立花和宏,
1998年電気化学秋季大会
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長岡技術科学大学,
【学会】炭素接触によるリチウム二次電池集電体アルミニウム陽極酸化皮膜修復の抑制⇒#5@学会;
炭素接触によるリチウム二次電池集電体アルミニウム陽極酸化皮膜修復の抑制
立花和宏,1998年電気化学秋季大会講演要旨集 (1).
このころ集電体と炭素接触について調べ始めたのでした1)。
炭素接触によるリチウム二次電池集電体アルミニウム陽極酸化皮膜修復の抑制
1.緒言
金属を電池の集電体として用いる場合、それ自身は電解液に対して不溶性電極であることが要求される。それは集電体金属が不働態化していることを意味し、表面酸化皮膜を形成していることを意味する。そこでリチウム電池の正極集電体としてアルミニウムが用いられる。アルミニウムの酸化皮膜は絶縁性ではあるが、さまざまな欠陥部を含み、通常水溶液中ではその破壊と修復が繰り返されていると言われている。(1)その酸化皮膜は電解コンデンサの誘電体(絶縁体)として応用され、電池活物質に直接電流を供給できないと考えられる。そこで電池には活物質に電流を供給するために導電助材として炭素が用いられる。しかし炭素がアルミニウム酸化皮膜の修復をどのように抑制するのか検討された例はほとんどない。そこで、ここでは導電助材である炭素とアルミニウム集電体の酸化皮膜の異種接触界面について検討した。
2.実験方法
アルミニウム集電体を電極として、5wt%アジピン酸アンモニウム水溶液中で200Vの定電圧を印加して陽極酸化皮膜を形成し、その電極上に炭素、LiMn2O4とテフロン分散液を混練圧着して試料電極を作成した。その試料電極についてアジピン酸アンモニウム水溶液および1M LiBF4/PC+DME電解液中で、サイクリックボルタンメトリーを行った。
3.結果と考察
図1にアジピン酸アンモニウム水溶液中におけるサイクリックボルタモグラムを示す。LiMn2O4を接触させた場合は電流が全く流れないが、炭素を接触させた場合は電流が流れ、皮膜の修復が行われなくなることがわかる。その際、電解液へのアルミニウムの溶出は見られなかった。
図2にLiBF4/PC+DME中におけるサイクリックボルタモグラムを示す。酸素供給源であるH2Oが極微量である非水溶液系においても、炭素とLiMn2O4を接触させた場合に顕著な過電圧の違いが現れた。このことは、炭素の接触によって酸素による欠陥部修復ばかりではなく、アニオン吸着による欠陥部修復まで抑制されていることを示唆している。
タンタル固体電解コンデンサでは、陽極酸化皮膜に二酸化マンガンを積層して陽極酸化皮膜の絶縁性能を向上させ、(2)二酸化マンガンの電析プロセスでは、酸素過電圧の小さい酸化ルテニウムをアノード材料に用いてアノード酸化皮膜の生成を抑制する。(3)これらのように酸化皮膜はその接触物質の種類によって、絶縁性から導電性まで変化する。リチウム電池のアルミニウム酸化皮膜も、活物質との接触で絶縁性となり、炭素との接触で導電性になると考えられる。このことは活物質が導電助材である炭素を介して集電体と電流を授受していることを裏付ける。
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004~),学会発表1998@C12)
【学会】3)
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立花和宏.
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炭素接触によるリチウム二次電池集電体アルミニウム陽極酸化皮膜修復の抑制
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1998年電気化学秋季大会, 長岡技術科学大学.
1998.
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