活物質の周辺の電界と電気力線を3D表示してみましょう

機能界面設計工学特論 Web Class 📆 3-3308
山形大学  大学院  物質化学専攻  🔋 C1 📛 立花和宏
🔋 C1 3308

学術情報基盤センター実習端末で 有限要素法ソフトADINAが利用できます。 詳細は、指導教員を通じて 学術情報基盤センター にお問い合わせください。


有限要素法アプリ、アディナ(ADINA)のEMツールを使って、活物質の周辺の電界と電気力線を3D表示してみましょう。

活物質と集電体の電位分布(有限要素法解析)

  1 活物質と集電体の電位分布(有限要素法解析)

電極は不均一混合物です。 電流密度や電界は複雑です。 固体粒子と固体粒子の接触は、点接触になるため、電流が集中します。 そこでは電流密度が大きくなり、集中抵抗が大きな 過電圧を生じます。 ひいては電池の内部抵抗の支配的な要因となり得ます。 よって、電極中の 電流密度や電界の分布 をイメージすることは、電池を設計する上で大切です。

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アディナ(ADINA)の操作画面

  2 アディナ(ADINA)の操作画面

たとえば、微分形の マクスウェルの方程式は、連立偏微分方程式だ。 出てくる物理量は、E は電場の強度、B は磁束密度、D は電束密度、H は磁場の強度、 ρ は電荷密度、j は電流密度だ。編微分をひとまとめにした演算は、ベクトル場の発散(div)と回転(rot)と呼ばれる。 エンジニアはマクスウェルの方程式を自分で編み出す必要はないし、自分で解く必要もない。 ソフトウエアの操作法を覚えて、コンピュータに計算させるだけでよい。

1 )

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💯 課外報告書 Web Class

課外報告書の書き方について

課外 報告書 は、感想文ではありません。 データ の提示方法を工夫することで、 共著者の役割 の感情や思想を創作的に表現してください。 データ は、単なる実験事実や科学的数値です。 しかし、結果は、 著者による創作的な表現であり、 著作物です。

  1. できるだけ短く簡潔に。
  2. 事実をあるがまま(客観的)に。
  3. 感想や思い(主観)を交えない。
  4. 🆖美味しかった。🆖面白かった。
  3 報告書作成の心得
  1. 課題を確認する。
  2. 報告書 の主題(テーマ)を決める
  3. 報告書 の素材( 参考文献データ)を集める 2 )
  1. 報告書構成 (緒言、 方法結果の内容) を考える
    1. 緒言 は、出典の明らかな 出版物 から。参考文献を明記する。
    2. 方法 は、読者が追試できるように具体的に過去形で書く。
      🆖多めのお湯を注いだ⇒🆗1000mL、100℃のお湯を注いだ
      🆖適宜、適量、約
      🆖ゆでて水にさらす⇒🆗ゆでて水にさらした
  2. 著者を確認する 3 )
  3. 本文の執筆(下書き、草稿)をする。
  4. 見直し(推敲)をする。
  5. 清書(脱稿)して、提出(報告)する。
  4 報告書作成と提出の流れ

課外報告書は、学習保証時間8時間を要件とします。 期末にWebClassに提出する 成績評価申請書には、主題の決定から、脱稿までの、それぞれに要した時間も含めてください。 データは、三現主義(現場・現物・現実)にのっとって収集してください。


課外報告書を広く役立てよう

学校教育法第百十三条に、 「大学は、教育研究の成果の普及活用の促進に資するため、その教育研究活動の状況を公表するものとする。」 とあります。

提出して終わり、ではもったいありません。 評価のための提出ではなく、誰かを笑顔にする取り組みにしてみませんか?

取り組んだ内容について、ぜひ、友人、知人、家族など広く伝えて役立てましょう。 また、意見やアドバイスを積極的に取り入れましょう。 査読された内容ではありませんが、 SNSなどで伝えていくこともいいでしょう。 ホームページで公表することも推奨します。 そのやり方は、 情報処理概論の演習を活用してください。 公表にあたっては、ネットストーキングの被害などから身を守る工夫をしましょう。

評価のために提出するだけでは、それを誰かが複製して利用することはありません。 複製して利用する価値があるとき、複製する権利は、著者にあり、それを著作権と言います。

