語釈1.
イオンに電離する物質。イオン導電体のこと。液体の電解質を電解液といい、固体の電解質を固体電解質といいます1)。狭義には電解液に溶解させた塩のこと。さらに狭義には電解液に導電性を持たせるために加えた支持塩のこと。溶媒に塩を溶解させるばかりでなく溶融塩やイオン性液体も電解質として使います2)。ポリマーを電解質に使った電池もあります3)。
塩に求められることは、溶媒に相当量溶解し、電解液に十分な導電性を与えること。測定可能な電位 E 〔V〕の範囲(電位窓)が広いこと(支持電解質自身が電気化学反応しにくいこと)。溶媒や電極反応に関与する物質と反応したり、電極表面への特異吸着などにより電気二重層を変化させたりしないこと。
イオンを通す固体を固体電解質といいます。電解質は電池や電解コンデンサなどに応用されています。電池の電解質は液体を使うことが多いのですが、一部の電池では固体電解質を使います。
【関連書籍】
- (1) 伊藤 智博、仁科 辰夫.
卒業研究(C1-電気化学2004~):電解液
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=767. (参照2006-07-17). - (2) 田 薫、原納 淑郎、鈴木 啓三.
応用物理化学II
. 培風館, 1990. . - (3) 長谷川悦雄.
有機エレクトロニクス
. 工業調査会, 2005. . - (4) 伊藤智博、立花和宏、仁科辰夫.
電気化学の庵:コールラシュのイオンの独立移動の法則
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=3358. (参照2010-08-18). - (5) 金村聖志.
自動車用リチウムイオン電池
. 日刊工業新聞社, 2010. . - (6) 伊豆津公佑.
非水溶液の電気化学
. 培風館, 1995. .