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ポテンショスタットは、 参照電極に対する作用電極の電位を一定に保つ装置です。そのときの電流を測定することで分極曲線を測定します。 3極式セルでは、 作用極、対極、参照電極の電極があります。
電流規制する装置をガルバノスタット、電位規制する装置をポテンショスタットと言います。 たいていは両方の機能が備わっているのでポテンショスタット/ガルバノスタットのように言います。
ポテンショスタットでは、ファンクションジェネレータで三角波を発生させ、電流応答をXYレコーダで記録することで、 サイクリックボルタンメトリーを行えます。
ポテンショスタット・ガルバノスタットの動作原理と使用にあたり知っておきたいこと
波形の観察、 振幅 や周波数の測定には、 オシロスコープが便利です。 リサージュの観察もできます。
デジタルオシロスコープには、 アナログデジタル変換器 (ADC) が備わっており、 波形を 記録できます。 XYモードにすると、 XYレコーダかわりに使えます。
多機能デジタルオシロスコープでは、 ファンクションジェネレータ、マルチメータ、 スペクトルアナライザの機能が搭載されていて、ポテンショスタットさえあれば、インピーダンスの測定も可能です。
👨🏫 オシロスコープの選び方・使い方 👨🏫 信号発生器(ファンクションジェネレータ) ⚖️ 電圧平衡電位の差の理論分解電圧を超えたからといってすぐには反応ははじまりません。 実際に反応が始まる電圧を分解電圧といいます。
平衡電位から電位をずらす(分極)すると、活性化過電圧のみの場合は、ある電位から指数関数的に電流が増加します。電流は反応速度を表します。 実際には溶液抵抗が存在するので、電流はあるところから直線的に増加するようになります。 分解電圧は、その直線を外挿して求めます。
ポテンショスタットの参照電極につなぐ端子を対極につなぎ、 二極式セルとして、分極曲線を測定すると、分解電圧を求めることができます。
ポテンショスタットについて調べ、どのような場面で活用されるのかを書きなさい。
ボルタンメトリーは電位を変化させてそのときの電流を観察する測定法です。 電流は反応速度を表します。 したがってボルタンメトリーを測定するときには、 どの電位でどんな反応が起きるかをイメージすることが大切です。
サイクリックボルタンメトリーは反応の可逆性を調べる測定法です。
なんとかメトリーは、測定法、なんとかグラムは、結果を表します。 「サイクリックボルタンメトリーで酸化電流を評価した。」は、用例的に正しいですが、「サイクリックボルタモグラムで酸化電流を評価した。」は用例的に誤りです。おなじように「サイクリックボルタモグラムを図に示す。」は、用例的に正しいですが、「サイクリックボルタモグラムを図に示す。」は用例的に誤りです。ちなみに、文法的にはぜんぶ正しいです。文法的に正しくて、用例的に誤りだと、言語明瞭意味不明となってしまいます。
| 名称 | 概略 | 制御 | 測定 | 装置 | |
|---|---|---|---|---|---|
| クロノポテンショメトリー (CP) |
電圧電気量曲線
電池
の
充放電曲線
過渡応答
など
|
電流 | 電圧 ( 電位 )、時刻 | 🚂 ガルバノスタット、データロガー | |
| クロノアンペロメトリー |
クロノアンペログラム
電流絞り込み曲線など
|
電圧 | 電流、時刻 | 🚂 ポテンショスタット 2 ) 、データロガー | |
| リニアスイープボルタンメトリー (LSV) |
分解電圧の測定など
|
電圧、掃引速度 | 電流 | 🚂 ファンクションジェネレータ、 🚂 ポテンショスタット、データロガー | |
| サイクリックボルタンメトリー ( CV) 3 ) |
|
電圧、掃引速度 | 電流 | 反応種の特定など | |
| 電圧電流曲線 |
|
電流 | 電圧 | 電池の内部抵抗 | |
| コンダクトメトリー | 導電率 誘電率 の測定など | 電圧 | 電流 | 🚂 ファンクションジェネレータ 4 ) 、 🚂 ポテンショスタット、データロガー | |
| 交流インピーダンス法 |
