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9-300-3 9号館:(旧)仁科辰夫研究室


仁科辰夫教授退職のお知らせ

山形大学大学院理工学研究科教授(化学・バイオ工学専攻)仁科辰夫先生は、2023年3月31日をもって定年を迎えられます。

先生は1983年(昭和58年)東北大学大学院博士課程前期2年過程をご修了後、(株)本田技術研究所にお勤めになりました。 その後、1984年に母校の東北大学の助手に着任されました。

その後、縁あって、 1997年に助教授として山形大学工学部に赴任されました。 そして 2007年に教授に昇進されました。その後は、 物質化学工学科の学科長や労働組合の執行委員長を務められました。

先生は山形大学工学部において25年の長きにわたり、 電気化学の教育と研究に携わり、研究室から優れた人材を多数輩出されました。

学外では電気化学会東北支部長、表面技術協会東北支部長を歴任されました。 また新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)の技術評価委員や日本規格協会の 品質管理と標準化セミナー東北教室教務主任も務められ、山形大学にとどまらず、日本の工学を先導してこられました。

先生のご退職にあたり、これまでの教育研究および本学への貢献に対し、関係者で感謝の意を表すため 仁科辰夫教授退職記念会 を設立しました。 2023年3月17日(金)には最終講義を予定し、また記念論文集の発刊を計画しております。HP等でご案内いたしますので、関係者のご参加、ご賛同を賜りますようお願い申し上げます。

仁科辰夫教授退職記念会化学・バイオ工学科 立花和宏
米沢工業会会報第67号に掲載予定の内容を、HP用に改変)

内田 勇 先生を偲んで

山形大学大学院理工学研究科 仁科辰夫 (昭和56年3月応用化学科卒業)
先生の訃報を電話で聞いたとき、言葉を失くしました。覚悟していたとはいえ、いざその場に遭遇すると、私には口にできる言葉はなく、電話を切った後でただただ涙するしかできなかったのです。似たような状況は、2011年3月11日の東日本大震災で嫁の親戚が3名、津波で亡くなった時以来です。言葉と論理を武器に学問を生業にしてきた私がどれだけ無力な存在かを否応なしに突き付けてくれます。
先生には、学問とは何か、本物とは何かを教えていただいたと思います。その最初は、学部繰り上げ授業の時、テキストの用語が間違っていると授業の時に指摘させていただいた時でした。先生は私の言葉を聞き、その場では曖昧な返答を避け、次の週の授業の際に熟考した回答を下さいました。いい加減な私は、その時の授業をサボってしまったのですが、学生全員に対して訂正内容を解説してくれたとの話を仲間から聞きました。また、大学院の修士課程に進学して溶融炭酸塩形燃料電池のガス電極反応の研究を進めることになった際には、いきなり真空ラインを中心とした実験装置を作れと言われ、「知識も経験もないのに設計もへったくれもあるか!2週間勉強する時間をよこせ!」とけんか腰になり、認めていただいたことも、本物の大人の対応とはこういうものだというのを見せつけられたと思います。結局、自分でも精製や測定の原理を勉強し、操作をシミュレーションして、「この装置の通りにやればいいんだ」という先生の言葉に嘘がないことを確認した際には、「先生、流石です。私にはこれ以上の装置は考えつきませんでした。」と負けを認めさせていただきました。なんというか、若気の至りというやつでしょうかね。これを嬉しそうに受け入れてくれた先生に学者とはかくあるべきというものを見せつけられたように思います。
大学院の入学式で研究科長から「東北大学は研究第一主義を謳っている」と訓示されました。当時の私にはその意味を理解することができませんでした。しかし、先生にご指導いただいてきた月日が、その答えを教えてくれたように思います。人は、自身の力だけで無から有を生むことはほとんど不可能だといっても過言ではありません。まずは先人の成果を勉強し、「理解は後でも良いから、まずは知る」ことが重要なんだと思います。聞いたことがある言葉が頭に残っていれば検索してその意味を知ることができる。でも知らなければ、検索することすら不可能なんです。そんな無数の「知っている」のクロスリンクが「理解」につながるんですね。人は直ぐに「理解」を求めすぎる。そうではなく、まずは「知る」ことの大切さを自ら知ることが大事なんですね。これが教養教育の意義なんですね。先生はその機会をたくさん下さったと感謝しています。また、外に出なければ今の環境がどれだけ恵まれているのかを知ることもままならない。修士を終了して本田技研に就職した私ですが、1年後に大学に戻れと先生が仰って下さったのも、シカゴに留学させていただいたのも、この点にあったように思います。これが視野を広げるという言葉の意味なんですね。
そんなこんなで、大学に籍を置いてきましたが、私なりの大学の存在意義の定義を先生にご報告させていただき、先生への御礼の言葉とさせていただきます。
大学の義務と責任は何か?学校教育法では、大学は学術の中心として広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする、と定義されている。大学院は学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする、と定義されている。そもそも、学問とは、何が正しいかを学び、問うことである。これを探求する行為を研究という。正しいものを追求することは、他者の考えを聞く耳を持ち、自身の思考に誤りがあれば率直にそれを認め、より崇高な次元に至る。そのため、学問をするものは、本質的に公明正大でなければならない。大学とは、この学問を教授・研究する最高学府として付託を受けており、人類に対してその成果を分かりやすく解説することで文化の進展に寄与する責任と義務を負っている。それでは、何のために大学には学生がいて、教育・研究する行為を継続するのか?それは、公明正大な判断のできる若者に、世界の未来を託すためである。このため、憲法では学問の自由を保障しているのである。この崇高な目的を達成するために、安全・安心で誇りを持って学問する環境の整備は必須である。これは憲法第十二条の要請でもある。
東北大学が謳っている研究第一主義とはこういうことだったのですね。先生という本物に出会えて、私も少しは成長することができたかな…と思います。先生、ありがとうございました。
- ゼロクラ

