無機工業化学

✍ 高圧化学を支える技術について調べよう

化成肥料 を製造するのに欠かせない空中窒素固定法としてハーバー・ボッシュ法が知られています。 しかしハーバー・ボッシュ法には1000気圧もの圧力が必要です。 1000気圧の圧力を生み出す方法をひとつ選んで、それを支える技術について調べてみよう。

ハーバー・ボッシュ法では、 超臨界流体状態で反応を進行させます。 そのような高圧化学反応を使った製造プロセスでは、丈夫な装置が必要です。

まずは、反応釜とその 図面を検索してみよう。

ボンベ(タンク、シリンダー)、ボイラーなどの圧力容器、流れを制御するバルブ(弁)、レギュレータ(圧力調整弁)、流体を輸送するパイプライン、 制御するための温度センサー、 圧力センサー、さらにそれらを取りつけたり締め付けたりするボルト、ナットなど。 などが不可欠です。 これらの高圧装置の技術は、産業革命のときに発明された蒸気機関の技術に由来します。

化学プラントの必須アイテムの反応釜ですが、 最近、 フードロス削減産業活性化 のため、 小型のレトルト釜が、レトルト食品の製造にも使われています。

具体的な小型のレトルト釜をひとつ選び、産業革命以来培われた高圧技術がどのように活かされているか議論してみましょう。

技術は危険なものを安全に取り扱うことです。 平衡論や速度論の知識も大切です。 しかし、危険が差し迫っているとき、それから安全について勉強しても間に合いません。 また、高圧ガス保安協会にはさまざまな事故事例が紹介されています。 高圧ガスを取り扱う際に注意すべき点を、議論してみましょう。


安全 第一

高温 で溶かす、劇薬で化学反応を起こす……、そんな工場のイメージはとても事故が多そうな感じがしますが、実はそうでもありません 3 )

研究開発現場、製造現場、輸送時、 製品廃棄物、食……と安全は多岐にわたる 4 )

各工場では、安全第一の標語をかかげ、生産能率より安全を優先させ、労働災害の防止につとめながら生産活動にあたたっている 5 )

ヒヤリハット活動、KY活動、指さし呼称、やりきり厳守 6 )

安全の基本 7 )

緊急時の対応

火災 爆発 漏洩 地震 事故(けが、急病)

実験廃棄物の処理

  1 米沢キャンパス から排出される 実験廃棄物
分類 対象物
有害ゴミ 蛍光管 水銀 を含む電池 など
実験廃棄物 放射性物質 PCB 石綿(アスベスト) 発火性引火性物質 アルカリ金属 爆発性物質 健康障害を引き起こす化学物質
廃液 (a)無機系廃液 (b)写真廃液(現像液、定着液) (c)有機系廃液 (d)難燃性有機廃液(含ハロゲン) (e)廃油(機械油、植物油など) (f)シリコンオイル
固形廃棄物 溶剤に溶けるものは、無機・有機廃液とする。
産業廃棄物 試薬瓶・缶 廃プラスティック類 シリカゲル・アルミナ ガラス器具(一斗缶) 金属片・ワイヤー 電線 など 病原性徴生物による汚染物質 ガラス器具は、一斗缶に入れる ほかは透明ビニールの袋で研究室を記名 4号館北東玄関脇、月末金曜日
「安全マニュアル」
https://www.yz.yamagata-u.ac.jp/jimu/kikaku/inside/dl5.html
https://www.yz.yamagata-u.ac.jp/current/attention/
「実験廃棄物の適切な処理および廃棄のためのマニュアル」

レトルト釜

  1 レトルト釜
© 2014 K.Tachibana , C1 Lab.

加圧 には、頑丈な釜が必要です。 頑丈な釜に水を入れて密封し、加熱すれば圧力も上がります。

レトルト食品 の製造には、小型のレトルト釜(オートクレーブ) * * * が使われます。



ワークショップについて

ワークショップを楽しみましょう 10 ) 。 グループ人数は、5〜6名とします。 7名を超えないようにしてください。

初対面の場合は、自己紹介をしましょう。 雑談をして、アイスブレイクしましょう。

リーダー(司会進行)を決めてください。 そのほかのメンバーの 役割(記録係、資料作成係、プレゼンター( 登壇者))を決めてください。

グループ名を決めてください。

記録係は、試験答案用紙表面の最上部に、授業科目名、グループ名を記入してください。 メンバーは、記録係に従い、学籍番号、氏名、役割を直筆署名してください。 その際、 筆頭著者を登壇者の氏名の前に〇をつけてください。

討論を開始したら、記録係は討論の内容を裏面に記録してください。

討論がまとまったら、資料作成係は、試験答案用紙表面グラフィカルアブストラクト に表現してください。

グラフィカルアブストラクトを撮影し、WebClassにアップロードしておくと復習に便利です。

登壇者は、プレゼンテーションのイメージをしましょう 11 ) メラビアンの法則を意識して、 非言語表現も工夫しましょう 12 )

グループ名が指名された後で、じゃんけんなどで登壇者を決めるのは、授業進行の妨げとなりますので、 必ず、討論前に 登壇者を決めてください。

記名だけして、討論に参加しない場合、不正行為として扱うことがありますので、必ず討論に参加してください。 自分から参加できなそうな人には、積極的に声がけをお願いします。 期末の成績評価申請時に、グループ名やメンバー、討論の内容を思い出せるよう、答案用紙を撮影することを推奨します。

ランダムにグループを指名し、壇上で、 プレゼンテーションしてもらいます 13 ) 。 質疑応答の際も、グループを指名しますので、指名されたグループのプレゼンターが質問、コメント、アドバイスをしてください。 ディベートとしての反対意見は、大歓迎です。

資料作成係は、討論の内容をポスターとして、試験答案用紙の裏面にまとめてください。 資料作成係に従って、他のメンバーが代筆してもかまいません。

*

✍ 平常演習

平常演習の配点と取り扱いについて

平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、期末にWebClassの成績評価申請書に申告していただき集計します。

授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みますので、 WebClassへの提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。

WebClassへの平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、成績評価申請書に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。

成績評価申請書では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClassに提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 14 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。


参考文献