評価を得るために他人の著作物を複製行為は、著者の著作権の侵害となります。 また評価をえなかったとしても、他人の著作物の剽窃行為は、倫理的にいかがなものかと思います。


課外報告書に複数で取り組む場合の注意点

課外報告書に取り組むにあたって、複数人で取り組むことはかまいません。コミュニケーションをとって、チームとしてプロジェクトに取り組んでください。

報告書は、個人の著作物です。 協働でテーマに取り組んでも、ひとりひとりが独立に報告書を作成し、提出してください。

複数人で取り組んだことを明らかにするため、共著者として、共同研究者を書いてください。執筆者(提出者)を筆頭著者としてください。 共著者の役割を明らかにしてください。

慣例にしたがう引用は、かまいませんが、自分が執筆した部分と、共同研究者の著作から引用した部分が、区別できるようにしてください。その部分を、実際に誰が執筆したのか、明らかでないような、引用の仕方(コピペされているのに、誰が書いたかわからないような状態)は、ご遠慮ください。

図や写真は、独立した著作物とみなされます。その場合は、引用ではなく転載となります。たとえば、写真は撮影者に著作権があります。許諾をとったうえで、自分以外の共同研究者が撮影した写真を掲載する場合は、著作権のクレジットを明記してください。もちろん、協働制作物を、それぞれが写真に撮影した場合は、それぞれが、それぞれの写真の著作権を持ちますので、クレジット表記は必要ありません。

著作物とは、著者の感情や思想を、創作的に表現したものです。それを踏まえて、報告書を作成してください。

  1 研究不正(FFP)
項目 説明 事例
捏造 (fabrication) 実験していない データ を、でっちあげて、あたかも実験した データ のように表現してはいけません ディオパン事件 4 ) 5 )
改ざん (falsification)

データ情報を都合のいいように書き換えてはいけません。 で書かれた手書きの 文字は、改竄しづらいです。

盗用・剽窃 (plagiarism) 他人の 論文 やアイディアなどを無断でコピペしてはいけません。 デジタル技術の発達で、コピペが簡単になった分、盗用も簡単になりました。 たとえ、自分の既発表 論文でも、 引用 6 ) ではなくそのまま流用すると「自己剽窃」です。 図表 は、引用ではなく、転載なので原則として、転載許諾が必要です。
二重投稿 一度、公表した内容を使いまわしてはいけません。
不適切な オーサシップ 貢献していないのに、 著者として名を連ねてはいけません。 名義貸しです。名義借りはだめです。 他人の 論文や報告書を、代筆していけません。 *
査読不正 著者が、匿名査読者になりすまして査読してはいきません。 匿名査読者を特定し、査読に影響を与えてはいけません。 査読者が、査読中の論文の内容を、自分の内容として公表してはいけません。 ハゲタカジャーナル、ハゲタカ学会に投稿してはいけません。
不正行為の証拠隠滅 不正行為があったことの証拠を隠滅したり、立証を妨害してはいけません。

* *


課外報告書の配点と取り扱いについて

課外報告書の配点は一律10点加点です。

単位数を2単位とすると、2×30時間が標準学習保証時間です。 最低学習保証時間のほかに、取り組んだ内容1件につき一律10点加点します。 2×30時間を100点満点とし、そこから最低学習保証時間を差し引いて、10点で割ると、 課外報告書の標準的な学習時間が計算できます。 つまり、課外報告書の学習保証時間は、8時間(約1日)です。 十分な時間をかけていない報告書の提出は、不正行為として扱うこともあります。 また課外報告書は、教室でやれない課外活動の報告です。 現場・現実・現物などの実態を伴っていない報告書の提出は、不正行為として扱うことがあります。

予習報告書は、課外報告書として申請できます。 設問ごとに別々の報告とすることはできません。その場合は、二重投稿(自己盗用)の不正行為として扱うことがあります。

成績評価申請書 では、書誌情報、課外報告書の要旨(アブストラクト)、費やした時間(学習保証時間)、かかったコスト、現場・現実・現物のエビデンスなど指定された要件を申告してもらいます。


