だいたい、目に見えないものっていうのは、昔から、怖がられているものです。
ちょっと怪談話をするには、すこし秋の気配が感じられるようになりましたが、 まあ、怖いものといえば、お化けや幽霊。見えないしよくわからないから怖い。 正体がばれてしまえば、あたまのてっぺんに毛が三本生えていたりして、ちっとも怖くない。 なあんだ、なんてことになってしまいます。
お化け出なくても、目に見えないものと言えば、放射能。 気の毒な大震災の原発事故では、どこに放射能があるかわからない。 「おまえ、放射能野郎!」なんて、学校でいじめの原因になったりする。 だめですよ、そんなこと言っちゃ。
今回、オンラインセミナーをすることになったのはくだんのコロナウイルス。 こいつも、目に見えない。だから怖い。 学校のいじめばかりか、県外ナンバー狩りとかコロナ警察とか、ややこしくなっておりますな。
そして、このセミナーでインピーダンスのお話をするわけですけど、 このインピーダンスっていうのが、電気にまつわるお話。 で、その電気、というやつが、お化けやら放射能やらウイルスやらと同じで目に見えない。 目に見えないから、怖かったり不安だったり苦手だったりするわけですな。
まあ、見えなくても確かに存在するわけで。
昔、フランクリンとかいう豪傑が、雷に向かってタコをあげて ライデン瓶、いまでいうコンデンサですね、そいつの中に電気をつかまえてみせた。 なるほど、竜神が暴れているわけじゃなくて、琥珀をこすったときに出てくる何かと同じものだわい、 ということで、これが電気ということになった。
今じゃ、電気が止まったいうだけで、やばい停電だということで大騒ぎするぐらい身近なものになりました。 使っている方は便利でいいのですが、電気をつきあって何かを研究開発するとなると その目に見えない電気と、あらためて向き合わないとならない。
想像力を働かせて、その目に見えない電気が、電池の中でどんな具合に働いてるのかいっしょに考えていくとしましょう。
年をとると残念なことに味がわからなくなってきます。特に塩分。思わずしょうゆをどぼどぼどぼってかけたりして、ちょっとおしょうゆかけすぎですよ。なんて言われたりします。
そこで、塩分計があって、ちょっとしょっぱいよというのを黄色、かなりしょっぱいよなんていうのを赤で表示したりして、お年寄りの塩分摂取を控えてもらって、健康寿命を延ばしていただければと思います。
さて、この塩分計。インピーダンスの測定装置なんです。
電気にまつわる量電気回路図の記号は電気用図記号はJISで定められており、考えたところでもムダなので、読み書きを練習して慣れるしかありません。
電気を流すには最低2つの電極が必要です。電池でもキャパシタでも2つの電極の電圧を測定することから始まります。
電池には電極があります。酸化が起きる極をアノード、還元が起きる極をカソードと呼びます。 以前はアノードを陽極、カソードを陰極と呼びましたが、正極と陽極がまぎらわしいのでアノードと呼びます。 アノードは電流が外部回路から流れ込む極です。カソードは電流が外部回路へ流れ出す極です。 アノード、カソードは電流の向きに注目した呼び方です。 それとは別に正極と負極という呼び方があります。 電位の高い極を正極、電位の低い方を負極と呼びます。 正極、負極は電位の高低に注目した呼び方です。
本講座ではリチウム電池にかかわるインピーダンス測定・解析を取り上げます。電池は総力戦です。狭い専門知識よりも、広く見渡す力が求められます。SDGs(持続可能な開発目標)では、自分ひとりで理解して納得するより、みんなで協働し、社会をよりよくすることが大切です。本講座ではインピーダンスに軸足をおき、電池や電気の関連知識をおさらいしつつ、目標に向かって最初の一歩を踏み出せるようお手伝いします。