語釈1.
自分以外。注目する物質のまわりの雰囲気。温度 T 〔K〕や空気の状態など。人間を構成する物質やエネルギーが存在する空間以外の空間。特に地球の生活空間をさします。環境にやさしい化学をグリーンケミストリーといいます1)。
でも環境を守るには大量の物質を廃棄し、大量のエネルギーを消費する人間の生活そのものも見直していかなければならないかもしれません。それは便利さを犠牲にすることでもあります。たとえばフロンは優れた特性をそなえた化合物で、半導体の洗浄や冷蔵庫の冷媒として使われましたが、オゾン層を破壊することがわかり、使われなくなりました2)。しかしまだ環境ホルモン、大気汚染による酸性雨、原子力発電にともなう放射性廃棄物などこれから取り組むべき問題も数多くあります。エコマテリアルを使うなど地球上の資源を大切にすることも大切です3)4)環境計測化学5)。洗浄のあとの廃液などにも注意しましょう。金属の腐食は環境によって大きくかわります。
環境汚染を調査するためには水や土をつねに分析する必要があります。四季をおりなす美しい環境を守るのに自然再生推進法などが定めされました6)。また工場などではISO14000認証取得がのぞまれています。7)8)9)
環境を保全するため法律でも環境教育が推進されています10)。法律ばかりでなく人間ひとりひとりの倫理観も大切です。環境にやさしい循環型社会・持続型社会を形成していくためには、消費者・事業者・行政等の協力で、リデュース(廃棄物の発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再資源化)の3Rへの取り組みが重要です。
資源、環境、大気、海と言った事柄を取り扱う学問分野は、地学(アースサイエンス)と呼ばれます。持続可能な社会へ向けて世界的な取り組みが進む中、日本の高校教育では、地学を履修する生徒が多くありません。教育を受けなければ、意思決定すらままなりません。なぜそのような状況になるのでしょうか?
【関連講義】
技術者倫理,未来へ向けて~ヒトという種の存続のために~(2011)11)
【関連書籍】
- (1) 伊藤 智博、立花 和宏.
無機工業化学:環境と法規制、ISOなど
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=2600. (参照2007-04-01). - (2) 伊藤智博、立花和宏、仁科辰夫.
電気化学の庵:高校地学
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=8. (参照2005-02-10). - (3) 小島丈兒.
新訂地学図解
. 第一学習社, 1986. . - (4) 杉本泰治、高木重厚.
技術者の倫理入門
. 丸善株式会社, 2002. . - (5)
環境計測化学
,物質化学工学科(Aコース),etc,物質化学工学科,山形大学
志田 惇一,シラバス-山形大学, (2014). - (6) 伊藤智博、立花和宏、仁科辰夫.
電気化学の庵:環境にかかわる法律
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=1105. (参照2006-12-26). - (7) 松林光男、渡辺弘.
イラスト図解 工場のしくみ
. 日本実業出版社, 2004. . - (8) 立花 和宏.
お散歩の中にサイエンスを探し求めて♪:日本科学未来館
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=702. (参照2006-12-02). - (9) 立花 和宏.
お散歩の中にサイエンスを探し求めて♪:北区飛鳥山博物館
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=720. (参照2006-05-17). - (10) 立花 和宏.
お散歩の中にサイエンスを探し求めて♪:自然教育園
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=1229. (参照2007-03-03). - (11) 立花和宏.
技術者倫理:未来へ向けて~ヒトという種の存続のために~(2011)
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=3330. (参照2011-11-21). - (12) 立花 和宏.
お散歩の中にサイエンスを探し求めて♪:地球環境の変動と生物の進化 -誕生と絶滅の不思議-
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=3835. (参照2011-11-11). - (13) 立花 和宏.
お散歩の中にサイエンスを探し求めて♪:四日市公害と環境未来館
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=4422. (参照2015-10-28). - (14) 近畿化学協会・工学倫理研究会.
技術者による実践的工学倫理第4版
. 化学同人, 2006. . - (15) Charles E. Harris, Michael S. Pritchard, Michael J. Rabins著/日本技術士会訳編.
科学技術者の倫理 : その考え方と事例
. 丸善, 1998. . - (16) 野村正勝・鈴鹿輝男.
最新工業化学―持続的社会に向けて―
. 講談社サイエンティフィク, 2004. . - (17) 松林光男、渡辺弘.
イラスト図解 工場のしくみ
. 日本実業出版社, 2004. .