灰汁抜きを活用した料理をひとつ選び、実際に作って、食べて、 報告書にまとめましょう。 なぜ、その料理を選んだか(緒言)、どのように調理したか(方法)、食べてみてどうだったか(結果)、 なぜそのような食感になったのか(考察)を含めて書いてみましょう。
米沢は、寒いので稲作をしていませんでした。 雪に適応した広葉樹林から、どんぐりなどをひろって鍋(ポット)で煮て食べていました。 でもどんぐりは渋い(シュウ酸)苦いので、灰(アッシュ)を使って中和して食べていました。
ポットとアッシュを使った料理を、ポタージュと言います。 カリウムは英語では、ポタシウムと言います。 アルカリはアラビア語で、灰を意味する言葉です。
山菜を食べるときは、ゆでこぼすので、中和した塩を気にしなくてかまいませんが、 タケノコの場合は、それでは煮汁もいただくので、それでは困ります。 不溶性のカルシウム塩にするため、カルシウムの多い米ぬかを中和に使って、沈殿させました。
こんにゃくはさらに、凝固させて食べるので もっともpHが大きく、カルシウムを含む、そばがらの灰を使って、中和させます。 (現代では、石灰)
ちなみに、花咲か爺さんがまく、灰。 土壌のpHをアルカリ性にして、 肥料の三要素、窒素、リン酸、カリの、カリウムを与えていたんですね!
実際の調理では、
安全第一 でお願いします。 調理の際は、安全に、食中毒など起こさないよう知識を身につけましょう。 この設問は、課外報告書のテーマのひとつで、課題(やらなければならないこと)ではありません。 ワラビなどは、灰汁抜きが不十分だと、お腹を壊すことがあります。 また、山菜を採取するところから始めるときは、さらに知識を身につけましょう。 家庭菜園といえども油断できません。毎年死亡事故が起きています。 安全に自信が持てないときは、ほかのテーマを選びましょう。
💀山菜の中毒事故 💀不十分な灰汁抜き
この課題では、調理に
灰汁抜きが必要な山菜:ワラビ、ゼンマイ、フキ、タケノコなど
灰汁抜きが不要な山菜:ウコギ、ウルイ、コゴミ、ギョウジャニンニクなど
課外 報告書 は、感想文ではありません。 データ の提示方法を工夫することで、 共著者の役割 の感情や思想を創作的に表現してください。 データ は、単なる実験事実や科学的数値です。 しかし、結果は、 著者による創作的な表現であり、 著作物です。
課外報告書は、学習保証時間8時間を要件とします。 期末にWebClassに提出する成績評価申請書には、主題の決定から、脱稿までの、それぞれに要した時間も含めてもらます。 データは、三現主義(現場・現物・現実)にのっとって収集してください。
学校教育法第百十三条に、 「大学は、教育研究の成果の普及活用の促進に資するため、その教育研究活動の状況を公表するものとする。」 とあります。
提出して終わり、ではもったいありません。 評価のための提出ではなく、誰かを笑顔にする取り組みにしてみませんか?
取り組んだ内容について、ぜひ、友人、知人、家族など広く伝えて役立てましょう。 また、意見やアドバイスを積極的に取り入れましょう。 査読された内容ではありませんが、 SNSなどで伝えていくこともいいでしょう。 ホームページで公表することも推奨します。 そのやり方は、 情報処理概論の演習を活用してください。 公表にあたっては、ネットストーキングの被害などから身を守る工夫をしましょう。
評価のために提出するだけでは、それを誰かが複製して利用することはありません。 複製して利用する価値があるとき、複製する権利は、著者にあり、それを著作権と言います。
評価を得るために他人の著作物を複製行為は、著者の著作権の侵害となります。 また評価をえなかったとしても、他人の著作物の剽窃行為は、倫理的にいかがなものかと思います。
課外報告書に取り組むにあたって、複数人で取り組むことはかまいません。コミュニケーションをとって、チームとしてプロジェクトに取り組んでください。
報告書は、個人の著作物です。 協働でテーマに取り組んでも、ひとりひとりが独立に報告書を作成し、提出してください。
複数人で取り組んだことを明らかにするため、共著者として、共同研究者を書いてください。執筆者(提出者)を筆頭著者としてください。 共著者の役割を明らかにしてください。
慣例にしたがう引用は、かまいませんが、自分が執筆した部分と、共同研究者の著作から引用した部分が、区別できるようにしてください。その部分を、実際に誰が執筆したのか、明らかでないような、引用の仕方(コピペされているのに、誰が書いたかわからないような状態)は、ご遠慮ください。
図や写真は、独立した著作物とみなされます。その場合は、引用ではなく転載となります。たとえば、写真は撮影者に著作権があります。許諾をとったうえで、自分以外の共同研究者が撮影した写真を掲載する場合は、著作権のクレジットを明記してください。もちろん、協働制作物を、それぞれが写真に撮影した場合は、それぞれが、それぞれの写真の著作権を持ちますので、クレジット表記は必要ありません。
著作物とは、著者の感情や思想を、創作的に表現したものです。それを踏まえて、報告書を作成してください。
項目 | 説明 | 事例 |
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捏造 (fabrication) | 実験していない データ を、でっちあげて、あたかも実験した データ のように表現してはいけません | ディオパン事件 3 ) 4 ) |
改ざん (falsification) | ||
盗用・剽窃 (plagiarism) | 他人の 論文 やアイディアなどを無断でコピペしてはいけません。 デジタル技術の発達で、コピペが簡単になった分、盗用も簡単になりました。 たとえ、自分の既発表 論文でも、 引用 5 ) ではなくそのまま流用すると「自己剽窃」です。 図表 は、引用ではなく、転載なので原則として、転載許諾が必要です。 | |
二重投稿 | 一度、公表した内容を使いまわしてはいけません。 | |
不適切な オーサシップ | 貢献していないのに、 著者として名を連ねてはいけません。 名義貸しです。名義借りはだめです。 他人の 論文や報告書を、代筆していけません。 * | |
査読不正 | 著者が、匿名査読者になりすまして査読してはいきません。 匿名査読者を特定し、査読に影響を与えてはいけません。 査読者が、査読中の論文の内容を、自分の内容として公表してはいけません。 ハゲタカジャーナル、ハゲタカ学会に投稿してはいけません。 | |
不正行為の証拠隠滅 | 不正行為があったことの証拠を隠滅したり、立証を妨害してはいけません。 |
課外報告書の配点は一律10点加点です。
単位数を2単位とすると、2×30時間が標準学習保証時間です。 最低学習保証時間のほかに、取り組んだ内容1件につき一律10点加点します。 2×30時間を100点満点とし、そこから最低学習保証時間を差し引いて、10点で割ると、 課外報告書の標準的な学習時間が計算できます。 つまり、課外報告書の学習保証時間は、8時間(約1日)です。 十分な時間をかけていない報告書の提出は、不正行為として扱うこともあります。 また課外報告書は、教室でやれない課外活動の報告です。 現場・現実・現物などの実態を伴っていない報告書の提出は、不正行為として扱うことがあります。
予習報告書は、課外報告書として申請できます。 設問ごとに別々の報告とすることはできません。その場合は、二重投稿(自己盗用)の不正行為として扱うことがあります。
成績評価申請書では、書誌情報、課外報告書の要旨(アブストラクト)、費やした時間(学習保証時間)、かかったコスト、現場・現実・現物のエビデンスなど指定された要件を申告してもらいます。
2024年1月21日 松木健三名誉教授がご逝去されました。