鉛蓄電池負極サルフェーションと電池構成部材の純度. 山形大学 物質化学工学科 ,卒業論文, 2005. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/Academic/@Thesis.asp?nThesisID=257, (参照 ).
鉛蓄電池負極サルフェーションと電池構成部材の純度 A04
山形大学工学部物質化学工学科 立花・仁科研究室 01512032 小林郁衣
Anode 
1.緒言 鉛蓄電池は1859年にプランテによって発明されて以来、基本原理は変わっていない。そのため1950年代に鉛蓄電池研究のピークを迎えてからは、その実用状況の多さと比べてあまり研究されなくなった。しかし現在、鉛蓄電池の使用用途が時代とともに変化し、新たな研究課題が生じてきた。それが負極のサルフェーションである。本研究では1950年代にはまだなかったSEMなどの最先端機器を用いて負極のサルフェーションを観察し、さらに減少させる方法について検討する。
 
2.目的 サルフェーションとは鉛蓄電池の放電の際にできる硫酸鉛(PbSO4)のことで、結晶が硬質化すると充電しても硫酸イオン(SO42-)と鉛(Pb)に戻らなくなる。
正極:PbO2+SO42-+4H++2e-→PbSO+2H2O
負極:Pb+SO42-→PbSO4 
図1 鉛蓄電池内部の化学反応(放電時)
 
硫酸鉛が電極表面に付着したままだと、鉛の反応面積が減り、電池の容量が減ってしまう。そこで電池の性能向上のためにサルフェーションを減らしたい。ここでは負極のサルフェーションの観察を行う前に、まず正極の腐食をみてみた。電圧を加えて腐食させた正極電極表面をデジタルハイスコープ(HIROX 
3.実験方法 試料極として線径φ0.5㎜で純度99.9+%の鉛線を使用した。実験は三電極式で行い、対極・参照極には試料極と同じ鉛線を用いた。電解液には一般に鉛蓄電池に用いられている4.5M H2SO4を使用した。ポテンショスタットを使って2.4Vの電圧を2時間かけて、鉛を腐食させた。(電流密度:1mA/cm2)
次に腐食させた鉛をデジタルハイスコープで観察した。同時に腐食させていない純鉛線の観察も行った。また、腐食鉛線の断面のSEM写真を撮るため、まず腐食させた鉛線をエポキシ樹脂で固めた。そして固めた腐食鉛線を紙やすり、ラッピングシートを用いて研磨し、最後にアルミナで磨いた。それから蒸着装置を用いて研磨したエポキシ樹脂+鉛線表面に白金を塗布した。その後SEM(倍率2000倍)で観察を行った。
 
4.実験結果 図2、図3に観察したSEM写真の結果を示した。
 
図2 腐食鉛のSEM 図3 図2の拡大
写真(倍率2000倍) SEM写真
5.結論 デジタルハイスコープで腐食鉛の断面を観察した結果、倍率500倍では腐食の様子がうまく観察できなかったため、鉛の表面観察はデジタルハイスコープよりもSEMで行ったほうがよいことがわかった。
今後の課題としては高純度の鉛線、硫酸を用いたときのサルフェーションの違いをSEMを使って観察したい。
参考文献 
たかのあとをつぎました2) 3) 。
(2) 鉛蓄電池の充放電に伴う負極劣化のその場観察法による可視化
加藤正吾, 卒業論文, (2005).
(3) 鉛蓄電池の充放電に伴う負極劣化のその場観察法による可視化
○加藤正悟,立花和宏,仁科辰夫,遠藤孝志,尾形健明,菅原陸郎,小沢昭弥, 化学系9学協会連合東北地方大会, (2004).
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鉛蓄電池負極サルフェーションと電池構成部材の純度. 山形大学 物質化学工学科 ,卒業論文, 2005. https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/Academic/@Thesis.asp?nThesisID=257, (参照 ).
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山形大学 物質化学工学科 ,
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卒業論文</a>
, 2005.
<a href='https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/Academic/@Thesis.asp?nThesisID=257'>
https://edu.yz.yamagata-u.ac.jp/developer/Asp/Youzan/Academic/@Thesis.asp?nThesisID=257</a>,
(参照 <time datetime="2025-01-19">2025-01-19</time>).
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