9号館3階 の仁科辰夫教授の実験室です。 エネルギー化学電気化学)の実験、 化学・バイオ工学実験化学英語Ⅱが開講されています。 化学実験Ⅰ電気化学分野)の予備実験も行われます。


9-300-3#3(3793)
  1 東側から西側を臨む

インキュベータが見えます。卵をかえそうとしているわけではなくて、 電池の充放電を一定の温度で試験するのに使っています。 手前にあるのが乾燥器。ビーカーなどのガラス器具を乾燥します。 メスフラスコのような精度を要求するものは自然乾燥です。 メノウ乳鉢は割れるので絶対に加熱してはいけません。

9-300-3#2(3793)
  2 9号館3階9-300-3北側から南側を臨む

装置や試薬が見えます。 活物質 、炭素材料、分散剤、金属などがあります。

みまもっちゃおリフレッシュ

東側から西側を臨む

CADが使える パソコン

みまもっちゃお

1. 流しのある通路

机1:乾燥機 流し:超音波洗浄機 壁面本棚:炭素材料置き場

2.電子回路工作ある通路

机1:電子部品、スポット溶接機、油圧ジャッキ

3.電子回路工作ある通路

机1:電子部品、スポット溶接機、油圧ジャッキ
机2:圧着用治具

3.測定器のある通路

机3:インキュベータ、顕微サーモグラフィー、ポテンショスタット、充放電装置 ロックインアンプ
キャビネットID=1 キャビネット

4. 測定器のある通路

机3:インキュベータ、顕微サーモグラフィー、ポテンショスタット、充放電装置 ロックインアンプ

5. パソコンのある通路

6. 壁面通路

7. 中央通路

10. 試薬庫A

デジタルハイスコープ 、テレビ、天秤、ソーラートロン、試薬庫A

11. たたみの間

たたみの間

サンプル

現在の山形大学工学部(米沢キャンパス)ライブカメラ映像