有機電解液中におけるアルミニウムの不働態化
アルミニウム不働態皮膜と電池合材の接触抵抗
終わりに
二次電池の正極は、充電時にアノード分極される。したがって鉛電池やニカド電池にようにその集電体はアノード分極されたときの反応生成物が正極活物質になるのような金属が使われている。しかし、リチウムイオン二次電池では複合酸化物を正極活物質に使っており、しかもステンレスの耐食性を与えるような酸素や水分を含まない有機電解液を使っているため、集電体にはアルミニウムを使う必要があった。
アルミニウムは導電率が大きい上、軽く、機械的加工にも優れ、資源的にも優位な金属である。このアルミニウムに耐食性を与えるには有機電解液にも工夫が必要であった。
集電体に使う金属を選択する上で特に重要な点は耐食性と電解液の保護性能である。充電時にアノードに分極された際に、集電体金属自身が腐食溶解しないことが耐食性であり、電解液を酸化分解しないことが電解液の保護である。タンタルは水溶液中では優れた耐食性を有するが、LiPF6などリチウムイオン二次電池に使われる電解液中ではいとも簡単に腐食してしまう。金やチタンは耐食性はあるが、電解液を保護性能は低い。金は貴金属であって、それ自体反応しづらいがアノード分極されると電解液から電子を奪って酸化してしまう。チタンは酸化皮膜を作るが酸化皮膜の電子伝導性が大きいため、やはりアノード分極されると電解液から電子を奪って酸化してしまう。
乾燥固化したあとのバインダーが電解液を浸透性であれば、バインダーがアルミニウムの不働態化に及ぼす影響は少ない1)。またバインダーに含まれる水分は比較的影響は少ない。しかしバインダー分散液が中性から大きく外れるとアルミニウムは腐食する。
ブレークダウン電圧2):電子なだれを起こす電圧
耐電圧3):再アノード酸化可能な電圧
化成電圧4):
電位上昇速度5):
皮膜を通過する電流密度(高電場機構)6)
【講演】電気化学会関東支部セミナー7)
○立花和宏,…らは、2000年に千葉で開催された2000年電気化学秋季大会においてリチウム電池駆動用電解液中でのアルミニウムの不働態化-皮膜生成機構-について報告している8)。
立花和宏,○…らは、2000年に千葉で開催された2000年電気化学秋季大会においてリチウム電池駆動用電解液中でのアルミニウムの不働態化-水分の影響-について報告している9)。
図○にLiPF6中でのアルミニウムのブレークダウン電位(CP)のクロノポテンショグラム10)を示す。ここで、横軸は時間11)であり、縦軸は電位12)である。この図よりLIPF6中でのアルミニウムのクロノポテンショメトリーです。ブレークダウン電位は約17V。 有機電解液(リチウム電池、EDL…は、溶媒に有機溶媒を使った電解液です。 1M LiBF4/P…であることがわかる13)。
【関連講義】
卒業研究(C1-電気化学2004~),リチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化(2001)14)
卒業研究(C1-電気化学2004~),アルミニウム|有機電解液界面15)
リチウムイオン二次電池における正極合材のバインダーとアルミニウム集電体の表面接触特性
○田中智,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,尾形健明,第45回電池討論会, (2004).
【講演】電気化学会関東支部セミナー
立花和宏, 研究ノート, (2005).
リチウム電池駆動用電解液中でのアルミニウムの不働態化-皮膜生成機構-
○立花和宏,佐藤幸裕,仁科辰夫,遠藤孝志,小野幸子,2000年電気化学秋季大会, (2000).
リチウム電池駆動用電解液中でのアルミニウムの不働態化-水分の影響-
立花和宏,○佐藤幸裕,仁科辰夫,遠藤孝志,2000年電気化学秋季大会, (2000).
LiPF6中でのアルミニウムのブレークダウン電位(CP), グラフ.
結果と考 > 論文・報 > リチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化(2001),論文・報告書・解説など
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2001).
結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 集電体| > アルミニウム|有機電解液界面,集電体|電解液(界面)
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2008).
(1) リチウムイオン二次電池における正極合材のバインダーとアルミニウム集電体の表面接触特性
○田中智,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,尾形健明,第45回電池討論会, (2004).
(2) ブレークダウン電圧(breakdown voltage) VB [ボルト].
(3) 耐電圧(withstand voltage) Vb [ボルト].
(4) 化成電圧() Vf [ボルト].
(5) 電位上昇速度() v [ボルト毎秒].
(6) 皮膜を通過する電流密度(高電場機構), (計算).
(7) 【講演】電気化学会関東支部セミナー
立花和宏, 研究ノート, (2005).
(8) リチウム電池駆動用電解液中でのアルミニウムの不働態化-皮膜生成機構-
○立花和宏,佐藤幸裕,仁科辰夫,遠藤孝志,小野幸子,2000年電気化学秋季大会, (2000).
(9) リチウム電池駆動用電解液中でのアルミニウムの不働態化-水分の影響-
立花和宏,○佐藤幸裕,仁科辰夫,遠藤孝志,2000年電気化学秋季大会, (2000).
(10) クロノポテンショグラム,時間,電位, (プロット).
(11) 時間(time) t [秒].
(12) 電位(poitential) E [ボルト].
(13) LiPF6中でのアルミニウムのブレークダウン電位(CP), グラフ.
(14) 結果と考 > 論文・報 > リチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化(2001),論文・報告書・解説など
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2001).
(15) 結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 集電体| > アルミニウム|有機電解液界面,集電体|電解液(界面)
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2008).
○田中智,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,尾形健明,第45回電池討論会, (2004).
(2) ブレークダウン電圧(breakdown voltage) VB [ボルト].
(3) 耐電圧(withstand voltage) Vb [ボルト].
(4) 化成電圧() Vf [ボルト].
(5) 電位上昇速度() v [ボルト毎秒].
(6) 皮膜を通過する電流密度(高電場機構), (計算).
(7) 【講演】電気化学会関東支部セミナー
立花和宏, 研究ノート, (2005).
(8) リチウム電池駆動用電解液中でのアルミニウムの不働態化-皮膜生成機構-
○立花和宏,佐藤幸裕,仁科辰夫,遠藤孝志,小野幸子,2000年電気化学秋季大会, (2000).
(9) リチウム電池駆動用電解液中でのアルミニウムの不働態化-水分の影響-
立花和宏,○佐藤幸裕,仁科辰夫,遠藤孝志,2000年電気化学秋季大会, (2000).
(10) クロノポテンショグラム,時間,電位, (プロット).
(11) 時間(time) t [秒].
(12) 電位(poitential) E [ボルト].
(13) LiPF6中でのアルミニウムのブレークダウン電位(CP), グラフ.
(14) 結果と考 > 論文・報 > リチウム電池駆動用電解液中におけるアルミニウムの不働態化(2001),論文・報告書・解説など
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2001).
(15) 結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 集電体| > アルミニウム|有機電解液界面,集電体|電解液(界面)
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2008).