語釈1.
1)に発見された目に見えない光。可視光線より波長 λ 〔m〕の短い光。波長 λ 〔m〕が400nmから320nmまでを紫外線A(UVA)、320nmから280nmまでを紫外線B(UVB)、280nmから100nmまでを紫外線C(UVC)、ということもあります。UVとも言います2)。
初夏3)は日差しが強く紫外線が太陽から地球の地表へ届きます。そのとき可視光線や赤外線と違って光エネルギー E 〔J〕が大きいので大量に被爆すると日焼けを起こします。UVカットの日焼け止めクリームには紫外線防止剤には、紫外線を吸収する吸収剤と紫外線を散乱する散乱剤があり、散乱剤としては酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)が配合されています。
またクリームのなめらかさを出す基材にはシリカや水酸化アルミニウムなどが配合されています。紫外線Aは皮膚のメラニン色素を増やして日焼けさせますが、紫外線Bは赤くひりひりする紫外線火傷を引き起こします。また紫外線Bには生物の細胞を殺す働きがあり殺菌ランプに使われます4)。地球上空5)のオゾン層は紫外線Cをさえぎり、大気が紫外線A、Bを減らしてくれるので陸上の生物も生きてゆけます。最近はフロンによるオゾン層の破壊による紫外線Cの増加が心配されています。
光化学反応を起こさせたり、樹脂を硬化させるのにも使います6)。光触媒が作用するのにも必要です。食品の殺菌などにも使います7)8)。
1980年代以降、南極上空にオゾンホールがみられるようになりました。
フロン11(CCl3F)が成層圏で紫外線を受けて分解し、塩素原子(Cl)(ラジカル)を放出します。塩素原子は、オゾン分子を分解し、一酸化塩素分子となります。一酸化塩素は、さらにオゾンを分解し、塩素原子となります。このように塩素原子はオゾン分子を分解する触媒となり、塩素原子一個は数万個のオゾンを破壊すると言われています。
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