導電助材導電助材(導電助剤)1)同志の界面。粒子をノード、界面をとしてとらえれば、平均粒径 r 〔m〕が小さくなるほど単位体積あたりの粒子数が増え、界面を横切る回数も増えます。よって平均粒径が小さくなるほど界面の特性、すなわち接触抵抗接触抵抗率 ρc 〔Ω·m²〕の影響が大きくなるといえます。見かけの界面積、すなわち比表面積 S 〔m2/kg〕に比べて、接触面積 A 〔m²〕が小さいほど接触抵抗は大きくなります。
導電助材には炭素材料が使われる。炭素材料の粒子1個の抵抗を見積もることは困難であるし、むしろ後述の粒子間の接触抵抗によるところが大きい。炭素材料の導電性はグラファイト構造のπ電子によるところが大きいが、実際の炭素材料は粉体であり、その粉体表面には様々な末端官能基がある。それら末端官能基は共有結合であるから、粉体粒子同士の導通は主にトンネル電流によると考えられる。このような場合、粉体粒子間の距離に極めて敏感であり、事実、炭素粉体材料の導電性は圧力に敏感でカーボンマイクとして使用されたぐらいである。従って電極製造プロセスにおけるプレス工程の条件や合材中の内部応力を支配するバインダーの選択が重要となる。
特に表面状態の影響は粉体の抵抗を測定しても、それがそのまま電解液を含浸させたときの電極の内部抵抗とはならない。
○柳沼雅章,…らは、2008年に大阪府堺市堺区戎島町4-45-1で開催された第49回電池討論会において炭素導電助材を含む電極におけるパーコレーション現象を用いたバインダの評価について報告している炭素導電助材を含む電極におけるパーコレーション現象を用いたバインダの評価2)。
○高塚知行,…らは、2009年に幕張メッセ 国際会議場(千葉市美浜区中瀬2-1) で開催された第120回講演大会においてリチウム電池活物質の表面特性が粉体抵抗に及ぼす効果と電極内部抵抗の関係について報告しているリチウム電池活物質の表面特性が粉体抵抗に及ぼす効果と電極内部抵抗の関係3)。
【関連論文】
集電体|導電助材と述べているEffect of Hetero-contacts at Active Material Conductive Additives on Lithium Intercalation/Deintervalation of LiCoO2 4)。
さっちんアルミニウムを集電体とするコンポジット電極の内部抵抗と充放電特性に対するバインダの種類とプレス圧の効果5)アルミニウム集電体上への炭素導電助材の塗布圧による充放電の変化6)
やぎぬまリチウムイオン二次電池用バインダーおよび合材スラリーの評価法に関する研究7)
パーコレーション
【関連講義】
カーボン材料カーボン材料(炭素材料)8)
スラリーの乾燥と電池性能9)
導電助材導電助材(導電助剤)10)
炭素導電助材を含む電極におけるパーコレーション現象を用いたバインダの評価
リチウム電池活物質の表面特性が粉体抵抗に及ぼす効果と電極内部抵抗の関係
アルミニウム集電体上への炭素導電助材の塗布圧による充放電の変化
- (1) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):導電助材(導電助剤)
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=1670. (参照2007-08-29). - (2) 炭素導電助材を含む電極におけるパーコレーション現象を用いたバインダの評価
○柳沼雅章,立花和宏,遠藤孝志,仁科辰夫,第49回電池討論会講演要旨集, 巻:49th 頁:117 (2008). - (3) リチウム電池活物質の表面特性が粉体抵抗に及ぼす効果と電極内部抵抗の関係
○高塚知行,立花和宏,仁科辰夫,第120回講演大会要旨集 (2009). - (4) Effect of Hetero-contacts at Active Material Conductive Additives on Lithium Intercalation/Deintervalation of LiCoO2
Kazuhiro Tachibana, Tatsuo Nishina, Takashi Endo, and Kenzo Matsuki, Denki Kagaku, Vo.66, No.12, pp.1248-1252, (1998). - (5) アルミニウムを集電体とするコンポジット電極の内部抵抗と充放電特性に対するバインダの種類とプレス圧の効果
田口里子, 山形大学 物質化学工学科, 卒業論文 (2006). - (6) アルミニウム集電体上への炭素導電助材の塗布圧による充放電の変化
立花和宏,佐藤和美,遠藤孝志,仁科辰夫,尾形健明,平成14年度化学系7学協連合東北地方大会講演要旨集 (2002). - (7) リチウムイオン二次電池用バインダーおよび合材スラリーの評価法に関する研究
柳沼 雅章, 山形大学 物質化学工学科, 修士論文 (2010). - (8) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):カーボン材料(炭素材料)
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=1067. (参照2006-12-11). - (9) 立花和宏.
卒業研究(C1-電気化学2004~):スラリーの乾燥と電池性能
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=2876. (参照2009-08-12). - (10) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):導電助材(導電助剤)
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=1670. (参照2007-08-29).