HOME 教育状況公表 令和2年11月28日
山形大学  理工学研究科(工学系)  化学・バイオ工学科  立花和宏・伊藤智博

明治43年、旧米沢高等工業学校の設立―産業革命と化学工業の歴史―

ピカッとさいえんす 真空管(前編)
ピカッとさいえんす 真空管(後編)

WebClass 山形大学 教育用アカウント でWebClassにログインし、無機工業化学のコースにメンバー登録をしましょう。( WebClass ユーザマニュアル) メンバー登録が終わったら、出席データを送信しましょう。スマートフォンでは「出欠」をタップ、PCでは左メニューから出席データの送信をクリックします。

工学と理学

先生:「 図書館 行ったことある?」
学生:「ありますよ。」
先生:「工学と理学っていうのは書棚が別なんだよ」
学生:「へえ」
先生:「 10進分類法 で調べてみるとよくわかるけど、化学と工業化学は書棚がちがうんだ。」


「化学」は5から始まる工学と4から始まる自然科学の両方に分類があるでしょ?確認してみよう。
最新工業化学 工場のしくみ のそれぞれの目次で各章に日本十進分類法で番号を割り当てるとしたら何番になるか 教科書に直接記入して、それをご近所さんに見せ、講義ノートに日付・コメント・署名をもらおう。

世界の産業革命

地球が温暖で、人類がまだアフリカに住んでいたころ、ぼくらはすっぱだかだった。 7万年ほど前に最後の氷河期が地球を襲ったとき、衣服を身にまとい、寒さをしのぐ知恵をもった連中だけが生き残った。 そしてその寒さをしのぐ知恵を得たことでアフリカの地を離れ、新しい天地を探し求める旅に出るチャンスを得た。 髪の毛につくアタマジラミと、衣服につくコロモジラミが、分化したのもその頃だ。 してみると衣服の着用こそ人類の文明の始まりと言えなくもない。

衣服の原料となる繊維をどこからとるか? アフリカからそう遠くないナイル川の近くに居を構えた連中は水辺に生えている草を利用して糸を紡いだ。 ユーフラテス川の近くで砂漠を闊歩していた連中はラクダの毛を糸に紡いだ。 乾燥していたガンジス川の近くでは綿毛を使って糸を紡いだ。 遠く揚子江のあたりでは森から飛んできた蛾の繭をほどいて糸を紡いだ。

この蛾の繭をほどいて作る糸から作る絹と呼ばれる布は全く申し分のないほど素敵だった。 きらきらして軽くてなめらかで、誰もがそれに魅了された。 もっともぼくらはその糸がどんなふうに作られるのなんぞ全く知らされずに 旅商人から高値で買い取る王侯貴族の姿を見てただただうらやむばかりだった。

地球

絹の道からヨーロッパに抜けるには地中海を通る必要があった。 旅商人がたちの交易がもたらす富が地中海辺縁に散在する港町に集中し、 何度となく争いごとが繰り返された。 その都度、争いごとを収めるための権力の集中が起こり、その平和の代償としてぼくらは高い税金を払わねばならなくなった。

勝機は常にその陳腐化から抜け出すのに有利な辺境にある。 地中海の辺境にあった国々が大西洋に向かって漕ぎ出だした。 新航路や新大陸が発見され、それまで平らだった地球が丸くなった。 そして太陽は東の地平から登って西の地平に沈むのではなく、地球が太陽の周りを回ることになった。 実はぼくらがアフリカを出発するはるか以前からそうだったのだが、迂闊なことに最近まで気づかなかったのだ。

勝機はやはりその陳腐化から抜け出すのに有利な辺境にある。 ヨーロッパの北の外れに住む富裕層に流行った衣服は、 きらきらしてすけすけで軽い衣服ではなく、ふわふわしてやわらかで暖かな衣服であった。 商売人はガンジス川の近くで取れるこのふわふわの糸の原料が欲しかった。 が、大西洋を通る必要があり、そこには地中海のはじっこの連中があたかも丸い地球は自分たちのものだという顔をして居座っていた。 あいつらを出し抜くにはできるだけ早く大西洋を駆け抜けるための最短経路を割り出す技術が必要だった。

