立花和宏,○赤峰広規,風間晃,遠藤孝志,仁科辰夫,尾形健明,
表面技術協会第112回講演大会
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石川県地場産業振興センター,
定電位アノード酸化保持の温度変化におけるニオブアノード酸化の構造変化(仮)1)
2)ニオブコンデンサ用固体電解質のニオブアノード酸化皮膜への最適塗布条件3)電解コンデンサ用カソード材料の接触によるニオブアノード酸化皮膜の欠陥修復4)
1. 緒言及び目的
ニオブ固体電解コンデンサは酸化皮膜を誘電体として用いる1)。長原らは、ニオブアノード酸化皮膜の比誘電率42はであり、タンタルアノード酸化皮膜の比誘電率(23~27)に比べて大きいので、ニオブコンデンサーの開発が進めば、コンデンサの更なる小型大容量化が期待できる。しかし、ニオブアノード酸化皮膜は、熱による影響を受けやすい、と述べている2)。長原らの研究は、電解液60℃、定電位100Vに保持した際のエージング時間の違いの皮膜の構造変化が研究されているが、電解液の温度変化に対する皮膜の構造変化は研究されていない。そこで、電解液の温度を変えてエージングを行い、皮膜の構造変化の観察し、漏れ電流が小さくなる条件を検討することを目的とした。
2. 方法
ニオブ箔(厚さ0.05mm、純度99.9%)を旗型に切り出し、アルカリ脱脂後、5分間超音波洗浄した。その後、旗型電極の柄の部分を50Vでマスキングし、電極面積が1cm2となるようにした。0.015Mリン酸水溶液,25℃で電流密度0.4mA/?で定電流アノード酸化し、電位が20V・100V(VS.Ag/AgCl)に達したら180分エージングした。参照極にAg/AgCl、対極にPtを用いた。次に同じ条件で温度を60℃にして行った。化成前、25℃化成後、60℃化成後のニオブをSEMにより観察した。
3. 結果および検討
図1に電解液60℃、20Vの化成時のニオブアノード酸化皮膜のSEM写真を示した。2万倍での写真だが、欠陥がほぼ見られなかった。それに対し、図2に示した電解液およそ25℃、100Vで化成したニオブアノード酸化皮膜は、直径約1μmのひび割れが見られた。図3の電解液60℃、100V化成のニオブアノード酸化皮膜には、約直径
1~5μmの花びら状欠陥が見られた。3時間後の漏れ電流が60℃、20V化成ののニオブは約1μAで、25℃、100V化成のニオブは約10μA、60℃、100V化成のニオブは約18μAだったことから、化成電位、セル内温度が上がれば、欠陥が成長し、漏れ電流が増えることがわかった。
デジタルハイスコープ(HIROX KH-2400)5)での観察も見事でした。
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立花和宏,○赤峰広規,風間晃,遠藤孝志,仁科辰夫,尾形健明.
<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/Academic/@Meeting.asp?nMeetingID=188'>
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定電位アノード酸化の温度条件とバルブメタルアノード酸化皮膜の構造変化
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表面技術協会第112回講演大会, 石川県地場産業振興センター.
2005.
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