(株)フコク群馬工場・中央研究所見学の報告
JABEEが主張する技術者教育の実践には、教官がモノ造りの現場を熟知する必要があり、いろんな会社の工場見学を実施しています。随所で、(株)フコク様のYes,WeDo!を垣間見る事ができました。また、夜の更けるのも忘れて楽しい交流の席を設けて戴き、深く感謝申しあげます。
更に、副社長からのご説明の後のディスカションにおいて、(株)フコク様と取り組めるテーマとして、同伴いたしました科学技術コーディネータから提案がございましたが、そればかりでなく、(株)フコク様の強みはゴム材への種々な材料の「混合」、「均一混合」、「構造制御混合」にあると思います。副社長からのご説明の際にいくつかキーワードが提示されておりましたが、巷で騒がれている機能性なんちゃらという用語の最後に「ゴム」の一言をつけるだけで、実に多くのものができると思います。「ゴム」の場合は、なんといっても「ゴム弾性」という他の材料にない特徴的な機能があり、これを巷で騒がれている機能性なんちゃらというものに組み合わせるだけで実に多くの魅力的な材料ができてくると思います。私どもが提案させていただいたテーマは、そのほんのひとかけらに過ぎません。鍵は、自分の専門分野に囚われない発想力でしょうか。異分野の技術との組み合わせは実に強力な武器となりますし、「ゴム弾性」という他にはない特徴を最大の武器にできる(株)フコク様の技術は、今後も大きく伸びていけるものと思います。
それにしても、ゴムという高粘性なものに、炭素などの微粉体を均一混合する技術は、凄いものがありますね。この分野は、工学的な解析があまり進んでいない分野だと思いますが、現場でははるか先を行っている。凄いもんです。しかも、炭素などの微粉体が舞い散って環境を汚さないように、かつ、作業の効率性を追求した材料供給・粉体混合装置などは、驚くばかりでした。炭素の粉体を扱う工場では、炭素微粉によって工場内の床や壁が真っ黒になっているのが通常ですが、(株)フコク様の工場がきれいだったことに驚きを隠せません。
FEM解析については、私が本田技研和光研究所にいた昭和58,59年のときの仕事を思いだし、懐かしく聞かせていただきました。あの時私は、ゴム材料の疲労破壊のデータとFEM解析による最大応力集中部の結果から、マイナー則を用いてゴム部品の寿命予測をするという仕事をしていたのでした。先ほどGoogleで「マイナー則」をキーワードにして検索をかけてみたのですが、2002年4月に面白そうな書物「ゴム・樹脂製品における故障解析と寿命予測」(http://www.j-tec…)が出版されているのですね。70,000円の書物ですか…以前にQ&Aにあった質問に対する回答は、Googleでは45位にランクインしておりました。http://syllabus-…であります。
(株)フコクの益々のご繁栄、皆様方のご健勝をお祈り申しあげます。