このような反応機構は高電場機構と呼ばれ、Guntershultz1)や Mott2)によってアノード酸化皮膜の生成機構として古くから検討されてきた。 (4)式におけるA,B と、(2)式におけるkによって、高電場機構による皮膜生成の電流-電位曲線は、完全に記述できる。そこでこれらの値を高電場機構の反応パラメータと呼ぶことにする。(3)式と(4)式より得られた(5)式に示すように、電流密度の対数は(電位上昇速度/電流密度)は比例し、その勾配と切片は高電場機構の反応パラメータと密接な関係がある。
またアルミニウムが非水材料で不働態化するのはLiBF4、LiPF6、などの電解質を用いたときに限定され、イミド塩などでは不働態化しない。これらのことを考慮すると、アルミニウムはLiBF4、LiPF6、(C2H5)4NBF4などのフッ素系アニオンからなる電解質を含む有機電解液中で、次のようなバリア型皮膜の生成反応により不働態化が進行し耐食性が与えられると考えられる。
Al + 3BF4- → AlF3 +3BF3 + 3e- …(3)
Al + 3PF6- → AlF3 +3PF5 + 3e- …(4)
水溶液中では、溶媒である水とアルミニウムが反応するのに対して、有機電解液中では溶質であるアニオンとアルミニウムが反応する。実際、溶媒を含まないイオン液体中でもアルミニウムはアニオンと反応して不働態化する。
【物理量】
電位3)電位上昇速度4)ブレークダウン電圧5)アノダイジングレシオ6)
【関連講義】卒業研究(C1-電気化学2004~),アルミニウム|酸化皮膜|有機電解液界面7)
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仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2009).
(1) 電流密度は電場強度の指数に比例(高電場機構)
A. Gunterschulze, H. Betz, Z. Phys.,92,367(1934).
(2) 金属酸化の理論
F.Mott, N.Cabrera, Rept.Prg.Phys.,12,163(1948).
(3) 電位(poitential) [ボルト].
(4) 電位上昇速度() [ボルト毎秒].
(5) ブレークダウン電圧(breakdown voltage) [ボルト].
(6) アノダイジングレシオ() [メートル毎ボルト].
(7) 結果と考 > 考察と討 > 電極に内 > 集電体| > アルミニ > アルミニウム|酸化皮膜|有機電解液界面,アルミニウム|有機電解液界面
仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2009).
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(2) 金属酸化の理論
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(5) ブレークダウン電圧(breakdown voltage) [ボルト].
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仁科 辰夫,卒業研究(C1-電気化学, 講義ノート, (2009).