電流は電気の流れ。電気は何かが担う。その何かには電子やイオンがある。電子はそれ以上分割できない電荷の最小単位。
電池から電流を取り出すと、電圧が下がります。この電圧降下と電流の比を電池の内部抵抗と言います。 横軸に電流、縦軸に電圧をとったグラフは次のようです。
計測可能 な 物理量 (セル) |
界面
の特性値 (面積) |
バルクの
物性値
(セル定数) |
---|---|---|
電気抵抗R=電圧÷電流 |
反応抵抗Rct〔Ωm-2〕=電圧÷
表面
電流密度
接触抵抗 * =電圧÷表面電流密度 |
抵抗率ρ=電場強度÷
断面
電流密度
抵抗率ρ〔Ωm〕=電気抵抗R〔Ω〕÷ セル定数 a〔1/m〕 抵抗率ρ=1÷導電率 |
コンダクタンスG=1÷電気抵抗R | 導電率 σ〔Sm-1〕 、電気伝導度 | |
静電容量 (キャパシタンス)C | 電気二重層容量Cd〔Fm-2〕 | 誘電率 ε |
インダクタンスL | 透磁率 μ |
電池の内部抵抗は、 バルク抵抗だけでなく、界面抵抗に左右されます。 溶液に金属を浸しただけのダニエル電池のような単純な電池では、バルク抵抗が支配的ですが、 合材電極や固体電解質を使うリチウムイオン電池のような複雑な電池では、界面抵抗が支配的です。 電池の内部抵抗の評価には、 交流評価と直流評価を組み合わせが必要です。
内部抵抗はバルクの導電率で決まり、過電圧は界面の特性で決まります。
内部抵抗が大きくなる様子を動画で見てみましょう。 内部抵抗が大きくなると直線的になり、溶液抵抗や接触抵抗が支配的になることがわかります。 デバイスとしての電池はできるだけ内部抵抗が小さくなるように工夫されているので、 現実的な内部抵抗を評価するには大きな電流を流して電圧降下を調べます。 短絡試験で流れる電流を測るのもひとつの方法と言えます。
電池の発熱は、電流の二乗×内部抵抗。 発熱は、無駄な発電負荷であり、無駄な二酸化炭素の排出。 大型電池ほど、放熱が不利になり、熱暴走のリスクが高まります 電池の内部抵抗を下げることが、脱炭素社会への道。
電圧降下=活性化過電圧+濃度過電圧+抵抗過電圧(溶液抵抗+接触抵抗)
電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイスですが、電池の内部抵抗は変換の際に損失する熱エネルギーと言えます。 熱エネルギーは内部抵抗と電流の二乗に比例します。
平衡電位からのずれを過電圧といいます。 電池には正極と負極がありますから、それぞれの反応過電圧、拡散過電圧と、電解液による抵抗過電圧があります。
電池から取り出す電流が大きいときの内部抵抗の原因が抵抗過電圧です。 電解液の抵抗を下げる努力がされます。 具体的には導電率を上げる、電極面積を増やす、電極間距離を減らす、などの工夫がされます。
電解液の導電率はイオン濃度が大きいほど、粘性がちいさいほど大きくなります。 イオン濃度はイオン半径が大きいほど溶解度が大きくなる傾向がありますが、 粘性はイオンイオン半径が大きいほど大きくなる傾向があり、真逆ですね。
平衡電位から電位をずらす(分極)すると、活性化過電圧のみの場合は、ある電位から指数関数的に電流が増加します。電流は反応速度を表します。 実際には溶液抵抗が存在するので、電流はあるところから直線的に増加するようになります。 分解電圧は、その直線を外挿して求めます。
ダニエル電池 | 乾電池 | |
---|---|---|
動物 | ブラナリア | 脊椎動物 |
呼吸 | 体表呼吸 | 肺呼吸 |
集電体 | なし | 分離 |
循環系 | なし | 閉鎖血管系 |
電極 | 電極表面 | 複合電極 |
排出器 | 体表 | 腎臓 |
等価回路 | 単純 | 分布定数回路 |
真空の導電率を再考。
過電圧 | 内容 | ||
---|---|---|---|
活性化過電圧・反応過電圧 | 深度に依存する、可逆な 内部抵抗、 水素過電圧、 酸素過電圧、など。 | ||
拡散過電圧・濃度過電圧 | 時間とともに変化、定常状態で、電極界面の近傍バルクの物質移動( イオン移動 )律速。 | ||
抵抗過電圧 | 溶液抵抗(導電率と セル定数に依存)、接触抵抗、 充電式電池では、サイクルごとに増える不可逆な 内部抵抗 |
過電圧の種類。 反応過電圧、拡散過電圧、抵抗過電圧。 理論分解電圧と実際の分解電圧の差は過電圧です。 分解電圧
書きかけです
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