ああやっとこの物語の一番最初たどり着いた。

産業革命

産業革命

最短の航路を割り出す正確な時計と精密な望遠鏡は思わぬ効果をもたらした。 ぼくらは物体の動きを正確に測定し、運動の本質を数式で表現できるようになった。 石炭を燃やすときに出る熱が、何をどれくらい動かせるのか計算できるようになった。 石炭を使うことで大量の ができて、丈夫な鉄の入れ物が大量に作れるようになって、 お湯を沸かした熱で糸を紡ぐことはもちろん、船さえも動かせるようになった。

ガラス

材料の変遷(出典: 野村正勝・鈴鹿輝男 最新工業化学 ―持続的社会に向けて― 講談社サイエンティフィク

人間の欲望には限りがない。 絹の道にからんで地中海に富が集中して何度となく争いが繰り返されたように 今度は列強が市場を求めて大洋に躍り出た。 ありとあらゆる人が住むところを次から次へと食い荒らしていったそのおわりに、 ついに丸い地球の反対側で門を閉ざして安眠をむさぼっていた小さな島国にその矛先が向けられた。 その小さな島国は蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。 さんざんぱら揉めたあげくその連中は自分たちも列強の仲間に入る努力をすることを決めた。

遠くから技術者を呼び寄せ、本を買い、若者を育て、なりふりかまわず吸収しようとした。 ツケが来た。金が無い。絹を売ってなんとかしのいでいたのが危うくなった。 絹の代わりになるものは無いか? 聞けば木材から絹の代用品ができるという。 雪深い田舎町で教鞭をふっていた一人の男がそれにかけた。 資金を集めに国中を歩き回った。 幸運な出会いがあった。 鋭いカンで金をポン出すことのできる器の大きな男との出会いだった。


「秦先生、金の心配は要りません。そのかわり必ず実用化してくださいよ。」
「もちろんです。理論的には絶対できるはずです。」

化学工業の歴史

日本の産業革命

日本の産業革命

黒船の到来に驚いた日本では、明治維新を成し遂げ、欧米の技術の吸収につとめた。

富岡製糸場 撮影許可書
大阪造幣局 で、鉛室法硫酸の製造がはじまった

旧米沢高等工業学校の設立

「人絹って知ってる?」
「人権、って人間の権利?」
「ちがうちがう、 人造絹糸 、つまりビスコースレーヨンのことだよ。実際に 人造絹糸 が製造開始されたのは大正10年ごろからだけどね、山形大学工学部の前身、 米沢高等工業学校 ではもっと前から開発に取り組んでいたんだよ。」

米沢高等工業学校本館にはさまざまな展示品がおいてあります。

重要文化財ガイドブック(案)

WebClass
米沢高等工業学校本館にはさまざまな工業製品が展示されています。 これらの工業製品からひとつ選び、それがなぜ必要だったか、そしてなぜ不要になったのか、議論してまとめなさい。

回答

最新工業化学―持続的社会に向けて―

このページは初学者が気楽に読めるように脚色されています。 実在の人物や団体、史実、用語の厳密な定義などに必ずしも忠実とは限りませんのでご了承ください。


©2020 Kazuhiro Tachibana

このマークは本説明資料に掲載している引用箇所以外の著作物について付けられたものです。


山形大学 大学院 理工学研究科 C1ラボラトリー
〒992-8510 山形県米沢市城南4丁目3-16 3号館(物質化学工学科棟) 3-3301
准教授 伊藤智博
0238-26-3753
http://c1.yz.yamagata-u.ac.jp/

QRコード
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/53202/53202_01.asp

SSLの仕組み

このマークはこのページで 著作権が明示されない部分について付けられたものです。

山形大学 データベースアメニティ研究所
〒992-8510 山形県米沢市城南4丁目3-16
3号館(物質化学工学科棟) 3-3301
仁科・立花・伊藤研究室 准教授 伊藤智博
0238-26-3573
http://amenity.yz.yamagata-u.ac.jp/

Copyright ©1996- 2020 Databese Amenity Laboratory of Virtual Research Institute,  Yamagata University All Rights Reserved.