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令和8年8月12日 (水)

化学工学とリチウム電池~分散・スラリーの作成と塗布乾燥~

山形大学  理工学研究科(工学系)  物質化学工学専攻  🔋 C1 立花和宏

電池は、正極、負極、電解質からなります。 二次電池では活物質にセラミックを使うので、セラミックスラリーから電極の形状を作ります。

電極は電池活物質を外部回路に接続する部材である。 電池の寸法や規格にあわせて、電極も形状を整える。 形状を整えるのに、金属やプラスチックでありば塑性変形を使い、あるいは溶融して型に流し込み、または切削や研磨などの機械加工を行う。 しかし一般に電池活物質はセラミックスであり、それらの加工方法が使えない。 そこでセラミックスを粒子として液体に懸濁させたセラミックススラリーとして塗布し、しかるのちに乾燥固化することで形状を整える。 この考え方は伝統的な陶器や磁器の作り方となんら変わらない。

しかしながら、電池の電極は形状だけ整えれば終わりではない。 電極には活物資の反応場としての機能が求められる。 活物質が効率よく反応して、活物質の持つ化学エネルギーで無駄なく電気エネルギーとして外部に取り出せなくてはならない。 そこで、電極スラリーの設計には、機能を発現するための電極の理解が必要となる。

電池の中では バインダーセパレータ高分子材料が使われることが少なくありません。 高分子材料は共有結合性化合物が多いので、電気を流さず電気化学的に不活性かと思われがちですが、 実際には電池の性能を大きく左右することがあります。


調合・混合・攪拌・分散・塗布・乾燥・プレス・注液

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調合・混合・攪拌・分散・塗布・乾燥・プレス・注液
© K.Tachibana * , C1 Lab.

スラリーやインクの 塗工には、 混合、撹拌、分散、 乾燥と言った工程が含まれます 1 )

360 236 リチウムイオン二次電池の合材設計について議論しよう

イオンの移動

  1  イオンの移動
形態 説明 流動
対流 重力・動力(撹拌) ポンプによる 輸送や 気温による上昇気流。
🖱 泳動 電位勾配/ クーロン力/導電率 抵抗過電圧 位置エネルギーを最小に 慣性支配
🖱 拡散 濃度勾配/拡散係数 エントロピーを最大に 拡散方程式 拡散過電圧 粘性支配

拡散と対流は、イオン移動だけでなく物質移動でも起こります。拡散はイオン移動だけでなく 熱移動でも起こります。


電極の構造

スラリー中の粒子サイズのイメージ

  2 スラリーを塗工した電極をさらに拡大した図 赤は活物質、青は 正極集電体、黒はアセチレンブラック、緑はSBR
© D.Kurosawa , C1

電極は、活物質、導電助剤、バインダーを混錬し、塗工して作られます。異なる粒子サイズのもので、電池として動作できるように設計しなければなりません。 図は、活物質、導電助剤、バインダーの粒子サイズを3D-CADアプリ、 ソリッドワークスで、3D表示したものです。

2 )

実習端末CADソフト SOLIDWORKS(ソリッドワークス)は、教育のためのみに利用できます。 実習室以外で、 授業の課題等でSOLIDWORKSを使う場合は、 指導教員を通じて 学術情報基盤センター にお問い合わせください。

182 活物質と導電助剤の接触状態を3D表示してみましょう

炭素材料とバインダー

  3 389
炭素材料とバインダー
© 2012 K.Kawada , C1 Lab.

アノードに分極すると、バインダーや炭素材料の種類によって、アノード破壊電圧が異なる。 これは、過充電に対する副反応の発生リスクが、バインダーや炭素材料の種類で異なることを意味する。

バインダーには、主に 樹脂ゴムが使われる。


バインダーのスプリングバック

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バインダーのスプリングバック
©K.Tachibana

ゴムの設計

  5 ゴムの設計
© 2023 K.Tachibana * , C1 Lab.

