語釈1.
黒鉛・石墨。炭素1)が六方晶系の層状構造をとります2)。見た目に金属光沢があっても鉛ではありません。セラミックスに分類する人もいます。炭素には同素体の代表格としてグラファイトとダイヤモンドがありますが、他にもいろいろな炭素があります。墨汁は炭素のコロイドに保護コロイドとしてにかわを加えたものです。鉛筆の芯は黒鉛と粘土を混合し、乾燥して、焼成し、油を含浸させて冷却して作ります。金や銀を融解するるつぼや鋳型にも使われます。タイヤのフィラーや顔料などに使われます3)。
リチウムイオンをインターカレーション可能なのでリチウムイオン二次電池やハイブリッドキャパシタの負極に使われます4)。
グラファイトでは混成していないpオービタルがpバンドを形成し、グラフェンシートの面に沿って電子伝導が起こります。バンドギャップ ⊿ε 〔J〕がないのにキャリア濃度が低いため電子電導度が低く、半金属と呼ばれることもあります5)。
- (1) 炭素, Carbon, C, (元素).
- (2) 大谷杉郎.
炭素・自問自答
. 裳華房, 1997. . - (3) 堂山昌男・山本良一.
セラミック材料
. 東京大学出版会, 1986. . - (4) 芳尾真幸、小沢昭弥.
リチウムイオン二次電池-材料と応用-第二版
. 日刊工業新聞社, 1996. . - (5) P.A.Cox著/魚崎浩平[ほか]訳.
固体の電子構造と化学
. 技報堂出版, 1989. . - (6) 芳尾真幸、小沢昭弥.
リチウムイオン二次電池-材料と応用-第二版
. 日刊工業新聞社, 1996. . - (7) 野村正勝・鈴鹿輝男.
最新工業化学―持続的社会に向けて―
. 講談社サイエンティフィク, 2004. .