技術が危険なものを安全に使いこなす知恵だとしたら、 その知恵は誰の知恵のことでしょう。
たとえば消費者が粗悪品の危険を知らず、安価なものだけ買い求めたとしたら、囚人のジレンマに陥ります。
立花\伊藤 | 【A】.伊藤は高級品を売る | 【B】.伊藤は粗悪品を売る |
【1】.立花は高く買う | 【A-1】.
立花:100(満足度)-100(買値)=0 伊藤:100(売上)-100(原価)=0 |
【B-1】. 立花:50(満足度)-100(買値)=-50 伊藤:100(売上)-50(原価)=50 |
【2】.立花は安く買う | 【A-2】.
立花:100(満足度)-50(買値)=50 伊藤:50(売上)-100(原価)=-50 |
【B-2】.
立花:50(満足度)-50(買値)=0 伊藤:50(売上)-50(原価)=0 |
囚人のジレンマの利得表を書き換えるために、 政体によるインセンティブやペナルティのルールが決められます。 かたや不要なルールは、自由権を侵害してしまうので、ルールは慎重に決められます。
誰かがルールを守らず抜け駆けしてしまうと、みんなが損をするので、 コンプライアンスが大切です。
国民の信託により議会で成立した法律は、国家権力による取り締まりが行われる最強のルールです。 一旦、法律になったら、万人に杓子定規であてはめなければなりません。 最強だからこそ、慎重の上にも慎重に決めねばなりません。
PL法も、消費者側と製造者側の双方の利益を公正に守るため 多くの議論が交わされ、 さらに外国からの働きかけもあって、長い時間を費やして成立した法律です。
移動体通信(携帯電話)、ADSL、RFID(非接触型ICカード・ICタグ)、スマートメーター、製紙の黒すかし、などは、法律により技術の行使が認められていない時代がありました。時代が下ると法改正による規制緩和で、利用できるようになりました。技術者たちの政府に対する並々ならぬ働きかけがあったと思われます。
規制緩和によって幸せにつながった技術を探してみましょう。 ひとつを選んで、技術と法律の関係について議論してみましょう。
例) 著作権法の 「放送番組のインターネット同時配信等の権利処理の円滑化」を選んだ。
デジタル技術の普及で、音楽・画像・映像が、誰でもかんたんにコピペできるようになった。 消費者が不当にコンテンツをコピペして、クリエーターの権利を侵害することがないように、 著作権法が規制強化され、国家権力による取り締まりを強化した。
しかしながら放送番組のインターネット同時配信等では、 放送では権利者から許諾が得られても、同時配信等の許諾が得られないため、 放送番組に用いている音楽・画像・映像等を差し替えるといった「フタかぶせ」が行われていた。
そこで、令和3年の 著作権法の 規制緩和により 放送番組のインターネット同時配信等ができるようになり、 視聴者・放送事業者・クリエイターの全てにとって利益となることが期待できる。
ワークショップを楽しみましょう 3 ) 。 グループ人数は、5〜6名とします。 7名を超えないようにしてください。
初対面の場合は、自己紹介をしましょう。 雑談をして、アイスブレイクしましょう。
リーダー(司会進行)を決めてください。 そのほかのメンバーの 役割(記録係、資料作成係、プレゼンター( 登壇者))を決めてください。
グループ名を決めてください。
記録係は、試験答案用紙表面の最上部に、授業科目名、グループ名を記入してください。 メンバーは、記録係に従い、学籍番号、氏名、役割を直筆署名してください。 その際、 筆頭著者を登壇者の氏名の前に〇をつけてください。
討論を開始したら、記録係は討論の内容を裏面に記録してください。
討論がまとまったら、資料作成係は、試験答案用紙表面に グラフィカルアブストラクト に表現してください。
グラフィカルアブストラクトを撮影し、WebClassにアップロードしておくと復習に便利です。
登壇者は、プレゼンテーションのイメージをしましょう 4 ) 。 メラビアンの法則を意識して、 非言語表現も工夫しましょう 5 ) 。
グループ名が指名された後で、じゃんけんなどで登壇者を決めるのは、授業進行の妨げとなりますので、 必ず、討論前に 登壇者を決めてください。
記名だけして、討論に参加しない場合、不正行為として扱うことがありますので、必ず討論に参加してください。 自分から参加できなそうな人には、積極的に声がけをお願いします。 期末の 成績評価申請 時に、グループ名やメンバー、討論の内容を思い出せるよう、答案用紙を撮影することを推奨します。
ランダムにグループを指名し、壇上で、 プレゼンテーションしてもらいます 6 ) 。 質疑応答の際も、グループを指名しますので、指名されたグループのプレゼンターが質問、コメント、アドバイスをしてください。 ディベートとしての反対意見は、大歓迎です。
資料作成係は、討論の内容をポスターとして、試験答案用紙の裏面にまとめてください。 資料作成係に従って、他のメンバーが代筆してもかまいません。
*平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、学期末に WebClass の 成績評価申請書 に申告していただき集計します。
授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みます。 WebClass への提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。
WebClass への平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、 成績評価申請書 に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。
成績評価申請書 では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClass に提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 7 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。