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🌡️ 📆 令和5年2月9日

粘土分散液の電気化学

仁科・伊藤(智)研究室
田邉 悠

🔒 20230327 20221122 doc sheet 20221024 20220908 20210826 外部グループ sheet 実験台1 実験台2 はるか のぶ
files 145表面技術 144表面技術 143tanabe 143honnma e133 abstract draft , e134 abstract draft 2022 電気化学会

コロイドの状態

  1 コロイドの状態
分散媒
気体液体固体
分散質 気体 気泡、泡 スポンジ
液体 【エーロゾル】霧、雲 【乳濁液・エマルション】 寒天、ゼラチン、 粘土分散液、【ゲル】
固体 煙、PM2.5 【懸濁液・サスペンジョン】墨汁、絵の具、泥水、スラリー ルビー、色ガラス

物質は、 様々な状態を取ります。 混合物のうち、10-8m程度の分散質が分散媒に分散したものを、コロイド溶液と言います。 コロイド溶液中の分散質と分散媒の間には、真の溶液と違って 界面が存在します。 コロイド溶液を安定化するのに 界面活性剤が使われます。


  1 アルミニウムのクロノポテンショグラム
©2022 H.Tanabe

  2 導電率と粘土粒子の比表面積の 直線関係
©2022 H.Tanabe

層状ケイ酸塩鉱物

  2 粘土鉱物の分類
化学式 製品名 製造方法 用途
カオリナイト (1:1層) カオリナイト 1:1層で、層間に水がないため、焼結可能。陶磁器などに使う()。
スメクタイト (2:1層) モンモリロナイト
Nax(Al2-xMgx)Si4O10(OH)2·4H2O(X<0.33)
クニピア-F 精製 ベントナイトの主成分。 1:2層で、高温でも固まらない。鋳鉄の鋳型などに使う。
Li+モンモリロナイト
Lix(Al2-xMgx)Si4O10(OH)2·4H2O(X<0.33)
クニピア-M 精製
サポナイト
NaxMg3(Si4-xAlx)O10(OH)2(X<0.33)
スメクトン-SA 水熱合成
スチーブンサイト Na0.3Mg3-xSi4O10(OH)2 スメクトン-ST 水熱合成
ヘクトライト Na0.3(Mg,Li)3-xSi4O10(OH)2 スメクトンSWN 水熱合成
ヘクトライト-F スメクトンSWF 水熱合成
粘土分散液の電気化学 06 無機工業化学

粘土は、SiO4四面体が平面状に結合した 造岩鉱物です。

はるか Stevensite は Montmorillonite の八面体シートの 2Al を 3Mg で置換したもの 、幾つ か教科書を見ると少し記載が曖昧なところが有ります。層電荷が小さい、混合物ではないかなど。ベン トナイトは鉱物種名では有りません。米国ワイオミング州の Fort Benton 層中に産出する粘土に対して 命名されています。主として Montmorillonite を主体とする粘土をベントナイトと呼んでいます。スメ クタイトグループの鉱物にクリストバライト、石英、沸石などを含むことが一般的です。

  3   粉体と比表面積 1 )
量名 記号 単位
密度 ρ kg/m3
比表面積形状係数 φ φ=6(、立方体、直径と高さが等しい円柱
直径 d m d=2×半径(
比表面積 S m2/kg S=φ÷ρ×(1/d)
比表面積 S m2/kg S=φ÷ρ×∫1/d(w)*dw
08, 12, 15, エネルギー化学特論

粘土分散液の分極

336
電場によって回転する粘土粒子
©K.Tachibana

液晶としての粘土分散液

粘土分散液は、 粘土ではありません。粘土は鉱物です。 でも粘土分散液は、粘土粒子と分散媒からなる複合材料です。 粘土分散液は液晶です。

(鈴木,2007)

緒言


液晶材料の双極子モーメント

333
液晶材料の双極子モーメントと導電率
©

ヘクトライト

粘土材料の双極子モーメント

アルミニウムイオン マグネシウムイオン (-) ナトリウムイオン (+)
  3 クニミネ工業(株)のHPより転載・改変 https://www.kunimine.co.jp/bent/basic.html

アルミニウムイオンと、同型置換されたマグネシウムイオンがあります。 そこは、電荷が足りない分、負の電荷を帯びます。 その電荷を補償するのが、層間のナトリウムイオンです。 こうして、離れたところにある負の電荷と正の電荷で、双極子モーメントが生じます。


粘土分散液の双極子モーメント

粘土鉱物の分散

(-)マグネシウムイオン ナトリウムイオン(+) 50 nm 0.1 nm 1 nm 10 nm
  4 クニミネ工業(株)のHPより転載・改変 https://www.kunimine.co.jp/bent/basic.html

ヘクトライトは、層間に水が配位したカチオンが入り込むため、膨潤し、粘性の高い液体となります。

一方でカオリナイトは1:1型構造なので,層間に水が入り込みづらいので,膨潤せず分散があまりできません.

