◆活物質、集電体とオーミックコンタクトがとれること。金、炭素は可。酸化物を形成する金属は不可。
◆溶媒を分解しないこと。グラファイトは好ましくない炭素導電助材を圧着したアルミニウム電極を用いたリチウム二次電池駆動用電解液の分解挙動3)。
◆スラリー中によく分散すること。
リチウム負極活物質として使われる親油性表面を持つグラファイト系の炭素材料は有機系バインダーで被覆される傾向が強く導電助材としては適しません。
カーボン粉体を使うので粉体の表面化学(目次)4)、接触界面における粒子同士の接触が重要となります。炭素の導電は共役π電子による二次元伝導と考えられるので、粒子同士の接触ではトンネル効果によると思われ、粉体粒子間の微妙な距離で電気抵抗が大きく変化します。圧力によって容易に距離が変化するので、それを利用したものがカーボンマイクです。よって粉体粒子間の接触面積 x 〔m²〕が重要です。
一般に吸着は発熱反応なので熱量計でも測定できます。
集電体集電体(集電子)5)にアルミニウムを使っている場合、その不働態皮膜に接触して、欠陥を活性化して導電状態を作ります集電体不働態皮膜/炭素導電助剤界面と電極の内部抵抗の関係6)。その接触抵抗接触抵抗率 ρc 〔Ω·m²〕を下げるには、欠陥密度を増加させ、接触面積を増やせば良いです。見かけの面積と真の面積の比を拡面倍率といいます。
プレスによってアルミニウム集電体かずみアルミニウム集電体への炭素導電助材の塗布圧による充放電性能への影響7)アルミニウム集電体上への炭素導電助材の塗布圧による充放電の変化8)
森田 茉季,…らは、2010年に富山大学五福キャンパス(富山市五福3190) で開催された電気化学会第77回大会において液晶場をプローブとした炭素導電助材の表面官能基の評価について報告している液晶場をプローブとした炭素導電助材の表面官能基の評価9)。
○高塚知行,…らは、2009年に幕張メッセ 国際会議場(千葉市美浜区中瀬2-1) で開催された第120回講演大会においてリチウム電池活物質の表面特性が粉体抵抗に及ぼす効果と電極内部抵抗の関係について報告しているリチウム電池活物質の表面特性が粉体抵抗に及ぼす効果と電極内部抵抗の関係10)。
○佐藤幸裕・…らは、2001年に兵庫県神戸市で開催された電気化学会第68回大会において炭素導電助材を圧着したアルミニウム電極を用いたリチウム二次電池駆動用電解液の分解挙動について報告している炭素導電助材を圧着したアルミニウム電極を用いたリチウム二次電池駆動用電解液の分解挙動11)。
くわばらは、1998年に、それまでの研究をEMD粉末の界面制御に関する研究というテーマで卒業論文としてまとめ、山形大学を卒業したEMD粉末の界面制御に関する研究12)。
立花和宏…らは、1998年に北九州で開催された第49回国際電気化学会においてThe true function of carbon conductive additives to the cathode of recent high-performance batteriesについて報告しているThe true function of carbon conductive additives to the cathode of recent high-performance batteries13)。
○立花和宏…らは、1997年に大阪豊中で開催された第38回電池討論会において一次電池および二次電池の充放電時における正極導電助材としての炭素材料の機能について報告している一次電池および二次電池の充放電時における正極導電助材としての炭素材料の機能14)。
【材料】
アセチレンブラック
【関連講義】
卒業研究(C1-電気化学2004~),乾電池15)
エネルギー変換化学特論,共有結合、共有結合の結晶での電気の流れ方16)
炭素材料と導電助材17)
【関連界面】
導電助材|導電助材18)
アルミニウム|炭素導電助材19)
導電助材|活物質(界面)導電助材|活物質(界面)20)
【関連書籍】
炭素・自問自答(目次)炭素・自問自答(目次)21)
リチウムイオン電池用材料22)
よくわかる電池(目次)よくわかる電池(目次)23)
- (1) 実験方法 > 材料&試 > 活物質,材料&試料
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2006). - >
- (2) 実験方法 > 材料&試 > 合材,材料&試料
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2007). - >
- (3) 炭素導電助材を圧着したアルミニウム電極を用いたリチウム二次電池駆動用電解液の分解挙動
