物質化学工学実験Ⅱ 戻る 進む
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🌡️ 📆 令和6年4月27日

物質化学工学実験Ⅱ

物質化学工学実験Ⅱ・Ⅲのガイダンス

日時や場所や持ち物については掲示板を確認してください.

受講するにあたって

安全第一で実験しよう。 山形大学工学部安全マニュアルを熟読しよう。 万一、火災を発見したら「火事だー!」と叫び、守衛室(内線3027、携帯からは0238-26-3027)へ緊急通報すること。

高校物理を復習しよう( わかりやすい高校物理の部屋)。 電気化学を復習しよう。 3ボルト が生み出す洗剤と水素―電気化学工業―を予習しよう。

準備してあるもの

準備されている試薬は市販品の原液です。 無機化学基礎で学んだ濃度の計算を使って試薬の調整をします。

初回

【ポイントゲット】マイテスターを準備してきた人は,自分の名前の記述されたテスターおよび購入時のレシート(または,同等品)をノートに添付し,写真をGoogle+に投稿してください.(提出先→Google+)
単位の認定は,やったことで評価して行います.

先生:「グループ分けをします.テーブルごとに2グループとなります.」

1. 電流・電位・電気量の測定とファラデーの電気分解の法則

硫酸銅水溶液の中でゼムクリップをめっきすることで、電流、電圧、電気量を測定し、ファラデーの電気分解の法則を理解します。 具体的な実験内容については 詳細なテキストをごらんください。

物質量n〔mol〕と 電気量n〔C〕 は比例します。これをファラデーの電気分解の法則と言います。 比例定数はファラデー定数F=96485.3415〔C/mol〕です。


先生:「電気の量ってどうやって測ると思う?」
学生:「電気・・・ってそれ化学なの?」
先生:「
電気化学 で習ったことを思い出して!もともと電気の量は物質の量に換算して求めることができるんだよ」 学生:「あ、そういえば・・・ファラデーの電気分解の法則!」
先生:「もっとも正確で定番中の定番の実験は銀クーロメーターの実験なんだけど、 は高価なので、ここでは 材料 が安価で工業上の目的にもよく使われる銅クーロメーターの実験を通して 電流・電位・電気量の測定とファラデーの電気分解の法則の理解をするね!」
先生:「実験では,硫酸銅3.0mgがめっきされたゼムクリップを作成してください.」
先生:「美しく,3.0±0.2mgの精度の重さで銅めっきされたゼムクリップを作ろう.」
先生:「硫酸銅の秤取りが終わらなくても,めっき前のゼムクリップの秤量ができるので,空いている方からやってください.」
先生:「環境に配慮して,廃液の量は,一人当たり10mL以下で実験してください.また,水道は,原則使用しないでください.ただし,薬品が着いた場合は,速やかに水道で流してください.」
先生:「実験終了時刻は,15:55まです.Google+への投稿も15:55までとします.」
学生:「了解!」
先生:「第1回~第3回までの使用する器具を配布します.実験器具は現状復帰をしてください.TAさん,配布について説明してください.」
学生:「了解!」
(…実験の器具…)
先生:「次回の実験は,実験器具の都合上、「電池の起電力と分解電圧」のテーマと「工業への応用」のテーマはローテーションしてください。」
先生:「本日の実験は,一人一人やってください.」
(…続き…)

【ポイントゲット】課題

2. 電池の起電力と分解電圧

実験器具の都合上、「電池の起電力と分解電圧」のテーマと「工業への応用」のテーマはローテーションしてください。

グループ単位での単位認定となります.実験ノートには,グループ全員の実験者の署名も記述してください.

【ポイントゲット】グループリーダになったら実験ノートにグループ名,共同実験者,リーダ名を記述して,ノート写真をGoogle+に投稿してください.

本日のテーマで配布されている試薬はすべて市販品の原液です.目に入ると失明しますので,保護メガネを着用してください.

