送電線の抵抗によるエネルギーが損失を計算してみましょう。
グループのリーダーが google sheets にアクセスし、 クラウド上に新しい スプレッドシート を作成してください。 リーダーがスプレッドシートをメンバーと共有し、 全てのメンバーがスプレッドシートを閲覧できることを確認してください。
電力ケーブル(架空送電線、地中送電線、架空配電線、地中配電線、など)からひとつ選び、その材質をしらべ、 物性値から電力ケーブルのスペックに大きな食い違いがないことを確かめましょう。 次に、家電機器をひとつ選び、送電経路と仮定し、そのときの1kWhに対するエネルギー損失を求めましょう。
計算したエネルギー損失をもとに、 電力ケーブルの材質はどのように選んで設計すれば、環境負荷をどれくらい減らせるかについて意見を述べましょう。
計算例) 米沢変電所では、275kVで送電されてきた電力を、6.6kVに変圧して市街地に配電する。そこで、米沢変電所から、米沢キャンパスまでの電力ケーブルとして、屋外の架空配電線として6600V CVTの公称断面積100mm2のものを選んだ。
6600V CVTは銅線なので、銅の0℃での抵抗率は、1.55×10-8Ω⋅mであるから、公称断面積100mm2を使うと 1kmあたりの導体抵抗は、0.155Ω/kmとなる。これは、 カタログスペックに記載された20度の値0.187Ω/kmと大きな違いはない。
家電機器としてヘアドライヤーを選ぶとする。その消費電力はおよそ1kWである。電力はおおまかに電流×電圧である。1kWを6.6kVで割ると、ヘアドライヤーの使用によって架空配電線を流れる電流は0.15Aとなる。
米沢変電所から米沢キャンパスまで、およそ5kmであるから、導体抵抗0.187Ω/kmを使うと、架空配電線の電気抵抗は5km×0.187Ω/km=0.935Ω。発熱は電気抵抗に電流の二乗をかければよいから、0.935Ω×0.15A2=0.021W=21mW。 1kWhに対するエネルギー損失は、およそ21mWhと推定される。これは、スマホ1回の充電で蓄えられるエネルギーを4Whとして、50回程度通話できるとすると、通話1回分程度のエネルギーが損失したことになる。
この演習は、材料の電気の流しやすさを表す導電率や抵抗率と言った物性値から、その材料の形状で製品の特性を推定することと、それエネルギー損失の計算を目的にしています。
高校物理程度の抵抗率と電気抵抗の関係、電気抵抗と発熱の関係についての知識を前提にしています。 この機会に友達から教わって使える知識にしておきましょう。
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計測可能
な
物理量
(セル) |
界面
の特性値 (面積) |
バルクの
物性値
(セル定数) |
|---|---|---|
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電気抵抗
R[Ω]
=電圧÷電流
,
|
反応抵抗(面積抵抗率)
Rct〔Ωm-2〕
=電圧÷ 表面 電流密度 接触抵抗 (界面抵抗) * =電圧÷表面電流密度 |
抵抗率(体積抵抗率)ρ
=電場強度e÷ 断面 電流密度 抵抗率ρ〔Ωm〕=電気抵抗R〔Ω〕÷ セル定数 a〔1/m〕 電気抵抗R=抵抗率ρ×長さl/面積S 1 ) 抵抗率ρ=1÷導電率 |
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コンダクタンスG[S]
=1÷電気抵抗R |
導電率
σ(
|
|
|
静電容量
(キャパシタンス)C
,
|
電気二重層容量Cd〔Fm-2〕 |
⚖️
誘電率
=電荷密度÷ 電場強度e |
|
インダクタンスL
,
|
透磁率 μ |
電池の内部抵抗は、 バルク抵抗だけでなく、界面抵抗に左右されます。 溶液に金属を浸しただけの ダニエル電池 のような単純な電池では、バルク抵抗が支配的ですが、 合材電極や固体電解質を使う リチウムイオン電池 のような複雑な電池では、界面抵抗が支配的です。 電池の内部抵抗の評価には、 交流評価と直流評価を組み合わせが必要です。
電子の流れを水に例えたら、pn接合は 瀑布のようなものです。
抵抗率 は、 物性値です。 金属は、電流を流す用途で使うので、 電気抵抗から損失を計算しやすいように 抵抗率 で表現し、 半導体や電解液は、キャリア濃度との関係から 導電率で表現することが多いです。
| 金属 | 元素 | 導電率 /108S/m | 抵抗率 /10-8Ω・m | |
|---|---|---|---|---|
| ⚛ 🜛 銀 | Ag [5s1] | 0.63 | 1.59 | |
| ⚛ 🜠 銅 | Cu[4s1] | 0.60 | 1.68 | |
| ⚛ 🜚 金 | Au [6s1] | 0.41 | 2.44 | |
| ⚛ 🜀 アルミニウム | Al[3p1] | 0.38 | 2.65 | |
| ⚛ 亜鉛 | Zn [4s2] | 0.17 | 6.02 | |
| 真鍮 (黄銅) | Cu,Zn | 0.14 | 7.00 | |
| 炭素粉末 (AB) | C | 0.00 | 210000 |
電線ばかりでなく、 電池の集電体 (電池材料)にも使われます。 リチウムイオン電池の 集電体には、銅とアルミニウムが使われます。
炭素材料は、金属ではないが、 黒鉛は電気をよく通します。
電気が流れるのは電気を運ぶ何かが移動するからです。この電気を運ぶ何かをキャリア(担体)と言います。 キャリアには 電子と イオンがあります。金属は 電子伝導、 電解液はイオン伝導です。 欠陥がキャリアになることもあります。電子の欠陥はホール(正孔)であり、イオンの抜け穴はベーカンシー(空孔)です。
