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関係者(共同研究者) | |
クエン酸錯体法で作製した高速充放電電極によるバインダのイオン透過性評価
(山形大院理工, 山形大工*1)○阿部智幸,立花和宏*1,仁科辰夫,遠藤孝志*1
Ion permeable evaluation of a binder by the high speed discharge and charge electrode prepared by the citrate process
〇T. Abe, K. Tachibana*1, T. Nishina, T. Endo*1(Yamagata Univ.)
2006年電気化学秋季大会@京都府京田辺市1)
1. 目的
リチウムイオン二次電池の中でバインダは合材の均一なペースト化、合材の相互結着、集電体への接着などの役割を担っている1)。バインダには各種高分子が使用されており、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)などが主に使用されている2)。現在行われているバインダの評価方法としては電解液膨潤試験、充放電サイクル試験などがあるが、3,4日間の長時間の測定が必要であり、電池自体での評価になるのでバインダによる直接的な影響を調べる事が困難である。我々はバインダを被覆する事で、Li+イオンの脱挿入の阻害をするという事を報告している3)。そこで本研究ではクエン酸錯体法によって作製した高速充放電が可能なAu/LiMn2O4電極を用いて、種々のバインダについてのイオン透過性の評価を行った。
2. 方法
はじめにクエン酸錯体法によってAu/LiMn2O4電極を合成温度650℃で作製した。次に、その電極にバインダ(PVDF、SBR)を被覆し120℃で二時間真空乾燥を行った電極を作製した。Au/LiMn2O4電極および、バインダを被覆した電極を試料極とし、対極および参照極に金属Li、電解液に1M LiPF6/EC+DEC(50:50)を用いて、3極式セルをグローブボックス内で作製した。これらのセルを用いてサイクリックボルタンメトリー(CV)を掃引速度0.1V/sで行い、それぞれのCVについて電流値を比較しバインダのリチウムイオン透過性を評価した。
3. 結果および検討
図1に示したCVより、バインダを被覆していないAu/LiMn2O4電極ではLiMn2O4特有のダブルピークが見られ、アノード側4.3V vs. Li+/Liの最初のピークの電流値は約180μAであった。
それに対し、PVDFを被覆したAu/LiMn2O4電極の場合、図2より
はみ出しているが4.3V vs. Li+/Li で電流値は13μA、SBRを被覆した場合、図2より0.4μAであり、活物質のみの場合よりも低下した。また、二種のバインダについて比較するとPVDFの方がSBRよりも電流値が高かった。この結果より、PVDFの方がリチウムイオンの透過性が高いと言える。今回イオン透過性の高かったPVDFにおいても活物質のみの場合と比べ167μAもの電流値の差が見られた。よって、バインダが活物質表面に被覆しても阻害の少ない、よりイオン透過性の高いバインダが求められる。よって本研究における高速充放電電極によるイオン透過性の評価は、測定を2時間程度で行えるため迅速にイオン透過性の評価が出来るという利点があり有効である。
by 立花和宏
西暦 | 令和 | 🔷 平成 | 🔷 昭和 | 🔷 大正 | 🔷 明治 |
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2001 | R-17 | H13 | S76 | T90 | M134 |
2002 | R-16 | H14 | S77 | T91 | M135 |
2003 | R-15 | H15 | S78 | T92 | M136 |
2004 | R-14 | H16 | S79 | T93 | M137 |
2005 | R-13 | H17 | S80 | T94 | M138 |
2006 | R-12 | H18 | S81 | T95 | M139 |
2007 | R-11 | H19 | S82 | T96 | M140 |
2008 | R-10 | H20 | S83 | T97 | M141 |
2009 | R-9 | H21 | S84 | T98 | M142 |
2010 | R-8 | H22 | S85 | T99 | M143 |
2011 | R-7 | H23 | S86 | T100 | M144 |