寒天とテフロン分散液を吸い上げるときは,ケミカルスポイトを使ってください.

失敗事例のGoogle+への投稿は加点です.

片づけも含めて,実験(納期)は,15:55までです.Google+への投稿も15:55までとします

準備・安全第一・グリーンケミストリ・法律対応

2.1 電池の起電力の測定

電池の起電力は電流を流さずに測定せねばなりません。そのための工夫を理解した上で、まずはダニエル電池の起電力を測定しましょう。次に参照電極として銀塩化銀電極を使って単極電位を測定しましょう。最後に活物質の濃度を変えてネルンストの式が成り立つをことを確認しましょう。


先生:「1Vって何?」
学生:「なんだろうなあ・・・」
先生:「ネットで調べてごらん」
学生:「アルミとか使ったときの電圧ですか?」
先生:「それで乾電池の電圧はかってみ」
学生:「テスターとか使っちゃだめなんですか?」
先生:「テスターは人が作ったものだよね?人類で最初に電圧を測った人はどうやったと思う?」
学生:「・・・」
先生:「それなら電池の起電力の測定の実験をやらないと!
学生:これまた電気化学定番中の定番の実験」
学生:「そうなんだ!」
先生:「まずはウェストン電池の起電力が基準になるよね。電圧は何ボルトかな?
電気化学 で習った電池式は覚えてる?」
学生:「Cd(Hg)とHgの電位差だからな。1.0138Vです。」
先生:「寝るんストの式はさておき、正解!」
学生:「ウェストン電池は、液がこぼれて困るんですが?」
先生:「ICに電圧基準が組まれて液漏れはしない時代、実験では実際にICをつかって基準電源を組みててつかいましょう。」
(…続き…)

【ポイントゲット】課題

分解電圧の測定

ここでは実際に電気分解が始まる分解電圧と、平衡電位の差から求めた理論分解電圧の違いから過電圧を実測し、 その過電圧が析出物質や電極材料によってどう変化するかを実験で確かめます。


先生:「水に電気を流すとどうなると思う?」
学生:「酸素と水素に分解します!」
先生:「正解!じゃあ何Vぐらいで分解するかな?」
学生:「1Vぐらい?」
先生:「理論分解電圧1.23V、どこかの引越しやサンみたいでおぼえやすいでしょ、でもね実際の分解電圧は電極の種類や電解液の種類でも違うんだ」
学生:「そうなんだ!」
先生:「電圧が低いのと高いのでどっちが電気代が安い?」
学生:「電圧が低い方かなあ・・・」
先生:「では、どんな材料で電解槽を作ったら電気代が安くなるか実験してみない?」
学生:「ぜひぜひ!」
(…2.1続き…)

【ポイントゲット】課題

3 . 工業への応用

先生「電気化学の講義を応用して,工業製品を作ろう」
先生「自動車などのカラフルな塗装のアルマイト, プリント基板にパターニングするエッチング, LEDを光らせる2個直列したアルカリ電池, ディスプレイへ応用が期待されるエレクトロクロミズム を自作しよう」

【ポイントゲット】実験終了時に,テーマで使用した試料と使用量を集計し,ノートに記録し,ノートの写真をGoogle+に投稿してください. 提出先→Google+

3.1 アルミニウムのアノード酸化(アルマイト加工)

アルマイト はいろいろな工業製品に使われているよ。 まずは現代の電気化学, p.149のアノード処理のところを読んでみよう。」
(…続き…)

【ポイントゲット】課題

3.2 金属の腐食(エッチング加工)

エッチング はいろいろな工業製品に使われているよ。

【ポイントゲット】課題

3.3 二酸化マンガンの還元(アルカリ乾電池)

電池 はいろいろな工業製品に使われているよ。 ここでは二酸化マンガンを使ったアルカリマンガン乾電池をビーカーで作ってみよう。

【ポイントゲット】課題

3.4 エレクトロクロミズム表示デバイス(電気→色:出力デバイス)

フラットパネルディスプレイ はいろいろな工業製品に使われているよ。

【ポイントゲット】課題

トラブルシューティング

試薬のラベルを読もう

試薬のラベルには分子量(FW)や含有量(Assay, Purity)などの情報を読んでください. 「濃度がわかりません.」などの悩みを小耳にする.学生実験では原則,市販の試薬を使用しており,その試薬瓶には,密度や含有量,分子量などの情報が記述されていることが多い. 試薬瓶の情報も活用して実験をしましょう.

