音楽を聴いたり、ゲームの効果音を聴いたりするのに、自分たちが実際に使っているスピーカー、ヘッドホン、イヤホンを調べましょう。
それらの中から、具体的なオーディオデバイスをひとつえらびましょう。
そのオーディオデバイスが、 圧電体(最新工業化学p.26)を使った 圧電スピーカー、 フィルムスピーカー、 平面スピーカー、 クリスタルイヤホン、 または磁性体(最新工業化学p.26)を使った ダイナミックスピーカー、などのうち、 どれなのかを確かめましょう。
ゲームの効果音は、音楽よりも広い周波数特性が要求されます。そのため最近のプレーヤーは、 96kHz/24bit flac などハイレゾ対応が主流になってきています。 選んだオーディオデバイスに使われている材料と周波数特性とハイレゾについても調べてみましょう。
スピーカーの技術が、歴史的にどのような変遷をとげ、人々の日常の生活にどのような変化をもたらしたか、考えてみましょう。
項目 | 圧電スピーカー | ダイナミックスピーカー | ||
---|---|---|---|---|
発音材料 | 圧電体 ( セラミックス) | 磁性体(金属) | ||
用途 | スマホ、PC | スマートスピーカー | ||
歴史 | 昭和(戦後) | 平成(スマホ)、昭和(イヤホン) |
テレワークや電話に必須。
例) スピーカーとしてクリスタルイヤホンを選んだ。 クリスタルイヤホンは、戦時中にも使われた。
戦時中のクリスタルイヤホンに使われる圧電体は、酒石酸カリウムナトリウムであった。 酒石酸カリウムナトリウムは、酒石酸カリウムと酒石酸ナトリウムの複塩であり、 結晶構造に対称中心がないため、圧電素子をして使うことができる。
しかし、圧電素子はセラミックスであるため、 共振現象が起き、大音量では、周波数特性が平坦にならない欠点があった( ※)。 ( ちなみに磁石で動かすダイナミックスピーカーの振動版は、柔らかな紙が使われている。) また、酒石酸カリウムナトリウムは、潮解性があり、湿度による劣化があるため、クリスタルイヤホンは、現在ほとんど流通していない。
昭和の戦時中、政府は、酒類を厳しく規制した。しかし、 ワインづくりだけは奨励された 。 それは、ワインが、兵器の材料として使われたからだ。 ワインはふつう、横にして保存する。 うっかり立てて保存すると、コルクの栓に結晶がこびりついて抜けなくなるからだ。 このわずかにこびりついた結晶が、酒石酸カリウムナトリウムだ。 酒石酸カリウムナトリウムは、ロッシェル塩と呼ばれ、潜水艦や魚雷に対処する兵器として、艦船の音波防御レーダーとして装備された。
このロッシェル塩を、 ワインに 灰汁 (炭酸カリウム)を反応させて、取り出す技術をもっていたのは、 国内で唯一、山梨県甲府市「サドヤ醸造場」だった。
ワインは、その芳醇な香りで、日常の生活をに潤いを与え、幸せなひとときを過ごさせてくれる。 しかし、その優れた発酵技術や化学技術が、戦時下では、 まっくらなワイン工場の地下室で、秘密裏に兵器製造に使われていた。 科学技術は、善にも悪にも応用できる二面性を持つ。 そのことを、みんなが、人として、わきまえた方がいいと思った。
ブドウには、ごく微量ですが酒石酸(しゅせきさん)が含まれています。ブドウからワインを醸造すると、ワイン中に沈殿する滓にも、貯蔵する酒ダルの周壁にも、白い小さな結晶体が生じます。この滓や周壁の酒石酸が粗酒石(そしゅせき)です。また、ワインの液中にも酒石酸が混在し、ワインの搾り粕にも酒石酸が混在しています。ワインの液中や絞り粕から酒石酸を採取するには普通、脱酸用石灰を添加し、酒石酸石灰として採取する方法がありました。しかし、手っ取り早いのはやはり、周壁や沈殿滓の粗酒石を直接採取する方法でした。採取した粗酒石に加里ソーダを化合させると、酒石酸加里ソーダという少し大きな結晶体が精製されます。これがロッシェル塩と呼ばれるもので、山梨県に所在の「サドヤ醸造場」が国内で唯一、製造が可能でした。
ロッシェル塩は、音波をすばやく捉える特性があり、第2次世界大戦ではドイツがいち早くこれを採用して音波防御レーダーを開発、艦船に装備して、潜水艦や魚雷に対処する兵器とし、効果を発揮していました。
日本の海軍は昭和17年(1942)6月、中部太平洋のミッドウエーの海戦で、航空母艦4隻を失う大打撃を受けます。敗退直後から、海軍では同盟国のドイツに兵員を派遣し、ロッシェル塩を利用した探査技術を習得させ、艦艇の戦備を強化することにしました。昭和18年初頭から、海軍は全国のワイン醸造場に粗酒石の採取を働きかけ、粗酒石は山梨県の「サドヤ醸造場」に集めロッシェル塩を精製し、精製品は東芝などの大電機メーカに依頼して、対潜水艦用の水中聴音機の量産態勢を構築しました。水中聴音機は、まさにブドウから作る兵器です。
国税庁HPより *
記号 | 音名 | 周波数/Hz (有理和音) |
周波数/Hz (平均律) |
|
---|---|---|---|---|
E | ・・ホ | 660 | 659.25511382574 | |
C# | 嬰・・ハ | 550 | 554.365261953744 | |
C | ・・ハ | |||
H | ||||
B | ・ロ | |||
A | ・イ | 440 | 440 | |
G# | ||||
G | ・ト | |||
F# | ||||
F | ・へ | |||
E | ・ホ | 330 | 329.62755691287 |
平均律では、音階は、2の12乗根です。 iを虚数単位とすると、k番目の音階は、複素平面で、exp(2πki/12)の点で表されます。 ハ長調は、水平軸に来ます。イ短調が、垂直軸に来ます。 どの長でも 平行調 は、直交します。 トニック 、サブドミナント、ドミナントは、二等辺三角形になります。
平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、学期末に WebClass の 成績評価申請書 に申告していただき集計します。
授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みます。 WebClass への提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。
WebClass への平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、 成績評価申請書 に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。
成績評価申請書 では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClass に提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 2 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。