同型置換により負に帯電した粘土の単位層や水酸基に水和したカチオンがクーロン力によって結合することで固定点となります.

負に帯電した粘土の単位層とカチオンとで双極子をもつことになります.

層間が水で膨潤した粘土分散液でも、 負の電荷と正の電荷で、双極子モーメントが生じます。 このような双極子モーメントを持つクラスターは、ダイレクタとなります。 ふだんは粘性力が支配ですが、振動を受けて流れが生じたり、電場がかかったりすると 慣性力が支配的になります。 このような現象は、粘土分散液の液晶性の発現に寄与します。


336
電場によって回転する粘土粒子
©K.Tachibana

局所平均双極子モーメント

注目する原子を中心に、半径rの球を考え、 その球の内側に存在する電荷と距離から、双極子モーメントを計算したグラフである。


双極子モーメントと誘電率


最近わかったこと。

-1.5-1-0.500.511.522.521.510.50-0.5-1-1.5-2水の安定領域 電圧 V vs. Zn/Zn(OH)2 /V 電流 I /mA ヘクトライト水分散液 緩衝溶液
ヘクトライト水分散液のボルタモグラム

まだないしょ
  4  粘土分散液の粒径と導電率
試料名
(製造元、型番)
粒径/nm 導電率/μS/cm pH 粘度/mPa·s
スチーブンサイト2wt%/水分散液
( クニミネ工業、 スメクトン-ST 2wt%/水分散液)
30±10 2450
ヘクトライト2wt%/水分散液
( クニミネ工業、 スメクトン-SWN 2wt%/水分散液)
50 1594
サポナイト2wt%/水分散液
( クニミネ工業、 スメクトン-SA 2wt%/水分散液)
1001114
モンモリロナイト2wt%/水分散液
(クニミネ工業、 クニピア-F 2wt%/水分散液)
350±250636
Li+置換モンモリロナイト2wt%/水分散液
(クニミネ工業、 クニピア-M 2wt%/水分散液)
>?4109.9534
粘土分散液の化学 はるか

図1に浸漬開始から6日後の各種金属板に対する粘土/水分散液浸漬実験中の写真を示す.アルミニウムはモンモリロナイト2wt%/水分散液とヘクトライト2wt%/水分散液で変化が起きた.図1(a)に示すようにモンモリロナイト2wt%/水分散液中では白色のゲルが発生した.スチーブンサイト2wt%/水分散液では変化が起こらなかった.ヘクトライト2wt%/水分散液中では多量の泡と白色のゲルが発生した.ヘクトライト2wt%/水分散液中で発生する泡は浸漬開始から20分で白色のゲルと共に発生した.

鉄は全ての粘土/水分散液中で変化が起きた.図1(b)に示すようにモンモリロナイト2wt%/水分散液中では浸漬させていた金属板の全面に茶褐色と緑色のゲルが発生した.スチーブンサイト2wt%/水分散液中では気-液界面の部分的に茶褐色ゲルが発生した.ヘクトライト2wt%/水分散液中では金属板下部に茶褐色と緑色のゲルが発生した.

亜鉛は全ての粘土/水分散液中で変化が起きた.図1(c)に示すようにモンモリロナイト2wt%/水分散液中では白色のゲルが金属板上前面に発生した.スチーブンサイト2wt%/水分散液とヘクトライト2wt%/水分散液中では,部分的に白色ゲルが発生した.

銅はいずれの粘土/水分散液中で変化が起きなかった.同様にニッケル,鉛でも変化は起きなかった.

(a)アルミニウム (b)鉄 (c)亜鉛 (d)銅
  5 浸漬開始から6日後の各種金属板に対する粘土/水分散液浸漬実験中の写真.(KPF=モンモリロナイト,ST=スチーブンサイト,SWN=ヘクトライト)

表1に各種金属板に対する粘土/水分散液浸漬実験の目視観察の様子を示す.モンモリロナイト2wt%/水分散液ではゲルが発生する場合は金属板上の全面に発生し,金属板の面に垂直に成長した.アルミニウムは3種の粘土/水分散液中で変化の様子が異なる結果となった.ヘクトライト2wt%/水分散液でのみ多量の泡が発生した.標準電極電位でニッケルより貴の電位を持つものは反応が起こらなかった.

