CNTは電極内部の界面抵抗の中でも、活物質と導電助剤間の界面抵抗を劇的に下げることが可能となるため、エネルギー密度を下げずに内部抵抗を下げ、急速充電を可能とする電池の材料としての大きな可能性を秘めている。
電池材料としてCNTに要求される大きなポイントは価格であるが、次に重要な点は純度(不純物量)、結晶度、形状(長さ・直径)、電気特性(導体)など材料の均一性である。CNTの形状を制御する際、製造方法から着目する必要があり、一例として基板上に多層CNT(MWNT:multi-wall carbon nanotube)を垂直に一定方向に林立成長(配向)させる基板法による製造方法がある。基板法の特徴は、CNTの長さの制御が可能、CNT長さを均一に揃えられる特徴がある(図1)。
合材のバルク抵抗と、合材と集電体の接触抵抗と、合材内部の界面抵抗からなる。バルク抵抗は溶液抵抗と炭素導電助剤の抵抗からなり、電極間距離に比例し、電極面積に反比例する。合材と集電体の接触抵抗も電極面積に反比例することから、電極面積を大きくし、電極間距離を縮めることは内部抵抗低減のひとつの指針である 1 ) 。
その一方で、リチウムイオン二次電池には、高い安全性も求められている。リチウムイオン二次電池の外皮面積は、 体積エネルギー密度に反比例する。電池体積あたりの外皮面積は、電池体積に比例して小さくなるから、体積エネルギー密度が大きく電池体積の大きい大型電池ほど、放熱に不利となり、電池の温度上昇が激しくなる。この様子を、図に示す。電池の温度上昇は、電池反応の暴走を招き、一旦、電池反応が暴走すると、1.で述べたような危険性を生じる。このように大型電池の安全性と、 内部抵抗 の低減は、密接な関係にある 2 ) 。
◎参加費:無料 ◎口頭発表申込締切:10月29日(金) ◎予稿原稿締切:11月12日(金) ◎参加申込締切:11月12日(金) ◎会期:11月22日(月)・23日(火・祝)
2024年1月21日 松木健三名誉教授がご逝去されました。