協和合成様のご厚意により、弾性を変化させた ゴムをご提供いただいた。 協和合成


電池の組み立て

電池を作るには集電体に合材を塗布・乾燥して電極を作成し、 セパレーターを挟んで巻き取り、パッケージに封入し、電解液を注入するといった工程が必要になります。


電気化学 セルの組立―電池式の書き方と電極の呼び方―


粉体の例

  2 粉体の例
粉体の例 粒径 /μm 説明
0.01 エーロゾル
アセチレンブラック 0.1  アセチレンを不完全燃焼させて作る炭素材料(気相合成) 電池の 導電助剤に使う
フライアッシュ 0.5  石炭火力発電所で微粉炭を燃焼した際に発生する石炭灰のうち、 集塵器で採取された灰のこと * セメントの原料として再利用する。
タルク 1   
白亜(チョーク) 1   
PM2.5 2.5 
噴霧スズ粉 10   
還元鉄粉 100   

固体の微粒子の集まりを 粉体と言います。 セメント 工業や薬品工業などで粉体を取り扱います。 固体と粉体がかかわる製造工程は、 固体の 粉砕、固体の 混合、固体と固体の反応、固体と液体の反応、固体と液体の分離(乾燥)などからなります 3 )

単位質量の 粉体 の全表面積を、 粉体比表面積Ap〔m2/kg〕と言います。 一定量の固体を粉砕すると、 その表面積は粒径にほぼ反比例して増加します 4 )


粉砕機

  3 粉砕機
分類 説明
粗砕機 ジョークラッシャー
中砕機 エッジランナー
微粉砕機 ボールミル、ジェットマイザー

粉砕は 固体粉体にする 単位操作 5 )

石臼が中国から日本に伝わったのは、平安後期。 博多では饅頭や麺の食文化と同時に、疫病の原因となる水の消毒に抹茶が使われた。


粉体としての材料

  4   粉体と比表面積 6 )
量名 記号 単位
密度 ρ kg/m3
比表面積形状係数 φ φ=6(、立方体、直径と高さが等しい円柱
直径 d m d=2×半径(
比表面積 S m2/kg S=φ÷ρ×(1/d)
比表面積 S m2/kg S=φ÷ρ×∫1/d(w)*dw
08 12 15 エネルギー化学特論

単位質量の 粉体 の全表面積を、 粉体 の比表面積と言います。 一定量の固体を 粉砕すると、 その表面積は粒径にほぼ反比例して増加します 7 )


正規分布-平均値と標準偏差-

  6 正規分布
© K.Tachibana * , C1 Lab.

ヒストグラム

  7 ヒストグラム

合材スラリーの調整

電池は固相反応を使うことが多いので、活物質は固体粒子を扱うことになります。 活物質自体が電子伝導性があればよいのですが、十分な電子伝導性がない場合は、導電助剤を使うことになります。 塗布のための粘度調整や、乾燥後の接着のためにバインダーや溶媒も加えて合材スラリーを作成します。 (機能界面設計工学特論)


スラリーの例

  5 スラリーの例
分散媒 分散質 特徴
粘土 粘土鉱物 ろくろで形成
顔料インク 顔料 に文房具で書く
印刷インキ 溶剤 顔料 やフィルムに印刷 塗料
写真乳剤 臭化銀 ガラス、フィルムに塗布
正極合材 NMP 正極活物質 炭素材料 リチウムイオン二次電池 アルミニウム箔に塗布
コンクリート セメント、砂利 建築

物質は、 様々な状態を取ります。 物質のほとんどは 不均一混合物です。 コロイド や、 粉体と分散媒の混合物はスラリーと呼ばれることがあります。スラリーは 流体 の性質を持ちます。


電極合材スラリー中の成分

  8 電極スラリーの構成材料と相互作用
©2024 K.Tachibana * , C1 Lab.

合材スラリーは、 活物質導電助剤 といった 電極材料 を、バインダーを溶解した分散媒に 分散して調整します。


仕事と熱

  6 仕事と熱
仕事 W Q
エネルギー エンタルピー H エントロピー T S
流動 慣性力 ρ v 2 粘性力 v μ / D
物質移動 泳動 拡散
固体・ 粉体 慣性力 摩擦力
レイノルズ数
Re=Duρ/μ=ρv2/(vμ/D)
ρv2:慣性力(弾性)
vμ/D:粘性力

アリはなぜ泳げないか?

8 )


合材電極の模式図

  9 合材電極の模式図
©2024 K.Tachibana * , C1 Lab.

