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電池の内部抵抗と過電圧

山形大学  理工学研究科(工学系)  物質化学工学専攻  仁科辰夫・立花和宏

電気化学特論 syllabus 56339 4-211 C1

電流は電気の流れ。電気は何かが担う。その何かには電子やイオンがある。電子はそれ以上分割できない電荷の最小単位。

電池から電流を取り出すと、電圧が下がります。この電圧降下と電流の比を電池の内部抵抗と言います。 横軸に電流、縦軸に電圧をとったグラフは次のようです。

Fig 電池の内部抵抗と過電圧
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内部抵抗が大きくなる様子を動画で見てみましょう。 内部抵抗が大きくなると直線的になり、溶液抵抗や接触抵抗が支配的になることがわかります。 デバイスとしての電池はできるだけ内部抵抗が小さくなるように工夫されているので、 現実的な内部抵抗を評価するには大きな電流を流して電圧降下を調べます。 短絡試験で流れる電流を測るのもひとつの方法と言えます。

電池の内部抵抗と電圧降下

電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイスですが、電池の内部抵抗は変換の際に損失する熱エネルギーと言えます。 熱エネルギーは内部抵抗と電流の二乗に比例します。

平衡電位からのずれを過電圧といいます。 電池には正極と負極がありますから、それぞれの反応過電圧、拡散過電圧と、電解液による抵抗過電圧があります。

電池から取り出す電流が大きいときの内部抵抗の原因が抵抗過電圧です。 電解液の抵抗を下げる努力がされます。 具体的には導電率を上げる、電極面積を増やす、電極間距離を減らす、などの工夫がされます。

電解液の導電率はイオン濃度が大きいほど、粘性がちいさいほど大きくなります。 イオン濃度はイオン半径が大きいほど溶解度が大きくなる傾向がありますが、 粘性はイオンイオン半径が大きいほど大きくなる傾向があり、真逆ですね。

電池の電圧降下と分解電圧の電流電位曲線
溶液抵抗と分解電圧曲線

平衡電位から電位をずらす(分極)すると、活性化過電圧のみの場合は、ある電位から指数関数的に電流が増加します。電流は反応速度を表します。 実際には溶液抵抗が存在するので、電流はあるところから直線的に増加するようになります。 分解電圧は、その直線を外挿して求めます。

前回

電気エネルギーと物質~電池の系譜~

真空の導電率を再考。


仮に真空の導電率をキャリア濃度×移動度とした場合、 移動度が無限大だとすれば導電率は無限大となる。 逆にキャリア濃度が0だとすれば導電率はどう考えればいいか?

過電圧の種類。 反応過電圧、拡散過電圧、抵抗過電圧。 理論分解電圧と実際の分解電圧の差は過電圧です。 分解電圧

放電時の電位プロファイル
誘電体の電位プロファイル (©赤間未行

次回

リチウムイオン二次電池の構造
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