教育の品質

教育をサービスとしてとらえたとき、 教育の品質を向上するには、どうしたらいいだろうか?

教育サービスには、父母その他の保護者が行う家庭教育、地域が行う社会教育、学校が行う学校教育などがある。 学校は、行政による教育サービスと言える。 学校教育には、保護者が教育を受けさせる義務を負う小学校、中学校、 教育を受ける権利 による高等学校、 学問の自由による大学などがある。

現在において、高等教育の危機が懸念されている。 大学の教育の質保証と、卒業生の学力低下の歯止めは表裏一体の課題である。

教育サービスにおいて製品に相当するモノは、輩出した人材であろう。

大学では、入学試験(受入検査)、履修時の科目試験(工程間検査)、卒業研究発表会(完成品検査)、卒業認定(出荷検査)と合否判定の検査(テスト)が続く。 しかし、製造業の品質管理における検査重点主義は、不適合品(不良品)が多かった1960年代の考え方であった。

卒業したあと、必要な資質を備え、心身ともに健康な社会の形成者を輩出するために、 教育サービスの品質をどのように向上させたらよいだろう。 ネットで、大学教育の質の保証や向上に関するトピックを検索して、そのなかからひとつ選び 現在の、品質管理の考え方と対応させながら議論してみよう。

※選んだトピックの出典を明らかにしてください。


  1 質の高い教育をみんなに
*

(教育の目的)

第一条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

(教育の目標)

第二条 教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

教育基本法

第八十三条  大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させることを目的とする。
○2  大学は、その目的を実現するための教育研究を行い、その成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする

第九十九条  大学院は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥をきわめ、又は高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする。
○2  大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするものは、専門職大学院とする。

出典:学校教育法

  1 検査の区分
種類 分野 調理との対比 学校との対比
受入検査 素材の厳選 入学試験( アドミッションポリシー
工程間検査 調理中の味見 ( カリキュラム・ポリシー)
完成品検査 盛りつけなど外見 卒業研究発表会、公聴会
出荷検査 ( ディプロマ・ポリシー)
1 )

PDCA のチェック(C)


大学におけるFDと品質管理

研究とは、そもそも自然界や社会の現象を理解しようと仮説を立て、実験や観察を傘ね、その結果を評価して仮説に修正をくわえていく、 まさに PDCAサイクルそのものだといえます。

……授業内容を改善することは学生におもねることではありません。……

2 )


ワークショップについて

ワークショップを楽しみましょう 3 ) 。 グループ人数は、5〜6名とします。 7名を超えないようにしてください。

初対面の場合は、自己紹介をしましょう。 雑談をして、アイスブレイクしましょう。

リーダー(司会進行)を決めてください。 そのほかのメンバーの 役割(記録係、資料作成係、プレゼンター( 登壇者))を決めてください。

グループ名を決めてください。

記録係は、試験答案用紙表面の最上部に、授業科目名、グループ名を記入してください。 メンバーは、記録係に従い、学籍番号、氏名、役割を直筆署名してください。 その際、 筆頭著者を登壇者の氏名の前に〇をつけてください。

討論を開始したら、記録係は討論の内容を裏面に記録してください。

討論がまとまったら、資料作成係は、試験答案用紙表面グラフィカルアブストラクト に表現してください。

グラフィカルアブストラクトを撮影し、WebClassにアップロードしておくと復習に便利です。

登壇者は、プレゼンテーションのイメージをしましょう 4 ) メラビアンの法則を意識して、 非言語表現も工夫しましょう 5 )

グループ名が指名された後で、じゃんけんなどで登壇者を決めるのは、授業進行の妨げとなりますので、 必ず、討論前に 登壇者を決めてください。

記名だけして、討論に参加しない場合、不正行為として扱うことがありますので、必ず討論に参加してください。 自分から参加できなそうな人には、積極的に声がけをお願いします。 期末の成績評価申請時に、グループ名やメンバー、討論の内容を思い出せるよう、答案用紙を撮影することを推奨します。

ランダムにグループを指名し、壇上で、 プレゼンテーションしてもらいます 6 ) 。 質疑応答の際も、グループを指名しますので、指名されたグループのプレゼンターが質問、コメント、アドバイスをしてください。 ディベートとしての反対意見は、大歓迎です。

資料作成係は、討論の内容をポスターとして、試験答案用紙の裏面にまとめてください。 資料作成係に従って、他のメンバーが代筆してもかまいません。

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✍ 平常演習

平常演習の配点と取り扱いについて

平常演習の配点は、授業1回ごとに、一律加点です。 平常演習には、ワークショップ、意見交換、発表、質疑応答など授業時間内の学習活動を含みます。 そのほかに授業時間外の0.5時間の学習活動を含みます。 平常点は、期末にWebClassの成績評価申請書に申告していただき集計します。

授業時間外の活動の一助としてWebClassへの提出を推奨します。〆切は講義後1週間です。 ただし平常点の加点は、授業時間内の学習活動も含みますので、 WebClassへの提出のみでの、平常点の申告はご遠慮ください。

WebClassへの平常演習提出は、推奨しますが、必須ではありません。 提出されていなくとも、成績評価申請書に、各回の授業時間以外の0.5時間の取り組みが申告されれば十分です。未提出だからと心配することはありません。

成績評価申請書では、それぞれの授業で何を学び身につけたかを申告してもらいます。 WebClassに提出したかどうかより、身につけることを優先してください。 授業で取り上げたトピックや、グループワークの意見交換の内容は、期末までノート 7 ) などに記録しておくことを推奨します。 逆に授業に参加していないのに、WebClassの出席や提出だけの場合は不正行為として扱うことがあります。 平常の取り組みだけで、「到達目標を最低限達成している。成績区分:C」となります。 評点が60点に満たない場合は、不合格となります。 欠席した場合、課外報告書へ取り組むことで挽回してください。 出席が60%に満たない場合、課外報告書を提出しても、単位認定できません。


参考文献