無機工業化学

置賜広域行政事務組合事業系ごみ米沢市ごみの分別区分表 に掲載されている工業製品からひとつ選びましょう。 その工業製品のサプライチェーンを辿ってみましょう。

サプライチェーンを上流へ辿っていくと、たくさんの支流があることがわかります。 たとえば、自動車や住宅は2万点の部品、部材からなると言われています。 それらの支流の中から、ひとつ以上を選び、 天然資源にたどりつくまで、遡りましょう。

サプライチェーンを下流へ辿っていくと、リサイクルで上流に戻ることがあります。 たとえば、スチール缶やアルミ缶は、鉄鋼やアルミの生産の原料になります。 再び下流へ辿っていき、最終処分場環境放出にたどりつくまで、下りましょう。

サプライチェーンを辿ると、材料、素材、部品、製品で数え方が変わります。 部品や製品が「個」や「台」のように計数単位なのに対して、 資源や最終廃棄物は、質量「トン」や体積「リットル」のように計量単位となります。 サプライチェーンの途中で計量や計数の単位がどう変わるかも調べましょう。

また、選んだ工業製品を製造するための、設備や装置についてのサプライチェーンについても併せて調べましょう。

サプライチェーンをモノが流れる過程で、エネルギーがどう使われるか、また設備の老朽化なども踏まえて、 その工業製品のサティスナビリティ(持続可能性)について議論してみましょう。


例)

工業製品として 本を選んだ。 米沢市のごみの分別表では、本は、紙製の箱、包装紙、カレンダー、 ノート類、封筒、ボール紙とともに雑誌に分類される。

本を数える単位は「冊」で計数単位なので、本は原材料ではなく、工業製品である。

本のサプライチェーンを上流へ遡る。

本は、本文、表紙、ノドなどからなる-。 本文の単位は「頁(ページ)」であり、表紙の単位は「枚」である。これらは数えることができる計数単位なので、本文、表紙、ノドなどは部品である。

次に本文は、主にロール紙とインクからなる。 ロール紙や、インクはを購入するときの単位は、「巻」や「缶lであり、工業製品であるが、 本文を印刷するときに使うロール紙やインクの量は、「メートル」や「リットル」数えることができない計量単位なので、材料である。

ロール紙(巻)は、製紙工場から、印刷工場に納品される。 ロール紙の原料は、 木材(天然資源)「トン」である。

インクの原料は、 着色材(顔料や染料)とワニス(ビヒクル」である。 顔料の原料はカーボンブラック「トン」である。カーボンブラックの原料は、石油(天然資源)「リットル」である。 ワニスの原料は、溶剤と樹脂であり、それらの原料は、ともに石油(天然資源)「リットル」である。

原価計算では、直接材料費、買入部品費は、変動費として計上される。

本の製造に使う設備も工業製品である。 印刷機「台」である。 印刷機は印刷機メーカーで作られる。多くの部品(個)からなり、部品の主な素材は鋼板「枚」である。その原料は鉄鉱石(天然資源)「トン」である。

原価計算では、製造機械は、減価償却費として計上される。 減価償却費は固定費であり、固定費には、水道光熱費も含まれ、それらは水資源やエネルギー資源にたどり着く。

本の製造は、製本メーカーや印刷メーカーが、出版社からの発注を受けて請け負う。出版社は、書店を通じて、顧客に本を販売する。

本のサプライチェーンを下流へ遡る。

不要になった本には、まだ価値が残っている。 古紙類「トン」として、トイレットペーパーの原料にされる。 廃棄物と有価物は違う*

古紙類は有価物であり、製紙メーカーが、材料として購入し、再びトイレットペーパーという工業製品として、サプライチェーンに流れることになる。 顧客に購入された、トイレットペーパーは、消費され、下水に流される。 下水処理場の、汚泥として分離される。 その 脱水汚泥は、 肥料・土壌改良剤やセメントの原料となる。 それらも不要となると価値がなくなり、産業廃棄物として最終処分場に貯留される。