合材層は、活物質導電助剤、 バインダーなどの 材料の不均一混合物であり、 電解液が浸透する空隙が存在します。 コバルト酸リチウムに代表される多くの正極活物質は、酸化物です。酸化物は イオン結合しており、導電性に乏しいです。

235 不均一混合物である電池合材の物性を推定する方法について考えてみよう 182 活物質と導電助剤の接触状態を3D表示してみましょう

炭素粒子の接合

  10 炭素粒子の接合
©2013 K.Tachibana * , C1 Lab.

炭素粒子の表面は、炭素ではありません。 むしろほとんど水素と言った方がいいでしょう 9 )

グラファイトを構成するグラフェン面(六角網面)は、無限に大きい平面というわけではありません。 端面(エッジ面)は、水素、水酸基、酸素などで終端されていると考えられます 10 )

グラファイト でもCNTでも六角網面では、 半金属ないし半導体の伝導性がありますが、 炭素粒子の 接合界面では、 ホッピング伝導か ツェナー降伏 * となっている可能性があります。

炭素導電助剤粒子間は、 固固接触 であり、 点接触です。


炭素粒子の接合のエネルギーバンド

  11 炭素粒子の接合のエネルギーバンド
©2024 K.Tachibana * , C1 Lab.
py

炭素(黒鉛、石墨、グラファイト)は、 半金属です。 伝導帯と価電子帯のバンドキャップが0です。 フェルミ準位がそこにあります。 それで、熱で生成した電子とホールが、ある波数で非局在化して電気伝導に預かります。

しかしグラファイトのエッジ面は、水素などで終端されています。 炭素粒子と炭素粒子が接触し、接合するエッジ面では、電子は局在化していると考えられます。 ここでは、バンドギャップが存在します。伝導帯の最下部であるLUMOは、 フェルミ準位の上となり、電子が少なく、空乏層となっていると考えられます。

しかしながら、エッジ面とエッジ面が十分に近接すれば、 ツェナー降伏によるトンネル電流が流れると考えられます。 エッジ面とエッジ面との距離が近づくと、トンネル電流は指数的に大きくなるため、 炭素粉末の粉末抵抗は、圧力に対して指数的に小さくなります。 リチウムイオン二次電池などで、電極をプレスするのは、ひとつにはそのためです。

* *

活物質表面での電子パスとリチウムイオンパス

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活物質表面での電子パスとリチウムイオンパス
© 2016 K.Tachibana * , C1 Lab.
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合材電極内部の活物質表面には、導電助剤、電解液、活物質の三相界面がある。 充電時には、電子が電子パスの導電助剤へ、リチウムイオンがイオンパスの電解液へ、そして空孔(ベーカンシー)が活物質バルクへと移動する。


表面積よりコンタクトラインの長さ

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表面積よりコンタクトラインの長さ
© K.Tachibana

電池反応には、活物質、電子伝導パスの導電材、イオンパスの電解質の 3相界面が必要です。

たとえば、コバルト酸リチウムの粉とアセチレンブラックの粉を混ぜて、 PVDFのNMP溶液を加えてよく練って、正極合材スラリーとします。 活物質の量で電池容量が決まるので、できるだけ活物質の割合は多くします。

塗布厚みが不均一になると電流分布にムラを生じて 電池の劣化の原因となるので、エッジのカタチが崩れないように 適度なチクソトロピーを持たせるように設計します。

学会発表

単位操作

  7 単位操作
目的 背景 特徴
物質の移動 輸送 溶かす
加圧 💪 第一次産業革命 つぶす、圧力釜 ポンプ で気体を圧縮する。 🏞 アンモニア
熱の移動 加熱 🔥 温度 ボイラー 茹でる、煮る、蒸す
🏞 製鉄
1500℃
工業炉
冷却 💪 第一次産業革命 冷ます 酸素
固体の処理 撹拌・混合 混ぜる
固体と液体
液体液体
溶解 溶かす
撹拌・混合 混ぜる
粉砕 11 ) ・ 解砕・ 分散 12 ) 砕く、 👨‍🏫 マヨネーズ 、チョコレート
濾過沈降 乾燥 干す
再結晶・塩析
気体・ 液体・固体 中からある成分を取り出す 分離・抽出 濾す
蒸留 ・分留 🏞 ナフサ ガソリン ウイスキー シリコン
電気を使う 電解製造 電解・電析 第2次産業革命 🏞 アルミニウム q.64 めっき
電解精錬
電気透析 かん水
光を使う 露光 第3次産業革命 フォトリソグラフィー

