炭素材料DIABLACK I1)は炭素が無限の同素体を持ちえるために非常に多岐にわたります。表面に酸素があるため、EDLCに組んでCVを測定すると界面分極のほかに配向分極の存在が見てとれることがあります。配向分極はバインダー樹脂や分散剤の種類によってその大きさが変化します。この表面の酸素は非極性のカーボン表面に局所的に極性を与え活物質との電子授受のサイトを構成するのに一役買います。表面に酸素は不対電子を供与するものとそうでないものがあります。不対電子を供与する酸素はESRによって測定することができます。不対電子を供与する酸素をもつカーボン材料はアノード分極時の過電圧が小さくなり過充電による電解液の劣化を引き起こす可能性があります。表面の酸素が少ないとカーボンの表面は非極性となり有機分子が配向吸着するようになります。このようなカーボンは負極活物質として有効ですが、導電助材としては間に介在する有機分子がカーボンと活物質の電子授受を阻害するばかりでなく、配向吸着した有機分子同士のπ電子の重なりから電流リークが起き、カソード分極時の電解液の劣化につながる可能性があります。
アセチレンブラック2)は、アセチレン(C2H2)を燃焼してそのススからから作るカーボン材料です3)4)。
まきは、2010年に、それまでの研究を液晶場をプローブとした炭素材料表面の評価(仮)というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業した液晶場をプローブとしたリチウムイオン二次電池負極カーボン材料選びの最適条件の解析7)。
たかつかは、2010年に、それまでの研究をESR法によるバルブメタルアノード酸化皮膜酸素欠損の評価というテーマで修士論文としてまとめ、山形大学を卒業したエネルギーデバイス材料の電気伝導性に関する研究8)。
ふみとは、2010年に、それまでの研究を炭素表面官能基が電極内部抵抗におよぼす影響(仮)というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業したリチウムイオン二次電池電極合材スラリー中炭素粒子分散剤に関する研究9)。
2009-05-28 炭素分散液の評価
【関連講義】
無機工業化学,炭素材料(セラミックス)炭素材料(セラミックス)-共有結合結晶-10)
卒業研究(C1-電気化学2004~),導電助材導電助材(導電助剤)11)
導電助材|導電助材12)
ITO|ポリイミド|液晶分子|炭素材料(界面)ITO|ポリイミド|液晶分子|炭素材料(界面)13)
卒業研究(C1-電気化学2004~),集電体と合材の密着性と接触抵抗14)
【関連書籍】
- (1) DIABLACK I, 仁科研究室(南東側)たたみ部屋, 仁科 辰夫, (2005).
- (2) アセチレンブラック, 3-3303 C1講座(磁気共鳴計測グループ測定, 尾形 健明, (2005).
- (3) 実教出版.
サイエンスビュー化学総合資料
. 実教出版, 2005. . - (4) 数研出版編集部.
視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録
. 数研出版, 1998. . - (5) デンカブラックIC-3, 仁科研究室(南東側)たたみ部屋, 立花 和宏, (2003).
- (6) ケッチェンブラックEC600JD, 9号館:9-300-3 仁科辰夫研究室, 立花 和宏, (2011).
- (7) 液晶場をプローブとしたリチウムイオン二次電池負極カーボン材料選びの最適条件の解析
森田 茉季, 山形大学 物質化学工学科, 卒業論文 (2010). - (8) エネルギーデバイス材料の電気伝導性に関する研究
高塚 知行, 山形大学 物質化学工学科, 修士論文 (2010). - (9) リチウムイオン二次電池電極合材スラリー中炭素粒子分散剤に関する研究
佐藤 史人, 山形大学 物質化学工学科, 卒業論文 (2010). - (10) 立花 和宏.
無機工業化学:炭素材料(セラミックス)-共有結合結晶-
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=2598. (参照2007-04-01). - (11) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):導電助材(導電助剤)
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=1670. (参照2007-08-29). - (12) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):導電助材|導電助材
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=2069. (参照2008-03-08). - (13) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):ITO|ポリイミド|液晶分子|炭素材料(界面)
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=2984. (参照2009-11-02). - (14) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):集電体と合材の密着性と接触抵抗
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=3972. (参照2012-06-07). - (15) 野村正勝・鈴鹿輝男.
最新工業化学―持続的社会に向けて―
. 講談社サイエンティフィク, 2004. . - (16) 大谷杉郎.
炭素・自問自答
. 裳華房, 1997. . - (17) 大谷杉郎.
炭素・自問自答
. 裳華房, 1997. . - (18) .
. , 1. .
- (19) 堂山昌男・山本良一.
セラミック材料
. 東京大学出版会, 1986. . - (20) 芳尾真幸、小沢昭弥.
リチウムイオン二次電池-材料と応用-第二版
. 日刊工業新聞社, 1996. .