炭素材料は共役系の電子で電気を流します。これは金属中の自由電子の動きとは異なります。
アセチレンブラック、ファーネスブラック カーボンナノチューブ
炭素材料と導電助材
粒子一粒の体積 V 〔m3〕は粒径 r 〔m〕の3乗に比例し、表面積は粒径 r 〔m〕の2乗に比例するので、活物質の粒径 r 〔m〕に対する導電助材の粒径 r 〔m〕比nが小さいほど、導電助剤の総体積は少なくてすみ、活物質の総体積と導電助剤の総体積のnとなります。例えば、3.5ミクロンの活物質に35nmの導電助剤を使う場合、その体積比は100:1程度になります。実際には導電助剤の偏在や形状の影響で、導電助剤はもう少し余計目に配合することになります。
活物質に接触するということだけの視点では、それでよいのですが、実際には集電体から活物質までのネットワークが形成されていなければなりません。導電助材の配合量が少なくなると、ネットワークを形成している導電パスの断面積 S 〔m²〕が小さくなり、ネットワークの電気抵抗が徐々に大きくなると考えられます。しかし導電パスの断面積は一定以下になれず、よく分散された導電助材はむしろパーコレーション理論に従うと考えられます。パーコレーション理論の示す通り、ある閾値を下回ると急激に電池反応を起こさなくなります。
リチウムイオン二次電池の正極合材において正極活物質に対して導電助材の割合がある比率以下だと電池動作できなくなったり、プレス圧が大きすぎて液回りが悪く正極合材中の空隙率がある比率以下だと電池動作できなくなったりする現象もパーコレーションです。
【材料】炭素材料
カーボンナノチューブ
カーボン材料1)
LiMn2O4系に対する導電付与材、集電体&電解液の効果2)
セラミックス材料~正極活物質と導電助材の働き~3)