語釈1.
鉄(Fe)は地球のコアを形成するもっともポピュラーな金属です。にもかわからず鉄を取り出すには多くの工夫がありました。トルコで3500年前に出現した鉄器は農具、武器として世界史を変革し、紀元前1400年1)ごろににアルメニア地方で開発された隕鉄を利用した製鉄技術によってエジプト、メソポタミアに脅威を与えました2)。
たたら製鉄では砂鉄を浮沈選鉱したのち、カオリンを使った炉に木炭とともに投入して過熱還元し鋼を得ます。
近代製鉄では鉄鉱石、コークス、石灰を使って銑鉄を得て(高炉)、酸素を吹き込んで余剰のセラミックスを除去して鋼とします(転炉)。
1500℃が作る東京スカイツリー―鉄鋼―について 無機工業化学 で述べられています 3)。
【関連講義】
日本においても、環境効率の高い製鉄技術の研究開発が進められています。新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下 NEDO)は2008年より、製鉄過程で発生するCO2を削減する研究開発プロジェクト「環境調和型プロセス技術の開発/水素還元等プロセス技術の開発(COURSE50)」を進めています。
出典:
CO2排出量ゼロ!製鉄の常識を覆すBoston Metalのイノベーションとは? 10)
【関連書籍】11)
- (1) 伊藤智博、立花和宏、仁科辰夫.
電気化学の庵:紀元前
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=1211. (参照2007-02-12). - (2) 宮崎正勝.
モノの世界史
. 原書房, 2002. . - (3) 立花 和宏.
無機工業化学:1500℃が作る東京スカイツリー―鉄鋼―
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=4454. (参照2020-05-11). - (4) 立花 和宏.
お散歩の中にサイエンスを探し求めて♪:和鋼博物館@島根県
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=2248. (参照2008-07-12). - (5) 仁科 辰夫.
仁科先生の工場見学ルポ:新日本製鐵株式会社 君津製鐵所
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=1805. (参照2007-11-05). - (6) 仁科 辰夫.
仁科先生の工場見学ルポ:株式会社マツバラ@岐阜県
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=2206. (参照2008-05-24). - (7) 伊藤智博、立花和宏、仁科辰夫.
電気化学の庵:JIS.G―鉄鋼・ステンレスの工業規格
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=1056. (参照2006-11-28). - (8) 立花和宏.
無機工業化学:鉄鋼精錬と建材、造船、鉄道 (2007)
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=1646. (参照2007-10-25). - (9) 立花和宏, 仁科辰夫.
エネルギー化学特論:製鉄の温度と電子の発見
. /amenity/Syllabus/@Lecture.asp?nLectureID=4980. (参照2020-04-02). - (10) 建設テックメディア CON-TECH.
CO2排出量ゼロ!製鉄の常識を覆すBoston Metalのイノベーションとは?
. https://contech.jp/bostonmetal/, (2020-11-15) - (11) 野村正勝・鈴鹿輝男.
最新工業化学―持続的社会に向けて―
. 講談社サイエンティフィク, 2004. .