○久保篤嗣,伊藤智博,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,尾形健明,
2005年電気化学秋季大会
,
千葉大学工学部,
炭素を塗布したバルブメタル表面上における有機電解液酸化分解のラジカル分析
(山形大工*1、山大院理工*2)○久保篤嗣*2,伊藤智博*1,立花和宏*1,仁科辰夫*2,遠藤孝志*1,尾形健明*1
Radical analysis of organic electrobath oxidation resolution on valve metal surface where carbon was spread
K.Atsushi, I.Tomohiro ,T.Tatibana, N.Nishina, E.Takashi O.Takeaki, (Yamagata Univ.)
ESRはラジカルを評価するのに有効である1)。
本研究ではバルブメタル2)を電極とし、LiClO4/EC-DEC(1:1)を分極すると、ラジカルが発生する。それが電解液劣化の原因として考えられる。そこで、電解液中にラジカットを混入し、ラジカルの抑制を検討する3)4)。
ESRで調べました5)。
1. 緒言および目的
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの小型電子機器が急速に普及し、リチウムイオン二次電池への関心が急速に高まっている1)。
鈴木らは、リチウムイオン二次電池の用途拡大にはサイクル寿命特性の向上が不可欠であると述べている2)。リチウムと遷移金属との複合酸化物に、酸素ラジカルを捕捉する機能を有する有機化合物を添加すると、充電状態で保存した場合に電解液の分解が起こりにくいと報告されている3)。しかし齋藤らは、電池の劣化は容量や出力低下として現 れるがその要因については明らかにされていないと述べている4)。 そこで、本研究では現行型リチウムイオン二次電池よりも安価なLiClO4/EC-DECを電解液とし、試料極にバルブメタルを用いて、電池の劣化原因であるラジカルの特定とその抑制を行うことを目的とした。
2.方法
タンタル、ニオブ箔(厚さ0.05mm、純度99.9%)、アルミ箔(多結晶、99.99%、厚さ0.1mm)を旗型に切り出し、アルカリ脱脂を施した。その試料にアチレンブラック(AB)、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB平均球形25μm)を塗布したものを電極とした。バインダーはAB、MCMBともにキトサン誘導体系バインダーとKFポリマーを用い、測定用セルの電解液にはLiClO4/EC-DEC 50:50(キシダ化学)を用いた。試料極には前述の試料を用い、対極にはPt、密閉式の二極式セルとした。1mAの定電流を20分間流し、その後電解液をサンプリングし、その直後、20分後および1時間後にESR測定を行いラジカルの強度比を測定した。
3.結果および検討
電解終了直後のESRスペクトルをFig.1に示す。これはg値2.011、hfccが1.70mTの4本信号を示したことから、塩素系ラジカルであると考えられる。Fig.1、2より、ニオブ箔だけの場合のラジカル強度比は約0.45(-)、 KFポリマーを用いてABを塗布したものはほぼ0(-)となった。これはニオブ箔だけに限ったことではなく、タンタル、アルミ箔でも同様の結果が得られた。MCMBの場合と比較すると、アルミ、ニオブ、タンタル箔のラジカル強度比はそれぞれ0.176(-)、0.117(-)、0.132(-)となり、ABを塗布した電極の方がラジカルを抑制することができた。
4. 参考文献
1)鈴木 剛平,小川昌彦,第44回電池討論会講演用紙集 p.408(2003).
2)松下忠史,金村聖志,第44回電池討論会講演用紙集 p.278 (2003).
3)特開平09-320592.
4)齋藤喜康,Md.Khalilur Rahman,電気化学会第72回大会講演要旨集 p.275(2005).
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004~),カーボン材料6)
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○久保篤嗣,伊藤智博,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,尾形健明.
<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/Academic/@Meeting.asp?nMeetingID=190'>
<q><cite>
炭素を塗布したバルブメタル表面上における有機電解液酸化分解のラジカル分析
</q></cite>
</a>.
2005年電気化学秋季大会, 千葉大学工学部.
2005.
</article>
</li>
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