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電池評価のための交流インピーダンス測定の基礎と応用
機能界面設計工学特論
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電池評価のための交流インピーダンス測定の基礎と応用
【講演概要】
装置の発達はすさまじく、リーズナブルな価格で、誰でも簡単に、電池のインピーダンスを測定できるようになった。でも、測定したデータを、いかに役立てるかとなると、話はそう簡単ではない。装置は、その人の目と手の延長に過ぎないからだ。信頼できるデータを集め、活用していくためには、人のスキルを向上させるほかはない。そのような状況にかんがみ、全体を見渡し、基礎から応用まで、筋道をたてられるスキルの習得をお手伝いしたい。
【受講対象】
電池や電池材料の評価法として、交流インピーダンス法を検討したり、使ったりしているが、理解が十分でないため、いまひとつ活用できず、課題を感じている人。ぜひ、抱えている課題を、お知らせください。ライブ配信を活かし、その場で、いっしょに考えていきたいと思っています。
【習得できる知識】
電池の基礎や電気化学測定法の全体像をつかみ、交流インピーダンス法の応用について理解を深めること。
【セミナー目次構成】
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1.
電気化学の基礎中の基礎
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(10:30~12:00)
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1.1 身近なインピーダンス測定の応用 ―体脂肪計、塩分計―
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1.2 直流と交流、電気抵抗と静電容量 ―電気回路の描き方―
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1.3 回路計とオシロスコープ―電圧、電流、波形の読み取り―
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1.4 電池の仕組みと電気の流れ― 電池式の書き方と電極の種類と呼び方 ―
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1.5 電池の起電力と分解電圧 ―心電図にも使われる銀塩化銀電極―
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1.6 ボルタ電堆からリチウムイオン二次リチウム電池へ-電池の進化と複雑化-
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1.7 リチウムイオン二次リチウム電池―材料と構造―
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1.8 電池内部における電場と電流密度、電気力線
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2.
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電池のインピーダンスと材料物性
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(13:00~14:30)
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2.1 電池の電気抵抗と静電容量の非直線性-電圧、電流、電気量-
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2.2 電池の性能とインピーダンス ―電池の起電力と内部抵抗―
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2.3 電池の形状と電池の性能-電極面積、電極間距離、セル定数―
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2.4 全電池と半電池 ―参照電極を使った測定―
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2.5 バルクと界面 ―等価回路―
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2.6 バルクの物性値― 溶液抵抗と導電率、静電容量と誘電率―
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2.7 界面特性値 ―反応抵抗と反応過電圧、電気二重層容量―
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2.8 固体間接触 ―接触抵抗、固体電解質―
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3. ◇
インピーダンス測定から解析まで
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(14:40~16:10)
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3.1 評価セルの設計-材料評価、構造評価、システム評価-
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3.2 周波数応答と過渡応答 -LCRメーター、FRA、フーリエ変換-
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3.3 電池の直流成分の取り扱いとインピーダンス-セルの接続と測定条件-
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3.4 デジタルノイズとインピーダンス-AD・DA変換とサンプリング精度-
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3.5 サイクリックボルタンメトリーとインピーダンス-電位制御-
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3.6 充放電試験とインピーダンス-電流制御-
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3.7 ボードプロットとコールコールプロット
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3.8 周波数特性と等価回路-ガルバニック過程の取り扱い-
【講師経歴】
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山形大学 工学部 応用化学科 1985年03月,卒業
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山形大学 工学研究科 修士課程,1987年03月,修了
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修士(工学),山形大学,1987年03月
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大日本印刷株式会社,職員(技術系),1987年04月 ~ 1991年03月
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山形大学 工学部 助手 1991
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博士(工学),東北大学,2003年03月
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山形大学 工学部 助教授 2003
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山形大学 工学部 准教授 2007
【活動内容】
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/54299/c1/Extra_Syllabus/2021_R03/20211217.asp