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関係者(共同研究者) | |
アルミニウムの建材に電気を流すには!
子供と家の中で,テスターの導通テストモードで,「ピー」というビープ音で遊んでいると,なぜか,無着色のアルミニウムサッシに電気が流れない!アルミホイルやシリコンコートアルミニウム箔,黒ホイルは流すに,なぜだろう.子供はピーピーというテスターに釘付けなの,僕は,自分の勉強不足を痛感した.
研究室を見回すとアルミニウムの建材があった.テスターを当ててみると,抵抗値は,OLと表示さる.テスターの仕様では.20MΩ以上を示している.エタノールで洗浄しても,アセトンで洗浄しても流さない.抵抗値は,OLが表示されるのみであった.
5年以上前に,ESRの共振器の開発で使った銀ペーストの残りを見つけた.溶媒が揮発しているので,アセトンを加えて,塗ってみたが,電流は流れない.ドリルで削り,削った面にテスターピンの一方を,もう一方を建材の側面の切りだし面に当て,抵抗値を測定すると,0Ωを示す.
周波数特性はどうだろうと,アルミニウム建材の電流を流さなかった面に,銀ペーストを塗り,画鋲を貼り付けて,LCRメータで測定してみた.
というところであろう.電極面積は,1平方センチメートルってとこかなぁ.LCRメータの結果は,
100 kHzでは,Cp = 2nF, θ=-75°, ESR=0.5kΩ
100 Hzでは,Cp= 4nF, θ=-85°であった.
途中の結果は省略するが,位相角は,100~100kHzで,-85°から徐々に-75°まで推移した.
そこそこ,交流は流すんだね.
M2のタッピングをして,SUSネジでアノードのリードを取り出して,下記のセルにして,周波数特性をラフに測定してみた.
アルミニウム建材セル (SUS|銀|Al|Al-建材|銀|画鋲)
アルミニウム建材の周波数特性(周波数 vs. インピーダンス)1)
アルミニウム建材の周波数特性(周波数 vs. 位相角) by 2)
銀ペースのないところで,画鋲を当てると,θ=-89°, Cp = 20pF程度だった.
電源装置で50Vの電圧を印加しても,一瞬電流が流れて,その後は,流れない.正確には,電源装置のパネルに表示される電流は10uA以下である.
電気が流れないのは,建材の表面処理のポーラス皮膜かな? 建材の表面に強固な樹脂コートという意見もあった.
なには,ともあれ,本日の春休みの自由研究は,これまで.学生時代に,授業でアルミニウムの皮膜に金属を当てると電気が流れると聞いたような気がするけど,流れないこともあるんですね.
学生さんに実験してもらったら,高電圧電源で,徐々に電圧を印加していくと,130Vで,パチント音がして,電流が流れだした.130V以上の電圧を印加すれば,電気が流れだすようである.
さてと,授業の準備をしよう.子供からの宿題の謎解きは,またに続く・・・