電圧規制か電流規制かを決めましたか? 印加振幅を決めましたか? バイアス(オフセット)を決めましたか? 周波数範囲を決めましたか?
横軸が周波数のグラフを、 スペクトルと言います。 フーリエ変換は、横軸を時間から、周波数に変換する方法です。 デジタルコンピュータの発展で、さまざまな応用ができるようになりました。
ずっと言っているように電池には、起電力があります。 これが、ふつうのインピーダンス測定との違いです。 繰り返すようですが、電池の起電力、つまり界面電位差につきあえれば電池とインピーダンスの距離はだいぶ近くなります。
電流規制で測れる機械なら何ら問題ないですね。
電圧規制で測るときは、直流成分をカットするフィルターをプローブに取り付けるか、電池の起電力と同じバイアス電圧を機械から出力しなければなりません。LCRメーターなんかだと最近はその機能がついていて、しかもリチウム電池を意識してか5Vぐらいのバイアス電圧が出力できるものもあるようです。
安価なLCRメーターで電池を測るときは、同じ電池を二つ用意して逆向きに直列つなぎにしてインピーダンスを測って、あとでインピーダンスを半分にすればいいですね。キルヒホフの法則に感謝!です。
直流 | 交流 | |||
---|---|---|---|---|
主な対象 | 界面 | バルク | ||
主な評価項目 | 直流抵抗( DCR) | イオン導電率 | ||
主な評価方法 | 短絡試験、定負荷試験、定電流試験 | 交流インピーダンス法 、 過渡応答試験 |
交流インピーダンス法 で測定した、 コールコールプロット の切片は、バルク抵抗(溶液抵抗など)です。 複雑な 電池の内部抵抗 は、 バルク抵抗より界面抵抗に支配されます。 周波数が高いと、界面抵抗と 並列の容量が比較的小さくても(皮膜、 空間電荷層) リアクタンスが小さくなってしまうため、 内部抵抗の推定は、直流抵抗の評価が大切です。
名称 | 概略 | 制御 | 測定 | 装置 | |
---|---|---|---|---|---|
クロノポテンショメトリー (CP) | 電圧電気量曲線 電池 の 充放電曲線 過渡応答 など | 電流 | 電圧 ( 電位 )、時刻 | 🚂 ガルバノスタット、データロガー | |
クロノアンペロメトリー | 電流絞り込み曲線など | 電圧 | 電流、時刻 | 🚂 ポテンショスタット 2 ) 、データロガー | |
リニアスイープボルタンメトリー (LSV) | 分解電圧の測定など | 電圧、掃引速度 | 電流 | 🚂 ファンクションジェネレータ、 🚂 ポテンショスタット、データロガー | |
サイクリックボルタンメトリー ( CV) 3 ) | 電圧、掃引速度 | 電流 | 反応種の特定など | ||
電圧電流曲線 | 電流 | 電圧 | 電池の内部抵抗 | ||
コンダクトメトリー | 導電率 誘電率 の測定など | 電圧 | 電流 | 🚂 ファンクションジェネレータ 4 ) 、 🚂 ポテンショスタット、データロガー | |
交流インピーダンス法 | 導電率 の測定など | 電圧 周波数 | 電流 | ファンクションジェネレータ、ポテンショスタット、データロガー、 オシロスコープ、 LCRメータ * * |
電位制御の代表的な測定法がサイクリックボルタンメトリーです。サイクリックボルタンメンメトリーは電位を三角波に制御して、電位と電流の関係を見ます。リサージュ図形のサイン波を三角波にするようなものです。
名称 | 概略 | 制御 | 測定 | 装置 | |
---|---|---|---|---|---|
クロノポテンショメトリー (CP) | 電圧電気量曲線 電池 の 充放電曲線 過渡応答 など | 電流 | 電圧 ( 電位 )、時刻 | 🚂 ガルバノスタット、データロガー | |
クロノアンペロメトリー | 電流絞り込み曲線など | 電圧 | 電流、時刻 | 🚂 ポテンショスタット 5 ) 、データロガー | |
リニアスイープボルタンメトリー (LSV) | 分解電圧の測定など | 電圧、掃引速度 | 電流 | 🚂 ファンクションジェネレータ、 🚂 ポテンショスタット、データロガー | |
サイクリックボルタンメトリー ( CV) 6 ) | 電圧、掃引速度 | 電流 | 反応種の特定など | ||
電圧電流曲線 | 電流 | 電圧 | 電池の内部抵抗 | ||
コンダクトメトリー | 導電率 誘電率 の測定など | 電圧 | 電流 | 🚂 ファンクションジェネレータ 7 ) 、 🚂 ポテンショスタット、データロガー | |
交流インピーダンス法 | 導電率 の測定など | 電圧 周波数 | 電流 | ファンクションジェネレータ、ポテンショスタット、データロガー、 オシロスコープ、 LCRメータ * * |
電流制御の代表的な測定法が充放電試験です。充放電は一般的に電流を流して、その時の電位の時間応答を見ます。矩形波の過渡応答を見ているのです。
固体 | 液体 | 気体(真空) | |
---|---|---|---|
固体 |
面接触(例:
pn接合) 線接触(三相界面)(例:正極合材、 局部電池) 点接触(三相界面 ショットキー接触 )(例:固体電解質、 炭素導電助剤粒子 ) |
固液界面 (例:サスペンジョン) | 表面 |
液体 | 固液界面 (例:電極と電解液) | 液液界面 (例:エマルション) | 気液界面 ( 表面 ) |
気体(真空) | 表面 | 気液界面 ( 表面 ) | (混合) |
物質は、 様々な状態をとります。 界面や表面 は、ある材料の相と異なる材料の相が接するところです。
電池の内部抵抗は、バルクと界面との両方から生じます。