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電極/電解液界面の劣化現象とそのメカニズム
劣化とは電池性能に影響を及ぼす不可逆現象である。電池性能は電圧、電流、電気量によって分類でき、不可逆現象は物理的変化と化学的変化に分類される。電池性能における電圧の代表的指標は起電力であり、電流の代表的指標は内部抵抗であり、電気量の代表的指標は電池容量である。物理的劣化は形状の寸法変化であり、化学的変化は組成の濃度変化である。これらの変化は温度、圧力のほか通電によって引き起こされる。
【表】電池の劣化要因1)
二次電池においては充電後に放電前の状態に復帰するのが理想である。しかしながら活物質の体積膨張収縮や活物質以外の副反応によって引き起こされる。
電極/電解液界面の劣化現象に限定すれば、電極から電解液に溶出する、電解液から電極に析出する副反応が不可逆的化学変化である。これらの反応には不可逆な寸法変化も伴う。
ではどの時点での電池の状態を初期状態と呼ぶか?実用的には厳密な定義がそれほど重要とは思われないから、とりあえずは初期充電が終わった時点を電池の初期状態としておこう。