電位を測るだけで溶解度積がわかります。
溶解度積および生成定数の決定
【結果】Cu系濃淡電池の起電力[V]と水酸化銅の溶解度積、Cu系濃淡電池の起電力[V]と銅アンミン錯体の安定度定数
以下の電池を組み、補償法およびエレクトロメータによって起電力を測定して、水酸化銅の溶解度積を求める*6,7)。銅は測定直前に研磨し、水で素早く洗浄する。この電池は特に分極しやすいので、塩橋で電解液をつないだら、できるだけ早く起電力を測定する。再び測定したい場合には、銅電極を取り出して再度清浄な面を出す。
(Cu/0.01M CuSO4//KCl//0.05M KOH/Cu(OH)2/Cu)
また、以下の電池を組み、起電力を測定して銅アンミン錯体の安定度定数を求める*8,9)。0.1Mアンモニア水50mLに、0.01M硫酸銅を2.0mL加えて電解液とし、補償法およびボルテージフォロアによって起電力を測定する。全てが反応して銅アンミン錯体になるものとして濃度を計算する。銅イオンとアンモニアの濃度から酸化還元電位を求め、安定度定数を計算する。
Cu/Cu2+,NH3//Cu2+/Cu
(Cu/0.1M NH3,0.01M CuSO4//KCl//0.01M CuSO4/Cu)
?設問:電気化学的に溶解度積や安定度定数を測定するメリットは何か?
【関連書籍】錯体の安定度
出典:
錯体の安定度
(鵜沼英郎・尾形健明. 無機化学. 化学同人, 171. ) 1)