化学反応を起こさせる操作すなわち 反応操作(unit process)のほかに、いろいろな物理的な操作を必要とする。この物理的な操作を単位操作(unit operation)という 13 ) 14 ) 15 ) 16 )


分散

混合と解砕は別物です。

  8 界面活性剤・分散剤
種類 構造 特徴 用途
アニオン界面活性剤
(陰イオン界面活性剤)
親油性(非極性)のはじっこがアニオンの親水性(極性) 石鹸 親水基がイオン 洗剤
カチオン界面活性剤
親油性(非極性)のはじっこがカチオンの親水性(極性) (陽イオン界面活性剤)
両性界面活性剤
ノニオン界面活性剤
(非イオン界面活性剤)
高級アルコール系 親水基と疎水基のバランスを変える

界面活性剤は、懸濁液などをつくるときに大きな役割を果たします。

HLB、クラフト点、曇り点などが指標として使われます 17 )

油脂や石油から作ります。


分散・解砕のイメージ

  14 分散と解砕のイメージ
© 2023 K.Tachibana * , C1 Lab.

固体を水や空気などの 分散媒に分散して 塗料などにするには、 懸濁液を作るには、 固体を 粉体解砕するための応力が必要です。 18 )

👨‍🏫 キユーピーオープンキッチン五霞工場@茨城県五霞市_DF

コロイドの状態

  9 コロイドの状態
分散媒
気体 液体 固体
分散質 気体 気泡、泡 スポンジ
液体 【エーロゾル】霧、雲
【乳濁液・エマルション】 牛乳、 マヨネーズ、バター
寒天、ゼラチン、 粘土分散液、【ゲル】
固体 煙、PM2.5
【懸濁液・サスペンジョン】
塗料、墨汁、絵の具、 粘土スラリー
ルビー、色ガラス

物質は、 様々な状態を取ります。 混合物のうち、10-8m程度の分散質が分散媒に分散したものを、コロイド溶液と言います。 コロイド溶液中の分散質と分散媒の間には、真の溶液と違って 界面が存在します。 コロイド溶液を安定化するのに 界面活性剤が使われます。

⚖️ 粒径 rm

レオロジー

粘性と弾性が非線形です。


そば

  15 そば
© 2025 K.Tachibana * , C1 Lab.

そばを にするには、石臼の普及を待たなければならなかった(解砕)。 そば打ちは、粉を水に分散させ、スラリーにして適度な レオロジー特性を持たせる技。 つなぎ(バインダー)に小麦粉や海藻を使えば、少しは楽になるが、そば粉10割で、そば打ちするのは至難の業。

リチウム電池の正極合材スラリーの製造は、そば打ちに匹敵するハイレベルな技術を要求される。

236 リチウムイオン二次電池の合材設計について議論しよう 👨‍🏫 承天寺@福岡県福岡市

粘性率

10-410-2100102104106108101010121014101610181020 空気 マヨネーズ ハチミツ 溶岩
  16 📏 粘性率 η/Pa s
©K.Tachibana
不均一混合物 せん断応力σ=粘性率η×流束γ1/s

流体のねばっこさ。

乱流になるとエネルギー損失が増す。 19 )

⚖️ 粘性率 ηPa・s ⚖️ レイノルズ数 Re

弾性率

100102104106108101010121014 空気 マヨネーズ ガラス
  17 📏 弾性率 η/Pa
© K.Tachibana * , C1 Lab.
不均一混合物

液体の流動パターン

  10 液体の流動パターン
分類 流動形式
ニュートン流体
非ニュートン流体 疑塑性流動
塑性流動 (非ビンガム流動) 塗料 インキ マヨネーズ サスペンション
チキソトロピー 塗料 インキ
ダイラタンシー かたくり粉水溶液 餅 粘土 スラリー 濡れた砂

流体気体液体 など ) は、 ずり応力Sと ずり速度Dで、いろいろな流動パターンを示します 20 )

⚖️ レイノルズ数 Re

様々な状態

  18 物質の三態と可塑性と弾性
物質の状態

分子が自由に動き回っているのが 気体です。

元素が秩序正しく格子点に固定されているのが 固体結晶です。

温度や圧力 によって、物質固体液体気体超臨界流体のいずれの 状態を示した図を 状態図と言います。 分子結晶は、昇華しやすく、 イオン結晶は、融点や沸点が高いです。