半導体のキャリア濃度は、 キャリア注入、 電界、光、化学種の吸着によって変化します。 キャリア濃度が変化した層は、空間電荷層と呼ばれます。 キャリア濃度が減った場合は、空乏層と呼ばれます。 キャリア濃度が減った場合は、蓄積層と呼ばれます。
コンダクタンスは面積に比例し、長さに反比例するので、 導電率既知の 標準溶液を使って、セル定数を求め、そのセル定数と コンダクタンスから 導電率を求めます。
25 セル定数 ✍ 71 送電線の損失を計算しよう ✍ 234 共有結合の黒鉛が電気を流す理由を考えよう Fig セル定数計算ソフトは、 データの 計算や グラフ化 に使います 4 ) 。 Microsoft®Excel®に代表される表計算ソフトはもっともよくつかわれる アプリ でしょう。 ほかにも kingsoftのSpreadsheetsや、 GoogleのGoogle スプレッドシートなどがあります。 中にはVBAまで動作する互換性の高いものも。でも インピーダンス の計算に使う複素数アドオンなどはやはりExcel®かも。 最近は クラウド で動作するオンラインが増えていますが、測定器などはまだまだオフライン。
google sheetは、インストール不要のwebアプリなので、 データは クラウドに保存されます。
6.02×1023のような 浮動小数点の 数値は、 は、6.02E23と入力します。
記号、量名、数値、単位をカラムに並べると便利です。 計算には、接頭辞のつかない単位で表現した数値を使い、 報告には、数値が0.01~100程度になるよう接頭辞のつく単位を使うのが良いでしょう。
ワークショップを楽しみましょう 5 ) 。 グループ人数は、5〜6名とします。 4名以下にならず、7名を超えないようにしてください。
初対面の場合は、自己紹介をしましょう。 雑談をして、アイスブレイクしましょう。
リーダー(司会進行)を決めてください。 そのほかのメンバーの 役割(記録係、資料作成係、プレゼンター( 登壇者))を決めてください。
グループ名を決めてください。グループ名は任意です。メンバーの所属する組織の名前になります。 発表は、単著ではなく、共著となります。リーダーは、筆頭著者(ファーストオーサー)となります。
記録係は、試験答案用紙表面の最上部に、日付、授業科目名、グループ名を記入してください。 メンバーは、記録係に従い、役割、学籍番号、氏名を直筆署名してください。 その際、 筆頭著者を先頭に書き、登壇者の氏名の前には〇をつけてください。
討論を開始したら、記録係は討論の内容(議事)を試験答案用紙裏面に記録してください。
討論がまとまったら、資料作成係は、試験答案用紙表面に グラフィカルアブストラクト に表現してください。グラフィカルアブストラクトは文章ではなく、 図版で表現した内容の概要図です。 グラフィカルアブストラクトは、板書しやすいように作図してください。 図は独立した著作物とみなされます。 図を描いた人は、図の下部に著作権のクレジット表示(©2026,氏名)を直筆署名してください。
学生証を配置し、役割、学籍番号、氏名を直筆署名して 答案用紙全体をを撮影してください。 撮影の際は、図の著作者の許諾をとってください。 撮影した画像は平常の学習成果物として、期末の 成績評価申請書の 平常点の申請に使います。 画像がない場合、平常点の申請はできません。 演題、グループ名、共著者名がわかるように撮影し、各回ごとの復習として画像をWebClassにアップロードしておくと便利です。
登壇者は、プレゼンテーションのイメージをしましょう 6 ) 。 メラビアンの法則を意識して、 非言語表現も工夫しましょう 7 ) 。
グループ名が指名された後で、じゃんけんなどで登壇者を決めるのは、授業進行の妨げとなりますので、 必ず、討論前に 登壇者を決めてください。
記名だけして、討論に参加しない場合、不正行為として扱うことがありますので、必ず討論に参加してください。 自分から参加できなそうな人には、積極的に声がけをお願いします。
無作為抽出で指名します。 指名された方が所属するグループで決めた登壇者に、 プレゼンテーションしてもらいます 8 ) 。
プレゼンテーションは、必ずグラフィカルアブストラクトを板書しながら、行ってください。 無言でお尻を聴衆に向けたまま、板書だけする時間をとることは避けてください。
質疑応答の際も、無作為抽出で指名しますので、指名された方が所属するグループのプレゼンターが質問、コメント、アドバイスをしてください。 ディベートとしての反対意見は、大歓迎です。
*平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、学期末に WebClass の 成績評価申請書 に申告していただき集計します。
授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みます。 WebClass への提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。
WebClass への平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、 成績評価申請書 に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。
成績評価申請書 では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClass に提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 9 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。