立花和宏,○岡田和正,遠藤孝志,仁科辰夫,尾形健明,
2002年電気化学秋季大会
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横浜,
Nb1)2)コンデンサはNb酸化皮膜の誘電率の大きさという性能面ばかりでなく、コストや埋蔵量の多さなど供給安定性の面からも注目を浴びている。さらに電子部品の小型化に対する要求に答え、等価直列抵抗を低減すべく、新たなNb電解コンデンサ用の固体電解質の研究が進められている。
一般に固体電解質は、電解コンデンサの誘電体皮膜の欠陥部の修復作用を有し、それにより絶縁性、耐電圧、信頼性を向上させると考えられているが、実際は、固体電解コンデンサの耐電圧は化成電圧より低い。そこで、本研究では、Nb上に固体電解質を圧着した電極による評価法を考案し、固体電解質の誘電体皮膜修復性能を評価した。
2.実験方法
Fig.1 1M LiBF4/PC+DME中での20V化成皮膜Nbらせん状電極のクロノポテンショグラム Fig.2 20wt%リン酸中での20V化成皮膜Nbらせん状電極のクロノポテンショグラム
Nbワイヤ-(日本ケミコン提供、純度99.9% φ0.3mm)をらせん状に巻き、約φ0.7mmの円形電極を作成した。アルカリ脱脂後20wt%リン酸中でアノ-ド酸化し20V化成皮膜を形成させ、固体電解質としてポリチオフェン(日本ケミコン提供)30mgを圧着させた。これを180℃で4h乾燥させたものを試料極とした。
対極にはPt、参照極にはAg擬似参照極(+3.0V vs.Li/Li+)を用いた。1M LiBF4/PC+DME(50:50)(キシダ化学)有機電解液中で、クロノポテンショメトリ-により電気化学的特性を評価した。セルの組み立て、電気化学測定は全てAr置換グロ-ブボックス中で行った。なお、20wt%リン酸中でのクロノポテンショメトリ-も行い、固体電解質を圧着したときのNb誘電体皮膜の耐電圧を評価した。
3.結果
Fig.1にNb電極にポリチオフェンを圧着したものと、していないものの有機電解液中でのクロノポテンショグラムを示す。圧着していないNb電極は、0s~200s間で5.5V付近から急激に減少して2.0V付近まで下がり、その後1200sまで一定値を示した。これは、電解液中に酸素供給源がないため、Nbの不働態皮膜が形成されず腐食が起こったことを示している。それに対し、ポリチオフェンを圧着したものは、0s~500s間で2V付近から3V付近まで緩やかに電圧は上がりその後、1200sまで一定値を示した。ポリチオフェンを圧着した電極の場合、電解液が無色から黄色に変化し、電解液の分解が起った。
これらの結果は、Nb酸化皮膜表面の欠陥部にポリチオフェンが接触し、皮膜の絶縁性を小さくするため、電解液が分解することを示唆している。Fig.2に示した水溶液系においても同様な現象が見られ、何も圧着しないものが300sまでに100Vまで皮膜成長するのに対し、ポリチオフェンを圧着したものは、1200sでも5.5V程度であった。即ち、ポリチオフェンが皮膜の絶縁性を小さくし、それ以上は皮膜成長しないと考えられる。
発展3)4)
◆2002(平成14)年度ノート5)
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立花和宏,○岡田和正,遠藤孝志,仁科辰夫,尾形健明.
<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/Academic/@Meeting.asp?nMeetingID=97'>
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ニオブコンデンサ用固体電解質の誘電体皮膜修復性能の評価
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2002年電気化学秋季大会, 横浜.
2002.
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