技術者倫理

ゲーム理論を調べてみましょう。

倫理観や価値観は、個人による違いもあります。 マルクスの資本論によれば、お金で買える価値を、交換価値といいます。 交換価値で考えれば、個人の損得と公益について、ある程度理論的に考えることができます。

損得にまつわる話に、あまりいい話はありませんが、 たとえば、「いくらもらったら、恋人とのデートをすっぽかす?」として、 恋人の価値を価格で見積もることができます。

価値を数値で見積もり、どの行動が、もっとも得かを 合理的に計算する数学を、ゲーム理論と言います。

ところがプレーヤー同士がお互いに得になるように行動すると、お互いに損になってしまうことがあります。 こういうことをジレンマと言います。 ゲーム理論では、このジレンマに対して合理的な解を与えます。

囚人のジレンマ共有地の悲劇)」に該当する例を、 資源問題、環境問題、社会問題、あるいは身近なことからひとつ選びましょう。 そして、どうやったらジレンマが解決できるか話し合いましょう。


例1) 囚人のジレンマを選んだ。 対応させる、身近な実際の例として、報告書のコピペの例を選んだ。

囚人のジレンマは、二人プレーヤーの1回ゲームである。

得られる報告書の点数と、費やした時間を合計して、利得とした。

すると伊藤が自分で報告書を書いた場合、立花は、120分かけて報告書を書くと利得が-20、伊藤の報告書をコピペすると利得が100となり、 伊藤の報告書をコピペした方がお得だとわかった。

また伊藤は立花の報告書をコピペした場合でも、立花は、120分かけて報告書を書くと利得が-60、伊藤の報告書をコピペすると利得が0となり、 伊藤の報告書をコピペした方がお得だとわかった。

このように、いずれの場合でも、伊藤の報告書をコピペした方がお得なので、立花にとっての支配戦略は、伊藤の報告書をコピペすることとなった。

提出〆切ぎりぎりまで、コピペしようと伊藤の報告書の出来上がりを待っていたが、 伊藤も同じことを考えていたらしく、最後は、伊藤も立花も0点となってしまい、ふたりとも学力も評価も得られない結果となった。

囚人のジレンマは、有限回繰り返し回ゲームでも、同じナッシュ均衡になることが知られている。 またn人プレーヤーの場合は、共有地の悲劇コモンズの悲劇) として知られている。 無限回ゲームの場合は、協調戦略となる。

  1 囚人のジレンマ利得表
立花\伊藤 【A】.伊藤は120分かけて報告書を書く 【B】.伊藤は立花の報告書をコピペする
【1】.立花は120分かけて報告書を書く 【A-1】.
立花:100点-120分=-20
伊藤:100点-120分=-20
【B-1】.
立花:100点-120分=-60
伊藤:100点-0分=100
【2】.立花は伊藤の報告書をコピペする 【A-2】.
立花:100点-0分=100
伊藤:100点-120分=-20
【B-2】.
立花:0点-0分=0
伊藤:0点-0分=0
損得と善悪 知的財産権 サプライチェーン

例2) 囚人のジレンマを選んだ。 対応させる、身近な実際の例として、円安に伴うお店の値上げとお客の関係を選んだ。

表 囚人のジレンマ利得表
お客\お店 【A】.値上げする 【B】.値上げしない
【1】.そのお店に行く 【A-1】.
お客:50
お店:20(客足が遠のく)
【B-1】.
お客:80
お店:50
【2】.そのお店に行かない 【A-2】.
お客:100
お店:0
【B-2】.
お客:100
お店:0
損得と善悪 知的財産権 サプライチェーン

円安が長く続き、原材料や光熱費が高騰し、さらにコロナが続くと、お店は倒産し、お客もお店を失うことになる。


発展) 人命も宇宙船も失う大事故が起こる リスクについて、技術者は1%と見積もり、NASAの幹部は0.001%と見積もりました。最終的にリスクは無視できる些細なものとされ、打ち上げは実行され、悲劇が起きました。左遷され、村八分にされ、神経病を患って、ユタ州に逃れたモートン・サイコオール社のロジャー・ボジョリー氏が不利益にならないように、利得表を書き換えるペナルティあるいはインセンティブを与えるルールがあったとしたらそれはどんなものでしょうか?



ワークショップについて

ワークショップを楽しみましょう 1 ) 。 グループ人数は、5〜6名とします。 7名を超えないようにしてください。

初対面の場合は、自己紹介をしましょう。 雑談をして、アイスブレイクしましょう。

リーダー(司会進行)を決めてください。 そのほかのメンバーの 役割(記録係、資料作成係、プレゼンター( 登壇者))を決めてください。

グループ名を決めてください。

記録係は、試験答案用紙表面の最上部に、授業科目名、グループ名を記入してください。 メンバーは、記録係に従い、学籍番号、氏名、役割を直筆署名してください。 その際、 筆頭著者を登壇者の氏名の前に〇をつけてください。

討論を開始したら、記録係は討論の内容を裏面に記録してください。

討論がまとまったら、資料作成係は、試験答案用紙表面グラフィカルアブストラクト に表現してください。

グラフィカルアブストラクトを撮影し、WebClassにアップロードしておくと復習に便利です。

登壇者は、プレゼンテーションのイメージをしましょう 2 ) メラビアンの法則を意識して、 非言語表現も工夫しましょう 3 )

グループ名が指名された後で、じゃんけんなどで登壇者を決めるのは、授業進行の妨げとなりますので、 必ず、討論前に 登壇者を決めてください。

記名だけして、討論に参加しない場合、不正行為として扱うことがありますので、必ず討論に参加してください。 自分から参加できなそうな人には、積極的に声がけをお願いします。 期末の成績評価申請時に、グループ名やメンバー、討論の内容を思い出せるよう、答案用紙を撮影することを推奨します。

ランダムにグループを指名し、壇上で、 プレゼンテーションしてもらいます 4 ) 。 質疑応答の際も、グループを指名しますので、指名されたグループのプレゼンターが質問、コメント、アドバイスをしてください。 ディベートとしての反対意見は、大歓迎です。

資料作成係は、討論の内容をポスターとして、試験答案用紙の裏面にまとめてください。 資料作成係に従って、他のメンバーが代筆してもかまいません。

*

✍ 平常演習

平常演習の配点と取り扱いについて

平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、期末にWebClassの成績評価申請書に申告していただき集計します。

授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みますので、 WebClassへの提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。

WebClassへの平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、成績評価申請書に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。

成績評価申請書では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClassに提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 5 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。


参考文献


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https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/Public/57420/_02/q_108.asp
名称: 教育用公開ウェブサービス
URL: 🔗 https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/
管理運用 山形大学 学術情報基盤センター

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