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🌡️ 📆 令和4年12月7日

09. 金属材料~負極活物質と集電体の働き~

山形大学  理工学研究科(工学系)  物質化学工学専攻  🔋 C1 仁科辰夫 ・立花和宏


金属材料

金属 材料は大きく 鉄鋼 非鉄金属 に分類されます。 ガルバニ系列(現代の電気化学p.95)の活性な方は電池の負極活物質として使われます。


負極活物質

金属はよく電気を流します。 だから卑な金属は、それだけで集電体の機能も兼ね備えた負極活物質になります。 とはいっても、水溶液系の電池では保存特性の都合、 水素過電圧が大きなものが好まれます。 水銀、亜鉛、カドミウム。水素過電圧の大きな金属の御三家ですね。 環境負荷が社会問題となる前に水銀法がさかんに使われたのはその水素過電圧の大きさによります。 乾電池の負極に使う亜鉛にも水銀を添加してアマルガムにすると自己放電がぴたりととまります。 これを水銀なしでやるために流した血と汗と涙と言ったら。

負極活物質に求められること


イオン化傾向

Example fillrule-evenodd - demonstrates fill-rule:evenodd -3.0-2.5-2.0-1.5-1.0-0.50.00.51.01.52.02.53.0 Al Fe Zn Cu Li
  1 金属の イオン化傾向
©K.Tachibana

錆びにくい金属を貴金属と言います。 イオン化傾向は、金属と金属イオンの平衡反応の酸化還元電位に関係があります。 電位が卑なほど、 腐食しやすく、 還元しにくくなります。 電位が貴なほど、 腐食 しにくく、還元しやすいです。


  1   負極活物質 負極材料 1 )
略号 理論容量 /mAh/g 実効容量 /mAh/g 用途 特徴
H 燃料電池
Zn 819.7 アルカリ乾電池 ダニエル電池
Li 3861.3
水素吸蔵合金
C 371.9 リチウムイオン電池 密度2.2 * スマホ

負極活物質は、主に 電池負極で使われる還元剤です。 充電式電池(二次電池)では、充電前の 電池材料 である負極材料も活物質と呼ばれることがあります。 金属(亜鉛やリチウム)や金属イオンを取り込める層状化合物(グラファイトなど)が使われます *正極には酸化剤が使われます。

09.エネルギー化学特論 04機能
F=96485.33212331

集電体

伝導性のある金属

  2 導電率 の大きな 金属 材料
金属 元素 導電率 /108S/m 抵抗率 /10-8Ω・m
🜛 Ag [5s1] 0.63 1.59
🜠 Cu[4s1] 0.60 1.68
🜚 Au [6s1] 0.41 2.44
🜀 アルミニウム Al[3p1] 0.38 2.65
亜鉛 Zn [4s2] 0.17 6.02
真鍮 (黄銅) Cu,Zn 0.14 7.00

電線ばかりでなく、 電池集電体にも使われます。 リチウムイオン電池の集電体には、銅とアルミニウムが使われます。

金属は、 電解液 に較べると8桁ほど導電率が大きいです。

https://www.hata-cu.com/blog/post-309/
Example fillrule-evenodd - demonstrates fill-rule:evenodd 10-810-610-410-21001021041061081010101210141016 Al Cu Ge Si
  2 導体(金属)・半導体・不導体(絶縁体)
©K.Tachibana

アルミニウムは両性金属です。 酸の中では水素を出して溶けますが、アルカリの中では テトラヒドロキシドアルミン酸イオンとなってゲル状になります。

リチウム電池の正極活物質は多かれ少なかれ還元剤として働くので、水と反応してアルカリとなりアルミニウムを腐食します。しかしその場合は、ゲル状となるので、いわゆる孔食とは異なる腐食が進行します。

リチウムイオン二次電池の正極の集電体にはアルミニウムが使われます 2 ) 3 )

機能界面設計工学特論
静電誘導 (本田アンドレイstl
静電分極 (本田アンドレイstl
金属のポテンシャル (本田アンドレイ 3mf stl
3D-CAD

集電体と電極合材との接触抵抗

拡面処理した集電体と炭素の接触状態について
表面処理を施したアルミニウム集電体と電極合材との接触抵抗の発現要因 加藤 直貴, 小野寺 伸也, 伊藤 知之, 伊藤 智博, 立花 和宏, 仁科 辰夫, 科学・技術研究 , 3, 157-164, (2015).

メタルジャケット

次回

有機材料 ~リチウム電池の電解液~ http://c1.yz.yamagata-u.ac.jp/Education/Energy.html

参考文献


エネルギー化学特論


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https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/56307/56307_09.asp


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