参考文献


応用物理化学特論

野々村・立花・堀田・木俣

本講義では、界面・表面現象や光イメージングといった物理化学的な現象の工学分野における役割を学ぶ。そこでは、化粧品、医薬品および食品を開発する上で重要な、皮膚、毛髪および粘膜上で起こる界面現象から、電池やコンデンサなどのエネルギーデバイスを中心の機能を効率よく発現させるための界面設計、そして、粉体の分散・凝集に関する粉体表面の物性およびその測定法,さらに様々な表面処理方法等について論ずる。また、光学顕微鏡を用いた光イメージングについて、光学素子の役割、イメージの結像、光の回折限界と空間分解能などについて解説する。多重染色によりさまざまな物質を識別できる蛍光顕微鏡において重要となる蛍光色素および蛍光タンパク質などの蛍光プローブとその利用法について解説するとともに、レーザーマニピュレーション法や近年実用化されたナノメートルの空間分解能を持つ超解像蛍光顕微鏡等の応用例を紹介する。

化学計測・生体情報特論

伊藤(智)・遠藤・齊藤

本講義では、物質の有効活用の観点から、物質や生体が有する情報の取得・解析法に関する内容について解説する。そこでは、物質の分離法および機能発現に関するアプローチ他、呼吸,循環に関する生体情報の計測法や生体計測技術により運動中に得られた生体情報を応用生理学的解釈へ導くための解析法についても紹介する。また、工学分野で生産管理や品質管理で使用される分析機器について、ハードウェアおよびソフトウェア,AD変換などの計測技術について解説し、工場などで使われているライフサイクル管理システムにおける分析機器や分析化学の位置づけ,ラインモニタリング技術に対する理解を深める。小型・軽量化が進むセンサーやその周辺の電子回路,AD変換器,マイコン制御についても解説し,IoT(Internet of Things)やIoE(Internet of Everything)を目指した周辺技術など最近のトピックも紹介する。


  1. 高電場機構とアルミニウムのアノード酸化
  2. 不定比化合物半導体とノンストイキオメトリー
  3. 降伏現象と電子雪崩
  4. 電池活物質材料と電解液界面
  5. 集電体と電極合材との接触抵抗
  6. 導電助材と二次元電気伝導
  7. 導電性高分子と一次元電気伝導
  8. ショットキー障壁と電位プロファイル
  9. 電池反応場としての三相界面とコンタクトライン長さ
  10. 有機溶媒とオートプロトリシス
  11. 高電場による高分子の配向分極
  12. 電極界面形状と電場集中
  13. アルミ電解コンデンサ
  14. リチウムイオン二次電池
  15. エネルギーデバイスと機能界面

R03

17 機能界面設計工学特論 2 講義 1 〇 機能界面設計工学を応用する能力を身につける科目である。 機能界面設計工学に関する専門知識を身につけ、それを応用することができる。 〇 〇 教育課程の編成・実施方針(CP) 1物質化学工学に関する高度な専門職従事者としての知識と技能を体得するために体系的に構成されたカリキュラムを編成する。 2物質化学工学の応用力を養う授業科目を配置する。 〇3産業の現場、各種研究施設又は他専門分野の研究室において、工学に対する視野を広め、問題提起・解決能力を養う授業科目を配置する。 4専門的かつ多面的な考察を通して物質化学工学分野に関する論文を執筆できるべく、適切な助言・指導を行う。 学位授与方針(DP) 〇R1応用化学、化学工学及びバイオ工学に関わる幅広く深い知識とそれらを応用する能力を身に付けている。 〇R2科学技術に関する知識・情報を的確に把握する能力と記述力、発表と討論の能力及び国際的な情報収集能力を身に付けている。 3生涯にわたって自発的かつ継続的に学習できる能力を身に付けている。 4現在の社会状況を理解し、取り組むべき課題等の判断及び行動ができる。 5物質化学工学分野において、高度な専門知識を身に付け、自ら創造性を十分に発揮し、課題解決を先導できる能力を身に付けている。 6考察、検証及び議論を通して多元的に物質化学工学に関する研究を進め、工学の発展に寄与する学位論文を執筆できる。" 2018_H30

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管理運用 山形大学 学術情報基盤センター

🏫 学問の自由 は、心の自由。 大学では、精神は自由であらねばならない。(松木健三)
名称:C1ラボラトリー
URL:🔗 https://c1.yz.yamagata-u.ac.jp/
管理運用
山形大学 工学部 化学・バイオ工学科 応用化学・化学工学コース
C1ラボラトリー ( 伊藤智博立花和宏 ) @ 米沢

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