語釈1.
色をつけるのに使う固体で水や油に溶解しない材料です。おおくは粉砕して粉末にします。溶剤やバインダに分散させサスペンジョンとします1)。それをインクとして塗布します2)進化する印刷インキの世界 3)。いわ絵の具ではバインダ(にかわや漆など)で練り固めます。亜鉛(酸化亜鉛・亜鉛華)、カドミウム、水銀(硫化水銀・朱)、と12族元素には無機顔料として用いられる元素が多いです。無機顔料は堅牢性に優れるものの毒性を持つものが多いので有機顔料に置き換わっていっています。印刷のインク、塗装の塗料などに使われます。色がついている液体は染料と言います。JISJIS.K―化学・化学分析4)に定義されています。
赤色顔料赤色系5)は古くから墳墓に使われ、弥生時代6)や古墳時代7)には遺骸の頭や胸に朱硫化水銀(HgS)朱8)を施し、それ以外はベンガラ酸化鉄(Ⅲ)(Fe2O3)ベンガラ色9)を塗ったり撒いたりしていました10)。朱肉につかう朱、漆器に使う赤鉄鉱の赤(べんがら)や日本画に使う藍銅鉱の群青(ウルトラマリン)群青11)などは今でも有名です12)。
液晶ディスプレイのカラーフィルターには染料タイプと顔料タイプがあります第8回:色っぽい話―ディスプレイ13)。
【動画】「水で咲かそう春の花」~染料とペーパークロマトグラフィー~14)
【関連書籍】
よくわかる顔料分散(目次)15)
- (1) 中道敏彦.
図解入門 よくわかる顔料分散
. 日刊工業新聞社, 2009. . - (2) 野村正勝・鈴鹿輝男.
最新工業化学―持続的社会に向けて―
. 講談社サイエンティフィク, 2004. . - (3) 進化する印刷インキの世界
, 化学と工業,60,1073(2007). - (4) 伊藤智博、立花和宏、仁科辰夫.
電気化学の庵:JIS.K―化学・化学分析
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=615. (参照2005-12-15). - (5) 伊藤智博、立花和宏、仁科辰夫.
電気化学の庵:赤色系
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=1561. (参照2007-07-27). - (6) 伊藤智博、立花和宏、仁科辰夫.
電気化学の庵:弥生時代
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=796. (参照2006-07-26). - (7) 伊藤智博、立花和宏、仁科辰夫.
電気化学の庵:古墳時代
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=797. (参照2006-07-26). - (8) 朱, ●▼◆★▲■, FF2B4C, 色彩.
- (9) ベンガラ色, ●▼◆★▲■, 842525, 色彩.
- (10) 九州国立博物館.
アジアージュ 九州国立博物館文化交流展示室 公式ガイドブック
. 九州国立博物館, 2006. . - (11) 群青, ●▼◆★▲■, 0D33FF, 色彩.
- (12) 九州国立博物館.
修理完成記念特集陳列 釈迦誕生図―受け継がれる朝鮮仏画の名品―
. 九州国立博物館, 2007. . - (13) 立花和宏.
エネルギー変換化学:第8回:色っぽい話―ディスプレイ
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=1063. (参照2006-12-08). - (14) 立花 和宏.
ピカッとさいえんす:「水で咲かそう春の花」~染料とペーパークロマトグラフィー~
. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/@Lecture.asp?nLectureID=1225. (参照2007-03-12). - (15) 中道敏彦.
図解入門 よくわかる顔料分散
. 日刊工業新聞社, 2009. . - (16) 野村正勝・鈴鹿輝男.
最新工業化学―持続的社会に向けて―
. 講談社サイエンティフィク, 2004. p.182.