旭化成ケミカルズ株式会社川崎製造所工場見学報告2006-05-31 【DF】【見学】旭化成ケミカルズ神奈川県川崎市
本文: 神奈川県1)の川崎市は東海道53次の3番目、江戸へ向かう参勤交代の大名には多摩川が自然の要害となっていて本陣が2軒もあった宿場町。戦後は石油化学コンビナートとして発展し、大気汚染による川崎公害訴訟などの問題も克服し現在に至っています。その無数のパイプで結ばれた工場群がひしめく臨海地域の一角に旭ケミカルズ株式会社川崎製造所がありました。
正門近くにその周辺でもっとも高かった9階建てのポリマーセンターがあり、その屋上から一望する化学プラントは、さながら半導体CPUの回路パターン。接岸した船舶から液体原料をパイプで輸送しタンクで反応させモノマーやポリマーとして出荷します。出荷された製品は自動車のダッシュボード、バンパー、ヘッドライトのカバー使う樹脂原料となります。
押し出し成形のにおいがわずかに感じられる程度で、においはほとんどなく、ベントからの排気も全て完全に処理しているとのこと、大気汚染に対する対策の努力が推察されます。
現場のエンジニアの高齢化が進んでおり、中には従業員平均年齢が50才代のところもあるとのことで、プラント技術の継承について心配されるところです。生産効率向上のためどうしても若手教育まで手がまわらないとの話を聞かされると、教育機関としての大学の重責を改めて考えさせられました。
サランラップ(ポリ塩化ビニリデン)、CD(ポリカーボネート([-O-Ph-C(CH3)2-Ph-O-(C=O)-]n))、塩(イオン交換膜)など身近な生活を支える技術だけに、エンジニアいなくなると、えらいことになります。
そんなわけで、しっかり勉強してください!
貴重な見学をさせていただいた旭化成ケミカルズ川崎製造所の皆様と、このような機会を設けていただきましたディレクトフォースの皆様に御礼申し上げます2007-01-24 ディレクトフォース。
http://www.direc…
追伸、最近有名な旭化成で開発されたホスゲン(猛毒!)を使わないポリカーボネートの製造プロセスは人件費の安い海外工場で立ち上げられたそうです。
海外の若者の技術力はつくことでしょうねえ・・・どうする日本の若者!?
追伸、赤緑青で環境をあしらったTPMマークのデザインがとってもおしゃれでした。
追伸、ポリマーセンター入り口には潜水艦で海を渡ってきた射出成型機が。詳しくは「深海の使者」をごらんください。
資料番号:102190051001国立科学博物館 産業技術史資料情報センター2)
所在等:旭化成株式会社 化成品樹脂開発・技術センター旭化成ケミカルズ株式会社川崎製造所@神奈川県川崎市3)
所在地:神奈川県川崎市
製作(製造)年:1933
調査機関団体:塩ビ工業・環境協会等
http://www.amazo…
2006-05-01 2006年5月
【関連講義】
燃料とエネルギープラント4)
無機工業化学,製塩、イオン交換膜と燃料電池、工業電解製塩、イオン交換膜と燃料電池、工業電解@2008_H205)
【関連書籍】
図解ひと目でわかる旭化成(目次)6)
7)