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🗒️ 「アルハンブラの想い出」の思い出

⇒#2923@研究ノート;

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関係者(共同研究者)

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「アルハンブラの想い出」の思い出

立花 和宏

ギターの名曲「アルハンブラの想い出 - Recuerdos De La Alhambra -」がタレルガによって作曲されたのはローマン音楽の時代である。大体バッハ以前の音楽を前古典音楽、バッハからベートーベンまでの音楽を古典音楽、ベートーベンからチャイコフスキーまでの音楽をローマン音楽、それ以降を近代音楽、20世紀以降を現代音楽と呼んでいる。ローマン時代の楽器音楽といえば、ピアノによる激しいリズムと複雑な和音が主流であり、ギターのように音量が少なく和音が簡易な楽器は時代に取り残されていった。そんな時代にあってローマン音楽の本質、すなわち音色という概念をギターに始めて取り入れ最高の音楽に仕上げてみせたのがタレルガであった。

ギターは弦を弾いて音を出すもっとも原始的な楽器である。弦を叩く構造を発展させ表現力を増していったのはピアノであり、弦を弓で弾くスタイルで音色を追求したのがバイオリンである。そんなローマン時代にあってタレルガは原始の形態を保つギターにおいて、その音色の美しさを追求するため、運指やポジションの指定を楽譜に取り入れた。極論すれば古典時代の曲を演奏するなら、音程とリズムさえあっていれば、どのポジションで演奏しても間違いにはならない。しかし、ローマン時代のタレルガの作品を指定されていないポジションで演奏したら、雰囲気がぶち壊しとなる。ここが古典音楽とローマン音楽の本質的な大きな相違点である。

曲の形式は、三部部分に似ているが、通作形式と呼ばれる形式である。冒頭はAm(エーマイナー)の和音から始まるが、ここでタレルガはメロディーラインのミの音程に②弦を指定している。もともと透明感のあるAmの和音に倍音の少ないピュアな音色を組み合わせることでさらに透き通った海のような感じを表現している。そして転調。A(エーメジャー)の和音で冒頭部分とまったく同じフレーズを繰り返しておきながら、こんどは同じメロディーラインのミの音程に開放弦を指定している。華麗なAの和音に倍音の多いリッチな音色を組み合わせることで、イスラム様式のアルハンブラ宮殿が一気にその壮大な姿を現す。しかしながら、これだけ細かく音色を指定しているにも関わらず、強弱や曲想の指定に関しては、冒頭たった2小節のデクレシェンド・クレシェンドと曲のエンディングのピアニシモだけである。あとは一切強弱記号がない。「オレは最高のお題を準備した。オマエならどう演奏する?」というタレルガの強烈なメッセージがひしひしと演奏者に伝わってくる。

この曲と出会ったのは小学校の4年生のころ。同級生の母親から「素敵なギターのレコード買ったらから聞きにこない?」と誘われたのがきっかけである。ギターなんてジャカジャカさがわしい楽器だなあと思っていただけに、鮮烈な思いでギターという楽器を再認識したことを覚えている。この曲と再びであったのは中学校の2年生。音楽の授業の時間に名曲鑑賞の時間があって、「ああ、自分はこの曲が弾きたいんだ」と強く思った。以来、師を探し求め、基礎から練習をやりなおし、なんとか弾けるようになった。そんな頃、高校の入学祝いに母に買ってもらったフェルナンデスのギターは今でもぼくの宝物である。トレモロの一粒一粒をきらめくダイヤモンドのように磨きたてようと思ったのは大学生の頃。結局磨き残して不揃いの石ころになってしまった。すでにぼくにはもう一度磨きなおす時間も能力もなくなってしまったのだが、親愛なる後輩にその苔むした石ころを並べてみせるのも悪くないと思うようになった。

ギター上達に必要な事柄を溝淵浩五郎氏のカルカッシ・ギター教則本から要約してみよう。まずは良師の選択。万一指導者をあやまった場合、上達はおろか邪道に引き込まれ、あたら一生を棒に振ってしまう。物事は最初が肝心なのである。自信とうぬぼれ。何事においても自信を失ったが最後成功は望めなくなってしまう。しかしうぬぼれすなわち慢心は芸を滅ぼす。そしてうまい演奏は必ずしもよい演奏とは言えない。無知蒙昧な輩から喝采を博したところで喜びも幸せもない。よい演奏とは立派な教養と、音楽の中に哲学も宗教も詩もあるものを言う。だからこそ音楽をわかりあえる友達に出会え、その喜びを分かち合えるのである。溝淵浩五郎氏は教則本の中で、人物完成の努力こそもっとも必要である、と結んでいる。至極もっともと思う。

ぼくはこの曲とギターに出会うことができて幸せだった。

冒頭Am(エーマイナー)、メロディーラインのミの音程にピュアな音色の②弦を指定。

転調A(エーメジャー)、メロディーラインのミの音程にリッチな音色の開放弦を指定。

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西暦と元号

表   1 西暦と元号
西暦 令和 🔷 平成 🔷 昭和 🔷 大正 🔷 明治
2011 R-7 H23 S86 T100 M144
2012 R-6 H24 S87 T101 M145
2013 R-5 H25 S88 T102 M146
2014 R-4 H26 S89 T103 M147
2015 R-3 H27 S90 T104 M148
2016 R-2 H28 S91 T105 M149
2017 R-1 H29 S92 T106 M150
2018 R0 H30 S93 T107 M151
2019 R1 H31 S94 T108 M152
2020 R2 H32 S95 T109 M153
2021 R3 H33 S96 T110 M154
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◇ 参考文献


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