アセチレンブラックは、リチウムイオン電池の正極導電助剤としてよく使われます。粒径が小さく、充填効率が良いのでエネルギー密度の向上が期待されるからです。ABの導電機構は、基本的にはグラファイトと同じです。六角網面が球状に重なったオニオン構造をとり、それがクラスターを作り、ABの一次粒子となっています。
カーボン材料の表面はほとんど水素です。 官能基は、解放型とラクトン型に分類されます。 官能基の分析は、熱分析などによりますが、精度を上げることは困難です 2 ) 。
🏞アセチレンブラック炭素粒子の表面は、炭素ではありません。 むしろほとんど水素と言った方がいいでしょう 3 ) 。
グラファイトを構成するグラフェン面(六角網面)は、無限に大きい平面というわけではありません。 端面(エッジ面)は、水素、水酸基、酸素などで終端されていると考えられます 4 ) 。
グラファイト でもCNTでも六角網面では、 半金属ないし半導体の伝導性がありますが、 炭素粒子の 接合界面では、 ホッピング伝導か ツェナー降伏 * となっている可能性があります。
電池の起電力は、正極と負極の単極電位の差です。 単極電位は、おおむね ネルンストの式に従います。 ネルンストの式によれば、電位は、活量に依存します。 このことは電池反応の進行とともに、電位が変化することを意味します。 逆に言えば、端子電圧から、電池の起電力を推定し、 電池の残量(SOC)を推定することができます。 5 )
電池の端子電圧は、流れる電流が増えると小さくなります。この電流増加に対する電圧降下の割合を電池の内部抵抗と言います。
分類 | 細目 | 説明 | ||
---|---|---|---|---|
天然炭素材料 | 石炭 6 ) | |||
天然黒鉛 (グラファイト、石墨 7 ) ) | 鉛筆、 リチウムイオン二次電池( 負極) | |||
合成炭素材料 | 木炭 | たたら製鉄 | ||
人造黒鉛 8 ) | ピッチ を加熱して合成します。 | |||
活性炭 | ||||
オイルファーネスブラック | ||||
気相合成炭素 | アセチレンブラック | 🧬 | ||
カーボンクラスター | フラーレン | |||
カーボンナノチューブ(CNT) | ||||
カーボンナノホーン(CNH) |
黒鉛は、ダイヤモンド、無定形炭素とともに炭素の同素体である 9 ) 。 無定形炭素は、燃えるが、黒鉛は、燃えない。 だから、製鉄の高炉用炉材として使う。 化学的に安定で、耐熱性もあり、潤滑性もあるので、鉄砲の内張にも使われた。
黒鉛は、面内で高い 導電率を示す。 アルミニウム溶融塩電解の アノード、 食塩電解の アノードに使われます。
鉄の 融点 Tm はおよそ 1538 °C 。 とても容器が持たない。 だからコークスと混ぜて高炉に入れる。
👨🏫 石炭と炭素材料