法則

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前回

セルの組立―電池式の書き方と電極の呼び方―

ファラデーの電気分解の法則


「どんだけ強力な還元剤を使ったとしてもカリウムを単離することは不可能だろうね」
「ならどうやって単離したんですか?」
「電気分解さ。ボルタの電堆を使ってデービーはカリウムを単離することに成功したんだ」
「なるほど」
「単離できたとなれば、次やりたいのは量産だよね」
「うんうん」
「ファラデーっておっさんが、地道な実験を積み重ね、1832年に 電気分解によって析出する 物質量n が通電した 電気量 Q と に比例することを見出した」
式で書くとこうなる。


q=nF

このF=96485こそ、物質量と電気量を橋渡しするマジックナンバー、ファラデー定数です。


学生実験の銅の析出実験では、3mgの銅を析出させる課題が出されます。 直径0.5mmの銅線を3cmほど硫酸銅水溶液に浸したとすると 端面の面積を無視すれば円筒の表面積は3.14×0.5×30=5mm^2=0.05cm2。 20mA/cm2の電流密度とすると実際の通電電流は0.1mAです。 さて、3mgの銅を析出させるには何秒間電解をすればいいか?

電気分解とファラデーの法則―銅クーロメーターと電気めっき―
学生実験
無機工業化学の電解精錬のところでも出てくるね。 実測例
山下正通、小沢昭弥, 現代の電気化学, 丸善 , p.46 , (2012).

電量計

電気量を測る装置は電量計またはクーロメーターと呼びます。 ボルタメーターと呼ぶこともありますが、ボルトメーターと紛らわしいので使わない方がいいでしょう。 クーロメーターは測ろうとする電流を電解液に通じて、電気分解をして、析出した金属または気体の量を測り、 ファラデーの電気分解の法則を使って、通じた電気の量を知る装置です。つまり、電流計を較正する装置です。 主なクーロメーターとしては銀クーロメーター、銅クーロメーター、爆鳴気クーロメーターがあります。

米沢高等工業学校本館から 銀電量計を探してみよう。

米沢高等工業学校本館 応用化学科展示室(会計室) に展示してある 銀クーロメーター

銅クーロメーターは銀クーロメーターほど正確でないけれど、材料が安く便利なため広く使われます。 ビーカーに銅板を浸し、一方をアノード、もう一方をカソードとします。 欲組成の例としては150グラムの硫酸銅、50グラムに硫酸および50グラムのアルコールを水1000グラムと混ぜたもの。 空気があると銅が酸化する恐れがあるので、空気が液中に溶けるのを追い出すために、二酸化炭素または水素を細いガラス管で送ります。 電流密度はカソード1平方センチにつき2〜20ミリアンペア程度。カソードは使用の前に一度電流を通じて、表面に新たに銅を付着させ、 それを水洗い、アルコールで洗い乾かし、秤量し、測るべき電流を通じます。

1クーロンの電気で遊離される銀の質量はいくらか?また銅の質量はいくらか?また0度1気圧での爆鳴気の体積はいくらか?

銅の電解精製

電気分解を使って物質を作ったり、純度を高めたりすることができます。 物質を作る電解製造としては食塩電解の塩素、アルミニウム精錬のアルミニムなどがあります。 また純度を高めることでは銅の電解精製がよく知られています。

工場見学に行こう! 小名浜製錬所 (銅の電解精製)

アノードもカソードも銅だったら、理論分解電圧は何Vになるか?


山下正通、小沢昭弥, 現代の電気化学, 丸善 , 工業電解プロセス p.118 , (2012).

銅めっき

ある金属を別の金属薄膜で覆う技術をめっきといいます。 めっきはアノード酸化などとならぶ重要な表面技術です。 カソード の表面に金属を電解析出させるめっきを電解めっきと言います。 電気を使わず還元剤を使うめっきを無電解めっきと言います。 溶かした金属にどぶづけするめっきもあります。 すずをめっきして 腐食 しないようにした鉄板をブリキ板、 亜鉛をめっきして傷がついたとき亜鉛が犠牲になって鉄板を守るようにしたのをトタン板と言います。

工場見学に行こう! 三ツ矢 (めっき)

山下正通、小沢昭弥, 現代の電気化学, 丸善 , 装飾めっき p.144 , (2012).
無機工業化学 1000℃、 4Vが作る新幹線―非鉄金属―

次回

次回の電気化学は 電池の起電力―銀塩化銀電極とネルンストの式― についてです。

立花研究室(要認証)


山形大学 准教授

伊藤智博

山形大学 大学院 理工学研究科
C1ラボラトリー
992-8510 山形県 米沢市
城南4丁目3-16
3号館(物質化学工学科棟) 3-3301
Tel: 0238-26-3753
URL: http://c1.yz.yamagata-u.ac.jp/

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