語釈1.
電解液にかかる電圧 V 〔V〕を次第にましてゆくと、ある電圧から急に電流が流れるようになり、電気分解が始まります。この電圧を分解電圧と言います。電極電位 E 〔V〕からの差を過電圧といいます1)2)。温度の関数です。一般に温度が高くなるほど分解電圧は小さくなります。
この過電圧は活性化過電圧とも呼ばれ、活性化エネルギーに対応します。工業電解ではエネルギー効率を高めるために過電圧を小さくする工夫がされています3)。
分解電圧を超えると溶液抵抗が律速となりオームの法則が成立します。
リチウムイオン二次電池などでは、寿命をのばすのに、電解液が分解しないように工夫します。EDLCでは電解液の分解電圧が耐電圧を決めます。
【物理量】フラットバンド電位フラットバンドポテンシャル x 〔V〕温度 T 〔K〕
【関連講義】
- (1) 遠藤 昌敏.
無機・分析化学応用実験:分解電圧 ~速度論的取り扱い
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現代物理化学序説 改訂版
. 培風館, 198. . - (3) 山下正通、小沢昭弥.
現代の電気化学
. 丸善, 2012. . - (4) 電圧―電流曲線,電圧,電流, (プロット).
- (5) 遠藤 昌敏.
無機・分析化学応用実験:金属の種類による過電圧の違い
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エネルギー化学特論:電池と内部抵抗(2013_H25)
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=3834. (参照2013-05-08).