○佐藤幸裕・立花和宏・遠藤孝志・仁科辰夫,電気化学会第68回大会講演要旨集 (2001). - >
- (4) > 粉体の表面化学(目次)
小石真純, 角田光雄著, 粉体の表面化学, 日刊工業新聞社, , (1975). - >
- (5) 実験方法 > 材料&試 > 集電体(集電子),材料&試料
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2007). - >
- (6) リチウム > 正極の電 > 内部抵抗 > 集電体不働態皮膜/炭素導電助剤界面と電極の内部抵抗の関係,内部抵抗と電流特性
立花 和宏,リチウムイオン二次電池の, 講義ノート, (2006). - >
- (7) アルミニウム集電体への炭素導電助材の塗布圧による充放電性能への影響
佐藤 和美, 山形大学 物質化学工学科, 卒業論文 (2003). - >
- (8) アルミニウム集電体上への炭素導電助材の塗布圧による充放電の変化
立花和宏,佐藤和美,遠藤孝志,仁科辰夫,尾形健明,平成14年度化学系7学協連合東北地方大会講演要旨集 (2002). - >
- (9) 液晶場をプローブとした炭素導電助材の表面官能基の評価
○森田 茉季,楡木 崇仁,高塚 知行,立花 和宏,仁科 辰夫,米竹 孝一郎,電気化学会第77回大会講演要旨集 (2010). - >
- (10) リチウム電池活物質の表面特性が粉体抵抗に及ぼす効果と電極内部抵抗の関係
○高塚知行,立花和宏,仁科辰夫,第120回講演大会要旨集 (2009). - >
- (11) 炭素導電助材を圧着したアルミニウム電極を用いたリチウム二次電池駆動用電解液の分解挙動
○佐藤幸裕・立花和宏・遠藤孝志・仁科辰夫,電気化学会第68回大会講演要旨集 (2001). - >
- (12) EMD粉末の界面制御に関する研究
桑原修一, 山形大学 物質化学工学科, 卒業論文 (1998). - >
- (13) The true function of carbon conductive additives to the cathode of recent high-performance batteries
立花和宏,第49回国際電気化学会講演要旨集 (1998). - >
- (14) 一次電池および二次電池の充放電時における正極導電助材としての炭素材料の機能
○立花和宏,第38回電池討論会講演要旨集 (1997). - >
- (15) 緒言(C > 製品調査 > エネルギ > 電池 > 一次電池 > 乾電池,一次電池―乾電池など
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2008). - >
- (16) エネルギ > 【201 > セラミッ > 共有結合、共有結合の結晶での電気の流れ方,セラミックス材料~正極活物質と導電助材の働き~(2011_H23)
立花 和宏,エネルギー変換化学特論, 講義ノート, (2011). - >
- (17) セラミッ > 炭素材料と導電助材,セラミックス材料~正極活物質と導電助材の働き~
立花 和宏,エネルギー変換化学特論, 講義ノート, (2016). - >
- (18) 結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 導電助材|導電助材,電極に内在する界面
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2008). - >
- (19) 結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 集電体| > アルミニウム|炭素導電助材,集電体|導電助材
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2006). - >
- (20) 結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 導電助材|活物質(界面),電極に内在する界面
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2008). - >
- (21) > 炭素・自問自答(目次)
大谷杉郎, 炭素・自問自答, 裳華房, , (1997). - >
- (22) > リチウムイオン電池用材料
芳尾真幸、小沢昭弥, リチウムイオン二次電池-材料と応用-第二版, 日刊工業新聞社, , (1996). - >
- (23) > よくわかる電池(目次)
三洋電機(株), よくわかる電池, 日本実業出版社, , (2006). - >