本は、電子書籍への置き換えが進んでいる。 電子書籍は、スマホなので、どこでも簡単に情報にアクセスできる反面、情報を維持するために、大量のエネルギーを消費している。 本は、百年単位の時間を、ほとんどエネルギーを消費することなく、情報を維持できる。 そう考えると、本はサティスナビリティがあると言える。


  1 米沢キャンパス から排出される 事業系ごみ
分類 対象物
資源物 可燃リサイクルごみ 🏞 コピー用紙・新聞紙・ダンボール・雑誌・ 🏞発泡スチロール 金曜日のみ 学内限定
食品廃棄物
木くず 伐採枝、木製家具
一般廃棄物 🏞 可燃ごみ 生ごみ類、紙くず類
🏞 不燃性ごみ 金属類(針金、スプレー缶など)/小型の電気製品(アイロンなど)/ ガラス類(コップ、ガラスなど)/CD、DVDなどの磁気ディスク/陶磁器、傘、ペン類、ライター
🏞 粗大ごみ 机、椅子、書棚、キャビネット、ロッカー等の 什器類
🏞 粗大ごみ 🚂 パソコンに係る周辺機器( 🚂 ディスプレイ等)、実験装置、家電リサイクル法対象外の電気機器(電気ストーブ等)
🏞 粗大ごみ 🚂 パソコン(ハードディスク内蔵のもの)、 ハードディスク、家電リサイクル法対象物( テレビエアコン * ・洗濯機・冷蔵庫)
産業廃棄物 実験廃棄物 隔週金曜日

不要なものを捨てる 赤札作戦は、5S活動の第一歩。

民間では、不要図書の ブック・エコなどのサービスも。

3 )

  2 米沢キャンパス から排出される 実験廃棄物
分類 対象物
有害ゴミ 蛍光管 水銀 を含む電池 など
実験廃棄物 放射性物質 PCB 石綿(アスベスト) 発火性引火性物質 アルカリ金属 爆発性物質 健康障害を引き起こす化学物質
廃液 (a)無機系廃液 (b)写真廃液(現像液、定着液) (c)有機系廃液 (d)難燃性有機廃液(含ハロゲン) (e)廃油(機械油、植物油など) (f)シリコンオイル
固形廃棄物 溶剤に溶けるものは、無機・有機廃液とする。
産業廃棄物 試薬瓶・缶 廃プラスティック類 シリカゲル・アルミナ ガラス器具(一斗缶) 金属片・ワイヤー 電線 など 病原性徴生物による汚染物質 ガラス器具は、一斗缶に入れる ほかは透明ビニールの袋で研究室を記名 4号館北東玄関脇、月末金曜日

人、カネ、モノ、情報のサプライチェーン

  1 人、カネ、モノ、情報のサプライチェーン
© K.Tachibana

製品、農畜水産物、 天然資源は、組み立て、加工、管理されて、製品やサービスとなる。この人、 カネ、モノ、情報の流れをサプライチェーンと言います 6 ) 。 製品やサービスに売り手と買い手がつけば、商品となる。

サービスは、モノとしてのカタチがなく、ためておけず、供給と消費が同時でないなどの特徴がある。


地球規模のサプライチェーン

  2 地球規模のサプライチェーン
© K.Tachibana

資源から、 廃棄物まで。 ヒト、 カネ、モノ、情報のサプライチェーンを地球規模で。


✍ 平常演習

平常演習の配点と取り扱いについて

平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、期末にWebClassの成績評価申請書に申告していただき集計します。

授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みますので、 WebClassへの提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。

WebClassへの平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、成績評価申請書に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。

成績評価申請書では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClassに提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 7 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。


参考文献


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https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/53202/_07/q_078.asp
名称: 教育用公開ウェブサービス
URL: 🔗 https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/
管理運用 山形大学 学術情報基盤センター

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名称: サイバーキャンパス「鷹山」
URL: 🔗 http://amenity.yz.yamagata-u.ac.jp/
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