粉末の薬品をこぼしたときの処理

こぼれた粉末の試薬は,Al-PET(Cu-PET,Fe-PETでもよい)を小さく短冊状に切って小さなスコップを2つ作って,集めてください. 集めた試薬は,スコップを使って「廃棄薬品」のラベルを貼った細口ポリ瓶に入れてください. スコップで細口ポリ瓶に入れられない場合は,実験台の上で,水に溶かして,スポイトで吸い取って回収または廃液に捨ててください. 水に溶かしてスポイトで吸い取る操作を数回繰り返して,自然界と同程度の濃度にしてください.

電池の消耗の確認方法

テスターで単三乾電池の起電力を測定してください.電池に豆電球を接続して,電池の電圧と豆電球に流れた電流を測定してください.この結果から電池の内部抵抗を求めてください.

豆電球の電圧-電流曲線(出典:後藤君の実験記録)

テスターのヒューズ切れ

電流計を電池に並列接続するとテスターのヒューズが切れることがあります.確認したいテスターの電流測定モードにしてください.電流レンジがある場合は,最大レンジにしてください. もう1台のテスターを準備して,抵抗モードにして,確認したいテスターのテスターピン間の抵抗を図ってください.

ヒューズが切れたテスターの場合,抵抗値がO.L.(オーバーレンジ)などと表示されます.O.L.の意味は,テスターの測定範囲外の大きな抵抗値であるということで,電流計が電流を流さない状況,すなわち,ヒューズが切れている可能性が高いです.

ヒューザが切れていない場合は,下図のように,抵抗値の値が数オーム程度(mAレンジの場合)に表示されれことが多いです.アンペアレンジの場合は,0.001オームの抵抗値を表示するテスターもあります.

ヒューズを交換するときは,説明書に従って交換してください.

最終日:評点の集計(最終日:20分)

【ポイントゲット】実験ノートに配点表を元に,3回の実験の評点を集計してください. 自主的に取り組んだ配点表にない項目でアピールできること(失敗談,安全への配慮,テキストの改善案)なども実験ノートに記述してください.追加加点とします. ご近所さん(同一グループ不可)に,Google+に投稿した実験記録(証拠)と集計結果を見せて,できるだけ多くのご近所さんからコメントと署名をもらってください. ノート提出時に単位認定の参考します.最後に,評点の集計したノートをGoogle+に投稿してください. 提出先→Google+

提出したノートに自己評価が記入されていない場合は,0点扱いとなります.実験の評点なので実験中に記入してください.物質化学工学実験IIの成績評価は,電気化学実験3コマと有機実験9コマの総合点となります. ノートを取りに来ない場合,夏休み終了後,2週間程度(10月中旬)に処分いたします.

普通級電位差計 電気化学


野村正勝・鈴鹿輝男 最新工業化学―持続的社会に向けて― 講談社サイエンティフィク
松林光男、渡辺弘, イラスト図解 工場のしくみ ,日本実業出版社
山下正通、小沢昭弥, 現代の電気化学, 丸善 , 目次 , (2012).


山形大学 大学院 理工学研究科 C1ラボラトリー
〒992-8510 山形県米沢市城南4丁目3-16 3号館(物質化学工学科棟) 3-3301
准教授 伊藤智博
0238-26-3753
http://c1.yz.yamagata-u.ac.jp/

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