乳濁液(エマルション)や懸濁液(サスペンション)などの コロイド溶液 を安定化するのに、 界面活性剤が使われます。

p V = n R T
気体の状態方程式

多くの物質は、 不均一混合物です。

液体と固体粒子とが流動性のある泥状の混合物を スラリーと言います。


アセチレンブラックとPVdF

  19 191
アセチレンブラックとPVdF
©

炭素粒子同士の 接合 界面にPVdFなどの極性分子が吸着すると空乏層ができて過電圧が大きくなることがあります。


  20 アノード分極による剥離
© M.Morita , C1 Lab.
372 226

合材スラリーの集電体への塗布・乾燥

集電体単位面積あたりの活物質の量を最適設計することで、 高出力設計か高エネルギー密度設計かが決まります。 溶液抵抗は電極間距離が小さいほど小さくなるので、 電極層の厚みとセパレータの厚みを最適化します。

乾燥は合材の分散媒を分離し、分散質を集電体に固着することだ。 PVDF+NMP系の場合は、NMPを乾燥するし、水系バインダーの場合は、水を乾燥することになる。 自由水が残留しているあいだは、乾燥温度で水の蒸気圧が決まる。 あとは大気圧あるいは減圧下で蒸発が進む。 蒸発した蒸気を拡散あるいは対流で物質移動する。 ただし、スラリー内部は対流が到達せず、拡散に頼らざる得ない。 タクトタイムを上げようとして熱風の風量をあげると 表面に被膜が形成して残留する溶媒が多くなる。 電極厚みが増すほど、電極内部の溶媒の物質移動が困難となる。 そのような場合、電極内部まで放射によって熱を伝える赤外線加熱を使うのもひとつの方法だ。


乾燥速度曲線

  21 乾燥特性曲線
© 2009 K.Tachibana * , C1 Lab.

乾燥は、固体液体を分離する 単位操作のひとつだ。

乾燥速度は、含水率の時間変化である。乾燥速度と含水率の関係をグラフで表したものを 乾燥特性曲線(drying caracteristic curve)という 21 )

定率乾燥期間の乾燥速度は、空気の温度と湿球温度の差、および固体の表面積に比例する。 したがって乾燥速度を大きくするためには、高温・低湿度の空気を使って、表面積を大きくし、対流による物質移動を促すのがよい。

減率乾燥期間の乾燥速度は、固体内部の水分の移動に支配される。 よって材料の大きさを小さくするか暑さを薄くし、温度を高くするのが有効である。 しかし温度が高すぎたり乾燥速度が大きすぎると乾燥が付近位置になり 湾曲やひび割れの原因となる。

乾燥は、日常の洗濯、食器洗いだけでなく、 半導体、印刷、製紙など重要かつもっとも時間のかかる単位操作である。


  22 290
スラリー乾燥過程のアドミタンス
© F.Sato

コンダクトメトリーによる炭素材料分散スラリー乾燥過程における導電ネットワーク形成の解析

リチウムイオン二次電池合材スラリーのin-situインピーダンス測定による乾燥プロセスの解析


伝熱

  11 伝熱
量名 記号 単位 備考
総括伝熱係数
(熱貫流計数) *
Ua W/(m2・K) q=UaA(t-t')
熱流量 q W
伝熱面積 Aa m2

住宅では、断熱性能が求められます。 自動車用の電池では、放熱性能が求められます。



©2026 Kazuhiro Tachibana

参考文献


エネルギー化学特論
✍ 平常演習
💯 課外報告書 Web Class

QRコード
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/56307/56307_12.asp
名称: 教育用公開ウェブサービス
URL: 🔗 https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/
管理運用 山形大学 学術情報基盤センター

🏫 学問の自由 は、心の自由。 大学では、精神は自由であらねばならない。(松木健三)
📆 20251028 明日からやろう!インピーダンス測定・解析
名称:C1ラボラトリー
URL:🔗 https://c1.yz.yamagata-u.ac.jp/
管理運用
山形大学 工学部 化学・バイオ工学科 応用化学・化学工学コース
C1ラボラトリー ( 伊藤智博立花和宏 ) @ 米沢

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