導電率
の測定など
|
電圧 周波数 | 電流 | ファンクションジェネレータ、ポテンショスタット、データロガー、 オシロスコープ、 LCRメータ * * |
サイクリックボルタンメトリーについて調べ、何に応用されるのかを書きなさい。
水は極性があるため脂肪より電気をよく溜めます。だから電気の溜まり具合から脂肪と水分の比率が推定できます。たまっている電気を測るのに、たまっている電気を全部絞り出すより、入れ物を揺さぶって調べる方が簡単です。これが交流を印加する交流インピーダンス測定です。
インピーダンスの測定がもっとも効を奏するのは電解液の導電率測定であろう。導電率を測定する方法をコンダクトメトリーと言う。導電率計として身近な市販品として塩分計などがある。インピーダンスを測定しているという感覚は薄れているかもしれない。また体脂肪計のように誘電率を測定する方法もある。導電率や誘電率のように界面ではなくバルクをターゲットにして測定する方法をバルクメトリーと言う。
導電率計の原理について調べ、どのような場面で活用されるのかを書きなさい。
交流を印加してインピーダンスを測定する方法です。
| 物理量 | 数式 | 備考 | |
|---|---|---|---|
| 周期 T〔s〕 | 🖱山のてっぺんからてっぺんまでの時間です。 | ||
| 周波数 f〔Hz〕 | f = 1/T | 周波数と振幅で交流を表現します。 | |
|
角周波数
|
ω=2πf | ||
| 電圧 振幅Ep0 | 交流の大きさの表現には、振幅のほかにピークトゥピークや実効値があります (※)。 | ||
| 電流 振幅Ip0 | |||
| インピーダンス Z〔Ω〕 | * | ||
| 絶対値 |Z| | |||
|
位相角
|
|||
| アドミタンス Y〔S〕 | * | ||
| インダクタンス L | |||
| 静電容量C | |||
| 電気抵抗 R | インピーダンス Z の実部 | ||
| リアクタンス X | インピーダンス Z の虚部、 X=ωL-1/ωC | ||
| コンダクタンスG | アドミタンス Y の実部 | ||
| サセプタンス B | アドミタンス Y の虚部 |
インピーダンスブリッジや インピーダンスブリッジメーターで 測定します。
⚖️ 周波数 ⚖️ 電圧 ⚖️ 電流インピーダンスの単位はΩですが、 界面の特性値や材料の物性値は単位が変わります。
実在する系を電気抵抗R、静電容量C、インダクタンスLで表現した回路を 等価回路と言う。 界面特性である反応抵抗や物性である導電率を推定するにはセルや電極の寸法が必要である。
ファラデーインピーダンスを抵抗とみなせば、 RC並列回路に直列に抵抗を入れた等価回路である。
|
計測可能
な
物理量
(セル) |
界面
の特性値 (面積) |
バルクの
物性値
(セル定数) |
|---|---|---|
|
電気抵抗
R[Ω]
=電圧÷電流
,
|
反応抵抗(面積抵抗率)
Rct〔Ωm-2〕
=電圧÷ 表面 電流密度 接触抵抗 (界面抵抗) * =電圧÷表面電流密度 |
抵抗率(体積抵抗率)ρ
=電場強度e÷ 断面 電流密度 抵抗率ρ〔Ωm〕=電気抵抗R〔Ω〕÷ セル定数 a〔1/m〕 電気抵抗R=抵抗率ρ×長さl/面積S 11 ) 抵抗率ρ=1÷導電率 |
|
コンダクタンスG[S]
=1÷電気抵抗R |
導電率
σ(
|
|
|
静電容量
(キャパシタンス)C
,
|
電気二重層容量Cd〔Fm-2〕 |
誘電率
=電荷密度÷ 電場強度e |
|
インダクタンスL
,
|
透磁率 μ |
電池の内部抵抗は、 バルク抵抗だけでなく、界面抵抗に左右されます。 溶液に金属を浸しただけの ダニエル電池 のような単純な電池では、バルク抵抗が支配的ですが、 合材電極や固体電解質を使う リチウムイオン電池 のような複雑な電池では、界面抵抗が支配的です。 電池の内部抵抗の評価には、 交流評価と直流評価を組み合わせが必要です。
電気化学での交流インピーダンス法ついて調べ、何に応用されるのかを書きなさい。
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