  5 各種金属板の粘土分散液中での浸漬状態
金属種 SWN2wt%分散液 ST2wt%分散液 KPF2wt%分散液
アルミニウム 多量の泡 変化なし 全面に白色ゲル
亜鉛 部分的に白色ゲル 部分的に白色ゲル 全面白色ゲル
部分的に茶褐色ゲル 部分的に茶褐色ゲル 全面に茶褐色ゲル
ニッケル 変化なし 変化なし 変化なし
変化なし 変化なし 変化なし
変化なし 変化なし 変化なし
©Haruka Tanabe

表に各種金属板に対する粘土/水分散液浸漬実験の目視観察の様子を示す.

  6 各種金属板の粘土分散液中での浸漬状態
金属種 SWN2wt%分散液 ST2wt%分散液 SA2wt%分散液 KPF2wt%/水分散液 pH10緩衝液
アルミニウム 気泡,白い斑点 変化なし 全面こげ茶色,一部に白い粉付着 全面黒変,一部白い粉付着,KPF分散液がゲル化して表面に付着 全面こげ茶色,孔
亜鉛 部分的に白色ゲル,ゲルの下の地金に黒点 部分的に白色ゲル 全面白色ゲル 全面白色ゲル,KPFが沈殿 表面に垂れるように白色ゲル
部分的に黒緑色ゲルとオレンジゲル 変化なし 黒緑色ゲルとオレンジゲル 黒緑色ゲルとオレンジゲル,KPF分散液が沈殿 変化なし
チタン 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし 変化なし
表面うっすら緑色 表面うっすら緑色 表面うっすら緑色 気液界面黒変,全体に白濁したゲル 変化なし
©Haruka Tanabe

図にアルミニウムを浸漬実験をした際の電位の時間変化のグラフを示す.浸漬を開始すると電位が下がりだし,3分で電位が最も低くなった.その後は徐々に電位が高くなった.最終的にSWN2wt%分散液の電位が最も低くなり-1.32 Vだった.ST,KPF2wt%分散液は-1.27 Vだった.SA2wt%分散液は-1.22 Vであった.pH10の緩衝液では-1.12 Vで最も高い電位となった.

  6 各粘土分散液中でのアルミニウムの電位時間変化 (a)SWN2wt%分散液,(b)ST2wt%分散液,(c)KPF2wt%分散液,(d)SA2wt%分散液,(e)pH10緩衝液

浸漬開始とともにアルミニウム表面の酸化皮膜がpHにより溶け地金が露出することで電位が一旦下がるが,再度皮膜ができることにより電位が上昇していると考えられる.pH10の緩衝液ではその傾向がみられているが,粘土分散液ではpH10緩衝液ほど電位が上昇せずに-1.2~-1.3 Vの電位を保持している.つまり皮膜の成長を阻害するようなものがアルミニウム表面で生成していると考えられ,粘土分散液中の電位変化の挙動はpHだけで説明がつかない.

図2に粘土/水分散液から金属板を引き抜いた際の様子を示す.成長したゲルは金属板にはり付いていた.

  7 ヘクトライト2wt%/水分散液から鉄板を引き抜いた際の様子

図3に浸漬実験後の金属板の写真を示す.図3(a)に示しているようにアルミニウムはモンモリロナイト2wt%/水分散液とヘクトライト2wt%/水分散液に浸漬することで変化が起きた.モンモリロナイト2wt%/水分散液に浸漬していたものは白色層が出来ており,厚みが初めより0.15 mm増加した.ヘクトライト2wt%/水分散液に浸漬していたものは白色層が出来ており,厚みが0.03 mm増加した.スチーブンサイト2wt%/水分散液に浸漬していたものは変化が見られなかった.

図3(b)に浸漬実験後の鉄板の様子を示す.鉄板では全ての粘土/水分散液中に浸漬することで変化が起きた.茶褐色のゲルが付着していた部分の金属光沢が焼失した.厚みに変化はなかった.

図3(c)に浸漬実験後の亜鉛板の様子を示す.亜鉛板では全ての粘土/水分散液中に浸漬することで変化が起きた.白色のゲルが付着していた部分が黒変していた.厚みに変化はなかった.

(a)アルミニウム (b)鉄 (c)亜鉛
  8 浸漬実験後の金属板の写真.(KPF=モンモリロナイト,ST=スチーブンサイト,SWN=ヘクトライト)

表2に浸漬実験後の金属板の様子を示す.スチーブンサイト2wt%/水分散液に浸漬したアルミニウムの変化が見られなかった.モンモリロナイト2wt%/水分散液とヘクトライト2wt%/水分散液中に浸漬したアルミニウムは,白色層が付着し厚みが増加した.亜鉛と鉄はゲル化したものが付着した部分の金属表面に変化が起きた.標準電極電位でニッケルより貴の電位をもつ金属では変化は起きなかった.

