✍ 指示値と測定値について考えよう

下記の表の分析法の中から、機器分析をひとつ選びましょう。

得られるデータ(数値)の具体的なチャート(スペクトル、グラフなど)を検索し、その概略を書き写しましょう。 次に得られるチャートの縦軸と横軸(あるいは動径と偏角など)の を確認しましょう。 を繰り返しなし(標本数1)として 具体的な指示値読み取り、 数値と 単位 を仮定しましょう。

具体的な測定装置を検索し、その 精確さ確度 )、 分解能 1 ) などを確かめましょう。

有効数字 2 ) や単位接頭辞も含め、指示値を 無校正の測定値として、どのように表現すべきか議論しましょう。

  1 エネルギー の種類と分析法
エネルギー 分析法
💪力学 MS、ICP-MS、粘弾性測定
⚡電気 CV (電気化学分析) 、EIS、ポーラログラフィ、 SEM、TEM、EDS(EDX)
🌟光 FT-IR、AAS、UV-VIS、ICP-AES(ICP-OES) XPS(ESCA)、 NMR、ESR,XRD、X線CT、蛍光X線 オージェ分光、ラマン分光
🔥熱 TG/DTA、DSC
🧪化学 滴定、重量分析、LC、GC、GC-MS

機器分析: 情報エネルギー物質

化学分析: 情報物質物質

山形大学実験機器共同利用 山形県工業技術センター 宮城県産業技術センター 福島県ハイテクプラザ

交流インピーダンス法(EIS)を選んだ。 得られるチャートは、コールコールプロット(ナイキストプロット)でたとえば、下記のようになる。

  1 コールコールプロット(ナイキストプロット)
©K. Tachibana

python では、複素数が使えるので、短いプログラムでコールコールプロットのシミュレーションができます。

図の具体的な指示値の数値として、周波数1000Hzのときの インピーダンス1500Ω(動径)、位相角30度(偏角)を仮定した。

装置として インピーダンスアナライザ IM3590 を選んだ。確度計算がHPに公開されていたので、 そこに1500と30を入力し、 MIN=1496.4、MAX=1503.6、 MIN=29.84、MAX=30.16を得た。

よって繰り返し無し(標本数1)の周波数1000Hzのときの測定値を、 1.5kΩ(1.5×103Ω)、 30度とした。


測定の信頼性と用語

  2 測定の信頼性と用語
用語 定義 備考
誤差 error
偶然誤差 random error 反復測定において、予測が不可能な変化をする測定誤差の成分
系統誤差 systematic error 反復測定において、一定のままであるかまたは予測可能な変化をする測定誤差の成分
ばらつき dispersion 測定値がそろっていあいこと。また、ふぞろいの程度。 偶然誤差とほぼ同義。
かたより bias 測定値の期待値と真値の差 系統誤差とほぼ同義。
不確かさ uncertainty 測定値に付随する、合理的に測定対象量にむすびづけられる値の広がりを特徴づけるパラメータ 知識の曖昧さも含む
反復 replicate 同一の測定対象量に対する測定を複数回行うこと 測定条件が同一かどうかによらない。 実験計画法では、ブロック単位での実験を指す。
繰り返し replicate 同一の測定対象量に対する測定手順、オペレータ、操作条件、場所が同一の、短期間での測定の反復 操作条件は、因子。繰り返し数は、標本数に相当する。
再現性 reproducibility 測定の再現条件下での測定の精密さ
精密さ precision 精度。 ばらつきの小ささを表す。
精確さ accuracy 確度
測定値 規定された測定手順に実施によって得られる 測定を反復するときは、個々の値、もしくは代表値(平均値や中央値など)のいずれも測定値と呼ぶ。
指示値 測定器が提示する

3 ) 4 )


校正と測定の関係

  3 校正と測定の関係
段階 作業内容
校正 第一段階 測定標準を測定し、 それに対する 指示値 を得る。 測定標準(付与値)に対する 指示値 を得る。
第二段階 真値を 測定したときの、 指示値 から、 真値を推定する校正式(検量線)を確立する。
測定 第一段階 値を知りたい対象を測定し、 指示値 を得る。
第二段階 指示値 を 校正式に代入し、真値の推定値を得る。

調整とは、校正情報を使って、測定器が真値を示すように測定装置そのものに変更を加える作業です 5 )


校正の種類と想定関係式

  4 校正の種類と想定関係式
校正の種類 想定関係式 校正の考え方
無校正 指示値 をそのまま 測定値 とする
零点校正 零点の 指示値 の平均でαを推定する。
1次式校正 回帰分析 を使って、定数の校正と傾きの校正を同時に行う。


👨‍🏫 ワークショップについて

ワークショップを楽しみましょう 6 ) 。 グループ人数は、5〜6名とします。 7名を超えないようにしてください。

初対面の場合は、自己紹介をしましょう。 雑談をして、アイスブレイクしましょう。

リーダー(司会進行)を決めてください。 そのほかのメンバーの 役割(記録係、資料作成係、プレゼンター( 登壇者))を決めてください。

グループ名を決めてください。

記録係は、試験答案用紙表面の最上部に、授業科目名、グループ名を記入してください。 メンバーは、記録係に従い、学籍番号、氏名、役割を直筆署名してください。 その際、 筆頭著者を登壇者の氏名の前に〇をつけてください。

討論を開始したら、記録係は討論の内容を裏面に記録してください。

討論がまとまったら、資料作成係は、試験答案用紙表面グラフィカルアブストラクト に表現してください。

グラフィカルアブストラクトを撮影し、WebClassにアップロードしておくと復習に便利です。

登壇者は、プレゼンテーションのイメージをしましょう 7 ) メラビアンの法則を意識して、 非言語表現も工夫しましょう 8 )

グループ名が指名された後で、じゃんけんなどで登壇者を決めるのは、授業進行の妨げとなりますので、 必ず、討論前に 登壇者を決めてください。

記名だけして、討論に参加しない場合、不正行為として扱うことがありますので、必ず討論に参加してください。 自分から参加できなそうな人には、積極的に声がけをお願いします。 期末の 成績評価申請 時に、グループ名やメンバー、討論の内容を思い出せるよう、答案用紙を撮影することを推奨します。

ランダムにグループを指名し、壇上で、 プレゼンテーションしてもらいます 9 ) 。 質疑応答の際も、グループを指名しますので、指名されたグループのプレゼンターが質問、コメント、アドバイスをしてください。 ディベートとしての反対意見は、大歓迎です。

資料作成係は、討論の内容をポスターとして、試験答案用紙の裏面にまとめてください。 資料作成係に従って、他のメンバーが代筆してもかまいません。

*

✍ 平常演習

平常演習の配点と取り扱いについて

平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、学期末に WebClass成績評価申請書 に申告していただき集計します。

授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みます。 WebClass への提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。

WebClass への平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、 成績評価申請書 に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。

成績評価申請書 では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClass に提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 10 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。


参考文献


QRコード
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/53225/_99/q_159_QC_08.asp
名称: 教育用公開ウェブサービス
URL: 🔗 https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/
管理運用 山形大学 学術情報基盤センター

2024年1月21日 松木健三名誉教授がご逝去されました。

名称:C1ラボラトリー
URL:🔗 https://c1.yz.yamagata-u.ac.jp/
管理運用
山形大学 工学部 化学・バイオ工学科 応用化学・化学工学コース
C1ラボラトリー ( 伊藤智博立花和宏 ) @ 米沢

© 2002 -2024 T.Ito , K.Tachibana * , C1 Lab. ALL RIGHTS RESERVED.