  7 各種金属板の浸漬実験後の状態
金属種 SWN2wt%分散液 ST2wt%分散液 KPF2wt%分散液
アルミニウム 白色層付着厚み0.03mm増加 変化なし 白色層付着.厚み0.15mm増加
亜鉛 白色ゲル付着部分が黒変 白色ゲル付着部分が黒変 白色ゲル付着部分が黒変
茶褐色ゲル付着部分の金属光沢消失 茶褐色ゲル付着部分の金属光沢消失 茶褐色ゲル付着部分の金属光沢消失
ニッケル 変化なし 変化なし 変化なし
変化なし 変化なし 変化なし
変化なし 変化なし 変化なし

標準電極電位でニッケルより貴の電位をもつ金属では変化は起きなかった.スチーブンサイト2wt%/水分散液中のアルミニウムはpHによる腐食が起きずに酸化皮膜がある状態または金属の地金として保護されている可能性が高い.


  9
https://www.kunimine.co.jp/bent/basic.html
モンモリロナイトの単位結晶は、Si(ケイ素)とO(酸素)の四面体がシート状に連なった四面体シートと、Al(アルミニウム)とOH(水酸基)の八面体がシート状に連なった八面体シートからなっており、1枚の八面体シートが2枚の四面体シートに挟まれた、サンドウィッチ構造をしています。これをケイ酸塩層(単位層)と呼びます。しかし、実際は八面体シート中の3価の陽イオンであるAlが、部分的に2価の陽イオンであるMg(マグネシウム)に置き換わっています。このことを同形置換と呼びます。その結果、単位層面では電荷が不足し、負(マイナス)電荷を帯びています。そのため、電荷のバランスをとるために、単位層間に正(プラス)電荷を持つイオンが取り込まれています。これを層間陽イオンと呼びます。

粘土ファイバー(ディスコチック液晶)

153
粘土ファイバー(ディスコチック液晶)
©K.Tachibana

積層された粘土シート

  10 132
積層された粘土シート
©K.Tachibana
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/54299/c1/C1_Project/nendo/nendo_sheet/nendo_sheet.asp

電極上に配向した粘土ファイバー

  11 粘土ファイバーが金属表面に配向してる?

粘土の3Dデータ

以下にCa型モンモリロナイトのUnit Cellに 含まれる原子の空間位置座標(3Dデータ)から構成した球棒モデルを示す.

Ca型モンモリロナイトのUnit Cell
©2020Tanabe

クニピアおよびスメクトンとは (出典:©KUNIMINE INDUSTRIES CO., LTD.)

液晶分子の並び方もいろいろ (出典:井上 均)
はるか

クニピア・スメクトン くすだ たなべ スライド いおり 分散 コロイド 層状複水酸化物 http://www.cssj2.org/wp-content/uploads/clay_25.pdf 粘土 分散 液晶 チクソトロピー
212

110
粘土分散液の光学的観察
©Haruka

136
粘土/水分散液温度分布測定セル
©
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/54299/c1/Extra_Syllabus/2020_R02/20201118/e133/20201118_e133.asp

Potential E / V vs.Ag/AgClCurrent I / mA-1.000.001.001.00.50.0-0.5-1.0 L 467.77539341917 72.5000602858321 L 82.2248034310222 217.4999999999 L 467.775196568978 72.5000000001003 L 467.77539341917 72.5000602858321 L 82.2248034310222 217.4999999999 L 467.775196568978 72.5000000001003
  12 キャパシタCVシミュレーション
シミュレーション条件は、E0=0V, Ehigh=0.7V, Elow=-0.7V, v=10V/s, Cd=0.05mF, Rs=100Ωである。
粘土分散液の電気化学 10.情報処理概論 9.エネルギー化学

参考文献

粘土基礎講座Ⅰ http://www.cssj2.org/
20221122 20221024 20220908 20210826 sheet files 145 144 143tanabe 143honnma e133 abstract draft , e134 abstract draft

研究プロジェクト@C1

  8 大学での研究予算の種類
種類 財源 用途
奨学寄附金
共同研究 備品 、消耗品、試薬 旅費など
学術指導
受託研究 科研費、助成金など 備品 、消耗品、試薬 旅費など
🔓

大学では、請求書ではなく、納品書で会計処理。検収。

コメリ、ムサシは専用カードで、売掛。

書籍は、図書館で処理。固定資産。


QRコード
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/54299/c1/C1_Project/nendo.asp


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